オブジェクトストレージ用途でもHDDを駆逐
価格低下が進むSSD、「HDDに比べて速度3倍で同一価格」の衝撃(2/2 ページ)
信頼性の問題
トロント大学とGoogleが、運用環境のSSDに関する調査を最近実施したところ、驚くべき情報が明らかになった。
Raw Bit Error Rates(RBER:使用可能なビットのエラー率を指す値)は、一般的に書き換え回数によって急増する。だが、これまでいわれているほど速いペースでは全くなかったという。さらに重要な発見としては、Raw Bit Errorでは修復できないエラーやその他のエラー状態を引き起こさないことも分かった。また、従来のHDDに比べるとSSDの交換率は非常に低かったが、修復できないエラーが多数記録されていることが判明した。これは、修復できないエラーが多発してもSSDの交換を必要としなかったこと意味する。
この調査結果は、読み取り処理用に最適化した大容量のSSDがオブジェクトストレージに理想的ということを示している。SSDの書き換え(Program-Erase)ブロックは、フラッシュNANDの性質(読み取りに使わないブロックにも電圧がかかり保持した情報を失いやすくなる)により、書き込み時に失敗したり修復不可能なビットエラーを生成したりする可能性がずっと高いからだ。現在のSSDでは読み取りによって修復不可能なビットエラーが生成することはほとんどない。ただし、極めてまれではあるものの、「Read-Disturb」(リードディスターブ)現象が起こる可能性は否定できない。
基本的に、オブジェクトストレージの消失訂正符号(Erasure Coding)は、さまざまなPEブロック、ドライブ、ノードで複数のサブオブジェクトとしてオブジェクトを書き込む。サブオブジェクトに修復不可能なビットエラーがある場合、オブジェクトストアは単にどこか別の場所に修復不可能なビットエラーを書き込んで、SSDはそのPEブロックを廃棄する。その後、容量を維持するためにSSD内で冗長に用意したストックから引き出す。これが、読み取り処理用に最適化したSSDがオブジェクトストレージに非常に適している理由だ。
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ここまでSSDがオブジェクトストレージに適している理由を述べてきたが、その全てを覆し得る要素にもなるだろう「コスト」はどうだろうか。読み取り処理用に最適化したかどうかに関係なく、SSDはHDDよりもずっと高価だったのは過去の話だ。SSDとハイエンドHDDの価格は2015年に逆転した。ガートナーなどのアナリストは、TBごとの取得コストを計算した結果、読み取り処理用に最適化したSSDとHDDの価格は2016年に同一になると予測している。
ただし、読み取り処理用に最適化したSSDの電源と冷却コストは、平均すると使用可能なTBあたり約10%になることに留意したい。データセンターの占有面積を削減することと高密度のHDDラックの重量に耐え得る床の強化タイルが不要になることによる節約を加味すれば、2016年の終わりを待たずに価格が逆転する可能性もある。
読み取り処理用に最適化したSSDを使用するシステムでは、オブジェクトストレージのパフォーマンスが最大2~3倍向上する。また、ラックと床の使用面積が減少し、運用のトータルコストで考えれば現在運用しているオブジェクトストレージよりも安くなる。オブジェクトストレージユーザーへの朗報は、オブジェクトストレージのアップグレードが従来のストレージよりも簡単ということだろう。ノードは1つずつオンラインでアップグレードでき、データの移行は必要ないからだ。
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