ユーザー企業はコード開発に集中
IaaS、PaaSとはどう違う? 「サーバレスコンピューティング」の特徴とは(2/3 ページ)
サーバレスコンピューティング vs. PaaS、IaaS
サーバレスコンピューティングは、幾つかの重要な点でクラウドと異なっている。その違いがこの技術のメリットとともに、利用上の課題をもたらしている。
サーバレスコンピューティングを利用する際、コーダーは、特定のタスクを実行する関数をパッケージ化した「コードスニペット」(コードの断片)をアップロードする。このコードスニペットは、イベントによってトリガーされた場合にのみ実行する。コーダーは、コード自体に責任を持ち、サービスプロバイダーは、コードを実行するコンピュートスタックを管理する。つまりサービスプロバイダーは、その関数に必要なサーバおよびストレージリソースを自動的にプロビジョニングする。
サーバレスコンピューティングは、ユーザーの使用量に応じて課金される。使用量は、処理されたリクエスト数と、コードを実行するために要したコンピュータ実行時間(100ミリ秒の増分で測定される)で計算される。一方、コードがトリガーされなければ、料金は発生しない。
サーバレスコンピューティングが他のクラウドサービス、例えばIaaSやPaaS(Platform as a Service)などと異なっている点がある。IaaSやPaaSなどのクラウドサービスは、ユーザー企業が自らのアプリケーションの仮想マシンをスピンアップし、アプリケーションのコードベースをデプロイする必要がある。
「サーバレスコンピューティングは、インフラが利用者から完全に隠されている。またサーバレスコンピューティングはイベントドリブンであり、関数は、実行を要求されたときにだけ実行される」(セプシー氏)
同氏をはじめアナリストは、こうした違いは大きな意味を持つと考えている。
Expedia:1カ月550ドルで23億回実行
ユーザーもアナリストも、サーバレスコンピューティングの大きなメリットの1つとして、コードの実行時にのみ料金が発生することによるコストの削減を挙げている。
「このサービスは、経済的な従量課金制の恩恵を受けられる上、システムのコンピュータリソースの利用を抑制できる」(セプシー氏)
例えば、「Expediaが2016年12月にAWS Lambdaでコードを23億回実行したが、支払った月額料金は550ドルにとどまった」とチョーワン氏は語る。この金額は、クラウドで従来のコードデプロイをした場合に掛かる料金より何倍も少ないという。
またスケーラビリティもメリットとして挙げている。「トラフィックが一気に急増しても、サーバレスコンピューティングなら対応できる」(セプシー氏)
サーバレスコンピューティングは、ユーザーがコードを作成してサービスを市場に投入するスピードを高めるのに役立つ。「実行するコードを書くだけで済む。インフラの自動化やそのメンテナンスを手掛ける必要がなければ、インフラをコントロールするコードを書く必要もない。またコンテナや仮想マシンの実行を気に掛ける必要もない。そうなれば、より迅速に動ける」と、451 Researchの開発、DevOps、ITオペレーション担当のリサーチディレクター、ドニー・バークホルツ氏は説明する。
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