Android 4.3以前に影響
iPhoneのマルウェア「Pegasus」がAndroidにも感染、チャットや通話を盗聴か(2/2 ページ)
Chrysaorから身を守るには
展開が容易であるにもかかわらず、Chrysaorの感染はそれほど広まってはいないようだ。Googleによれば、公式アプリストア「Google Play」のサービスと、Androidの不正アプリ検出機能「Verify Apps」によって保護されている14億台のAndroidデバイスのうち、このマルウェアのインストールが確認できたのは数十台にとどまるという。
Googleの研究者は、ブログで次のように説明する。
2016年遅くにLookoutから疑わしいパッケージ名の一覧を受け取った後、Pegasusに関連したアプリケーションが数十台のAndroidデバイスにインストールされていることが確認でき、これをChrysaorと名付けた。このアプリケーションはGoogle Playで公開したものではなかったが、私たちはVerify Appsを使ってこの問題の影響が及ぶ範囲をすぐに特定した。
Googleは影響を受けたデバイスから情報を収集するとともに、エンドユーザーへの影響を詳しく把握すべく、Chrysaorの入手に動いたという。さらに影響を受けた可能性のあるエンドユーザーに連絡を取り、当該アプリケーションを無効化して、全てのエンドユーザーを保護するためにVerify Appsに変更を加えた。
Chrysaorのサンプルを分析したところ、2013年公開の「Android 4.3」(開発コードネーム: Jelly Bean)以前を実行するデバイスが攻撃の対象となることが分かった。Googleのデータによれば、現在Androidデバイス全体の12.6%、台数にすると約1億7600万台が当該バージョンのAndroidを搭載している。
さらにGoogleは、Chrysaorを感染させるには「エンドユーザーを誘導し、信頼できないソースから悪意あるアプリケーションをインストールするよう仕向ける必要がある」とも指摘する。同社は、Google Playを利用する全てのAndroidデバイスを保護すべく、既にVerify Appsに修正を加えている。
ネットワーク監視ツールを手掛けるPlixer Internationalのマイケル・パターソンCEOによれば、root化の手法が主に古いデバイスをターゲットに据えているとはいえ、Chrysaorはやはり危険だという。「保守を継続する大半のソフトウェアと同様、マルウェアも時間とともに進化する。悪意あるソフトウェアは多くの場合、無償で提供されるか盗まれるかして、新しい変種の作成に使われる」とパターソン氏は語る。
現行のChrysaorはAndroid 4.3以前を搭載したスマートフォンにしか影響を及ぼさない。だが、いずれ、より上手に検出を回避し、より高度なマルウェア機能を備えた最新版にアップデートされる可能性は否定できない。「企業はネットワークトラフィック解析製品を導入し、モバイルデバイスからの不審なトラフィックの動きを監視すべきだ」とパターソン氏は指摘する。
アルセーヌ氏はAndroidユーザーに対し、自分のAndroidデバイスを守るために、次のような一般的なセキュリティ対策を提案する。
- 正規のソースからアプリケーションをインストールし、最新のOSアップデートとセキュリティパッチを確実に適用すること
- ロックスクリーンを有効化し、マルウェア対策アプリケーションを実行すること
- 自分のスマートフォン内で管理者権限を持つアプリケーションを定期的にチェックすること
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
4
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
5
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
6
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
7
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
8
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
9
「結局使わなくなる」Microsoft 365 Copilotを半年で定着 キリンの3施策
-
10
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー