体験版で知るWindows Server 2016操作テク【第3回】
Windows Server 2016で大幅拡張した対応CPUとシステムメモリ要件を把握する(2/2 ページ)
システムメモリ拡張を意識するならWindows Server 2016
注意したいのは、新しくないハードウェアをサーバとして利用する場合だ。メモリは、DIMM(メモリモジュール)スロットの数や装着DIMM数など物理的に確認しやすく、ストレージは交換が容易だ。しかし、CPUは「使えるか使えないか」の判断が意外と難しい。2010年以降に登場したハードウェアならほぼ問題ないが、それ以前だとCPUの機能を細かく調べる必要がある。特にAMDの音声・映像処理向け拡張命令セット「3DNow!」に由来する「PREFETCHW」命令については確認が必須だ。Intel製CPUの場合、スペック表的には2006年以降の製品がPREFETCHW命令を処理できるものの、実際には動作せず何もしない命令(NOP)という扱いだった。実際に動作するようになったのは、2014年の開発コードネーム「Broadwell」世代からで、これ以前の製品では性能差が出る可能性がある。
| 命令 | 解説 | 対応していないIntel製CPU | 対応していないAMD製CPU |
|---|---|---|---|
| CMPXCHG16 | Intelが64ビット化(拡張命令セット「Intel 64」の実装)のときに独自に追加した命令 | - | Socket AM2(2006年リリース)以前のプロセッサ |
| LAHF/SAHF | AMDの拡張命令セット「AMD64」にはあったが、発表時のIntel 64(「EM64T」)には含まれなかった32ビット命令 | 初期のIntel 64プロセッサ。開発コードネーム「Nocona」(2004年リリース)以前の「Xeon」シリーズ | - |
| PREFETCHW | AMDが独自実装した命令 | 開発コードネーム「Cedarmill」(2006年リリースの「Pentium 4」)以前のプロセッサ。ただし、Broadwell(2014年リリース)以前のプロセッサは動作としてはNOPと同じ | - |
| XD(Intel)/NX(AMD) | AMD64が最初に搭載したデータ実行防止機能(DEP) | Nocona(2004年リリース)以前のXeon、開発コードネーム「Prescott」以前のPentium 4 | - |
| EPT(Intel)/NPT(AMD) | 第2レベルアドレス変換(SLAT)。初期の仮想マシン支援機能には含まれていない。NPTは「RVI」とも呼ばれる | Xeonの4桁型番で5400番台(開発コードネーム「Harpertown」)以下の世代番号があるプロセッサ。開発コードネーム「Clarkdale」(2008年リリースの「Core i3/5/7」)より前のプロセッサ | 開発コードネーム「Budapest」「Barcelona」(2007年リリースの「AMD Opteron 1300/2300」)より前のプロセッサ |
CPU以外のハードウェア要件もWindows Server 2016と2012 R2でその違いを確認してみよう。最大搭載システムメモリだが、Windows Server 2016では24TBとWindows Server 2012 R2の4TBから6倍に増えている。これは、ハードウェアの進歩による部分が大きい。最新のCPUを搭載するサーバを使うならシステムメモリの拡張を考慮してWindows Server 2016が有利といえる。
CPUの論理コア数は、Windows Server 2016で最大512個となっている。Microsoftは論理コア(Logical Processor:LP)を「OS、アプリケーション、ドライバの視点からの1つの論理的コンピューティングエンジン」と定義している。コアを「1つ以上の論理プロセッサから構成することができる1つのプロセッサユニット」、物理プロセッサを「1つ以上のコアから構成」され、「プロセッサパッケージ、ソケット、またはCPU」と呼ばれるものと説明している。
| ハードウェア項目 | Windows Server 2016 | Windows Server 2012 R2 |
|---|---|---|
| 最大物理メモリ | 24TB | 4TB |
| 最大論理プロセッサ数 | 512個 | 320個 |
| 仮想マシン当たりの最大メモリ | 12TB | 1TB |
| 仮想マシン当たりの最大仮想プロセッサ数 | 240個 | 64個 |
コアや物理プロセッサ(あるいはソケット)は、一般的なプロセッサ用語としてハードウェアのカタログなどに記載されているものと同じだ。ただし、論理プロセッサ数に相当するものとして「同時実行スレッド数」などが使われることがある。多くのCPUは、1つのコアがSMT(Simultaneous Multithreading:同時マルチスレッディング)で複数スレッドを同時実行可能になっている。これをWindows Serverでは論理プロセッサとして定義している。つまり、物理プロセッサ(ソケット)は複数のコアを含み、コアは複数の論理プロセッサを含むという関係になる。
仮想マシンの最大割り当て可能メモリと仮想プロセッサ数は、Windows Serverのサーバ仮想化機能「Hyper-V」の仕様で変わる。Windows Server 2012 R2のHyper-Vでは、仮想マシンに対して最大メモリ1TB、仮想プロセッサ64個までに制限していたが、Windows Server 2016では、それぞれ12TB、240個と拡大している。単一の仮想マシンに対して割り当てるシステムメモリや仮想プロセッサは、実論理プロセッサ数や搭載メモリを超えることができないので、ハードウェアリソースに注意する必要がある。
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