「大統領でなければクビ」との声も
トランプ大統領は5年前の「Android」スマホをまだ愛用か セキュリティ専門家が懸念
ドナルド・トランプ米大統領は、一部の用途で自身の私物スマートフォンを使い続けているとみられる。既にアップデートが終了している機種の可能性があり、セキュリティ面の問題を指摘する声がある。
2017年1月下旬の米紙New York Timesの報道によると、ドナルド・トランプ米大統領は一部の側近の反対を押し切って、セキュリティ対策をしていない古い「Android」端末を今も使っている。同氏の個人用スマートフォンがどのくらい古いのかは不明だが、Android CentralによるとSamsung Electronicsの「GALAXY S III」ではないかという。
GALAXY S IIIは2012年に登場したモデルで、2015年以降はアップデートの提供がない。モバイルセキュリティの専門家は「トランプ氏のAndroid端末は重大なセキュリティリスクをもたらす」と口をそろえる。
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大きなリスクにつながるトランプ氏のAndroid端末
モバイルコンサルティング企業J. Gold Associatesの創業者で主席アナリストのジャック・ゴールド氏は「もし大統領でなければ、クビになるところだ」と話す。「従業員が会社から供与されたセキュアな端末を使わず、自分個人用の端末を使ったりすれば、それで終わりだ。これは決して許されないことだ」(同氏)
New York Timesによると、トランプ氏はシークレットサービスが認可した暗号機能付きのセキュアな携帯端末を受け取った。だが同氏は今でも、自身の個人用Android端末で「Twitter」を利用しているという。
旧型の端末には、修正されていないセキュリティの脆弱(ぜいじゃく)性があることが少なくない。悪意のあるハッカーがこの脆弱性を悪用してデータを盗んだり、通信の傍受や端末位置の追跡などの攻撃を仕掛けたりする可能性がある。GoogleはAndroidの最近のバージョンについてはセキュリティを改善しているが、古いバージョンはセキュリティが不十分だ。GALAXY S IIIで動作する最新版OSは、2014年6月にリリースされた「Android 4.4.4」だ。
ITコンサルティングを手掛けるHillSouthの創業者、ロビー・ヒル最高経営責任者(CEO)は、次のように話す。「政府の機密データを扱う政府関係者は誰でも、自分の端末にマルウェアが入っていないことを定期的に確認する必要がある。そうでなければ政府のネットワークに接続できないことは法規で定められている」
HillSouthは厳しい規制が適用される業界や連邦政府、地方政府などに多くの顧客を抱える。ヒル氏によると、市販端末の使用は個人の安全を脅かすことにもなるという。「米国大統領の所在や連絡方法などは人々に知られては困るというのが、大統領を警護するシークレットサービスの立場だ。大統領はGPS(全地球測位システム)で自分の現在位置をさらすリスクの大きさを分かっていない」と同氏は語る。
セキュリティの選択肢は多数存在
政府が所有する端末は、機密情報にアクセスするのに使うのであれば、少なくとも「エンタープライズモビリティ管理」(EMM)製品によって強固なアクセス制限を施しておかねばならない。ヒル氏によると、トランプ氏の個人用端末がこうした防護機能を備えていないのにもかかわらず、機密データにアクセスできるとすれば驚きだという。「軍の最高司令官が最もセキュアな端末を持たないで政府のデータにアクセスできるなんて、想像できない」(同氏)
トランプ氏の前任者のバラク・オバマ前大統領は、執務時間の大半はセキュリティに配慮した「BlackBerry」を使っていた。しかもセキュリティ上の理由から、同端末の機能の多くを削除していた。
厳しい法規制が適用される業界や政府機関を顧客とする、モバイルシステムインテグレーターCelPro Associatesのスティーブン・カントロウィッツ社長は「トランプ氏のAndroid端末も機能が制限されている可能性が高い」と指摘する。その場合、少数の連絡先としか通話できず、ショートメッセージサービス(SMS)やメール、アプリケーションのダウンロードといった機能は使えないと考えられる。「トランプ氏のAndroid端末には、ハッキングを防ぐためのセキュリティソフトウェアが組み込まれているのではないか」と同氏は話す。
前出J. Gold Associatesのゴールド氏によると、携帯端末のOSが古ければ、セキュリティソフトウェアの防護機能を十分に発揮できないという。「トランプ氏がセキュアでない端末を使っているのは大きな問題だ。ホワイトハウスには同氏に批判的な人が誰もいないのだろうか」(同氏)
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