「ストレージ」から見る仮想化の今【前編】
VMware vs. Microsoft“仮想化戦争”の舞台が「内部ストレージ」に移った訳(2/2 ページ)
Microsoftの内部ストレージ関連技術
Microsoftのサーバ仮想化機能「Hyper-V」は、同社のサーバOS「Windows Server」用に開発された多くのストレージの強化機能を活用している。内部ストレージ関連技術として、「記憶域スペース」やNTFSの拡張機能である「Resilient File System」(ReFS)が含まれる。
記憶域スペースでは、ローカルの物理ディスクを結合してVM用の障害回復力が高いストレージプールを作成できる。例えば、巨大な1つのプールにしたり、容量やパフォーマンスでグループ化したりすることが可能だ。
Microsoftは同社の「Windows Server 2012 R2」の記憶域スペースに、次の機能強化を施した。
- ストレージ階層:アクセス頻度に応じて、異なる種類のメディア間で動的にデータを移動させる自動階層化モデルで、HDDとSSDの両方を使用するための機能
- ライトバックキャッシュ:SSDを使用して、書き込みリクエストの処理を高速化したり、書き込み後にアプリケーションに確認をするための機能。サイズの小さいランダムな書き込みが対象
- ストレージの自動再構築:ホットスペアを使用するのではなく、プールの空き領域からストレージプールを再構築する機能
- デュアルパリティのサポート:個別の物理ディスクドライブにデータのミラーを複数作成して、二重ディスク障害に対応。データのミラーや複製が多いほど、ハードウェア障害に対する耐性が向上
ReFSは、論理ファイルの破損やハードウェア障害から復旧する方法を改善し、より高いレベルの障害回復力とスケーラビリティを提供する。Microsoftの「Windows Server 2016」では、ReFSがHyper-Vのデフォルトの推奨ファイルシステムになっている。他にも、固定サイズのVHDXファイル(仮想HDDファイル)をより早く作成できるようになったり、Hyper-Vのスナップショット「チェックポイント」の高速なマージ、ディザスタリカバリー(DR)環境構築機能「Hyper-Vレプリカ」のパフォーマンス改善が強化点として挙げられる。
Windows Server 2016には、各サーバのローカルディスクを活用する機能も追加されている。例えば「記憶域スペースダイレクト」は、Hyper-Vベースのハイパーコンバージドインフラに匹敵する、Windows Serverベースのスケーラブルなストレージアプライアンスを構築できる。Windows Server 2012以前には、クラスタ化された記憶域スペース構成が共有ストレージにアクセスできなければならないという要件があった。だがこの要件は、ファイル共有プロトコルの「SMB」(Server Message Block)と、RDMA機能(CPUの介在なしでデータ転送を可能にする機能)を有効にした「SMBダイレクト」を使用して、IPネットワークからサーバにアクセスできる機能によってなくなっている。
後編では、外部ストレージやデータ管理、コンテナに関する各仮想化ベンダーの取り組みを紹介する。
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