オブジェクトストレージ用途でもHDDを駆逐
価格低下が進むSSD、「HDDに比べて速度3倍で同一価格」の衝撃(1/2 ページ)
オブジェクトストレージでは、場所を取って動作も遅いが安価なHDDを利用してきた。だが、価格低下が著しいSSDは、オブジェクトストレージでもHDDを駆逐しようとしている。
オブジェクトストレージは、ニアラインストレージ、クラウドストレージ、Hadoopストレージ、さらにはNoSQLデータベースで一般的になってきた。その主なストレージデバイスはSSDではなく、サイズの大きい7200rpmの3.5インチHDDだ。オブジェクトストレージは主にセカンダリーストレージとして使用するため、パフォーマンスではなくスケーラビリティ、信頼性、耐久性を低コストで提供するのが販売戦略で主要な要素になるからだ。
とはいうものの、オブジェクトストレージが、現在と比べて100倍のパフォーマンスを発揮し、耐久性は現状維持、または強化して、スケーラビリティは高く、価格が今と同じかさらに安くなるとしたらどうだろう。
読み取り処理用に最適化したSSDフラッシュストレージとHDDに関する公開済みのロードマップによると、2016年末には、まさに今述べた状況が現実のものになるという。
最大容量の問題
重要なポイントは、オブジェクトストレージにどのデバイスを使うかだ。オブジェクトストレージとして保存するデータのほとんどは、「セカンダリー」と呼ぶ控えの立場にあるデータなのでアクセス頻度は高くない。このため、ストレージデバイスを選ぶ最大の理由は転送速度といったパフォーマンスではなく、コスト(容量当たりのコスト)とサイズ(容量当たりの容積)になる。1台の実効容量が4~10TBのHDDをオブジェクトストレージに使用する理由がここにある。HDDは光学ドライブやテープドライブと比べてデバイスの容積が少なくTB当たりのコストも低い。
一方、読み取り処理用に最適化したSSDも二次的なデータの保存を想定して設計している。デバイスのサイズは3.5インチHDDと比べて容積は40%、重さは10%とコンパクトになる。新しい多層の3D NANDや縦型のトリプルレベルセル(TLC)NANDは、読み取り処理用に最適化したSSDに理想的だ。2015年末時点で、読み取り処理用に最適化した2.5インチSSDにおいて市場で最大の実効容量は約4TBだったが、この状況は急速に変化している。
Samsung Electronicsは2016年第1四半期に、読み取り処理用に最適化した32層で16TB、2.5インチ(インタフェースはSASまたはSerial ATA)のSSDをリリースした。これには、256GBのTLC NANDチップを採用している。第3四半期までには、複数のベンダーが同等の製品をリリースする予定だ。そして第4四半期までには、読み取り処理用に最適化した24TBと32TBの2.5インチSSDが登場すると期待する声もある。Intel、Micron、Samsung Electronics、東芝は、読み取り処理用に最適化した2.5インチSSDの容量が2017年には48TBと96TBに、2018年までには128TBと256TBに拡大すると予測している。
ベンダーが予測する容量ロードマップと3.5インチHDDで容量を比較してみよう。2016年上期の時点でHDDの最大容量は10TBだ。Seagate TechnologyとWestern Digitalは、この容量が2020年までに20TBに増加すると予測している。可能性は低いものの、開発のピッチを上げることができれば、2020年までに40TBに到達できるとも主張している。いずれにしてもHDDとSSDの容量には大きなギャップがあり、その差はこれからも急速に開いていく。
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