弱点だったコストもTCOでは優位に
「全てのストレージがフラッシュになる時代は確実に来る」の技術的根拠は?(2/3 ページ)
SSDの種類と進化
従来のフラッシュデバイスは、セルを使ってデータを保存してきた。そのため、各セルに格納されるビット数によってカテゴリー分けされてきた。具体的には、SLC(Single Level Cell)、MLC(Multi Level Cell)、TLC(Triple Level Cell)で、格納されるビット数はそれぞれ1ビット、2ビット、3ビットだ。後者ほど同一面積当たりの容量が増えている。
次の大きな進化が3Dアーキテクチャだった。このアーキテクチャは、セルの複数レイヤーを積層することで、容量の大幅な拡大とコスト削減を実現している。
SSDの登場以来、設計者が取り組んできたSSDの1つの課題が、セルの限られた寿命だ。HDDの各ビットは、書き込み可能な回数に制限がない。これに対し、フラッシュを構成するセルは、書き込み可能な回数が限られている。
SLCは通常、MLCやTLCより寿命が長い。これらのことも、ライトアンプリフィケーション(ホストから要求された書き込みよりデバイスへの書き込みが増えること)を避けるべき大きな理由となっている。パフォーマンスに影響するだけでなく、デバイスの寿命を縮めてしまうからだ。
フラッシュドライブ内のセルの種類以外にも、SSDの分類基準がある。プロトコルやインタフェース、フォームファクタの種類などだ。プロトコルはインタフェースを介して動作し、これらは相互に交換可能かもしれないが、さまざまなケースがある。例えば、SCSIプロトコルはSCSIインタフェースを介して動作するが、イーサネット経由でも(iSCSIを)動作できる。
フラッシュドライブは当初、HDD向けに開発されたプロトコルであるAHCI(Advanced Host Controller Interface)をSCSI、Serial ATA、ファイバーチャネル(FC)インタフェースで使用していた。AHCIはHDDを想定して開発されたため、フラッシュではそれほど効率的ではなかった。そこでストレージ業界は、フラッシュ向けにNVMe(NonVolatile Memory express)プロトコルを開発した。
NVMeは、PCのマザーボードでアドオンカードに使用されるのと同じインタフェースであるPCI Expressで動作する。また、ファブリック、イーサネット、FC、InfiniBandでも動作する。
フォームファクタは時間とともに小型化しており、HDDと同じ3.5インチ型および2.5インチ型に加え、ノートPCやタブレット、スマートフォン向けに1.8インチ型やM.2型が広く使われるようになっている。
NVMeドライブは、2016年は少数のストレージアレイに搭載されるにとどまった。だが、2017年に採用が広がり、2018年には一般化する見通しだ。
ベンダーはオールフラッシュアレイの有効容量によく言及する。これは、顧客がデータの削減(圧縮や重複排除)を考慮した場合に期待できる容量を指す。有効容量で計算すると、SSDとHDDの容量単価の差は縮まる。例えば、実容量でみたHDDの1TB単価が70ドルで、SSDの1TB単価が500ドル以上でも、有効容量で1TB単価を算出すれば、これほどの開きはなくなる。
そのため、SSDの容量単価は、以前ほど問題ではなくなっている。ほとんどのオールフラッシュシステムが手ごろな有効容量を、HDDでは太刀打ちできないパフォーマンスとともに提供しているからだ。
それでも、購入するアレイの実容量は必ず把握しておく必要があり、データの圧縮結果は、データの種類などの要因によって異なることを考慮しなければならない。
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