5.7型QHDディスプレイとサブディスプレイを搭載
徹底レビュー:「HTC U Ultra」、“主力一歩手前”デュアルディスプレイスマホの実力(2/2 ページ)
パフォーマンスとバッテリー持続時間
HTC U Ultraには、QualcommのクアッドコアSnapdragon 821と4GBのRAMが内蔵されている。HTC U Ultraが主力モデルと位置付けられていないのは、この構成が主な原因だ。本稿執筆時点において、市場ではもっと新しくて高速かつパワフルな「Snapdragon 835」を採用した製品が販売されている。しかも、Snapdragon 835の方がやや経済的だ。とはいえ、HTC U Ultraに問題があるわけではなく、負荷の高いタスクを行った場合でも、その評価が変わることはなかった。そのため、このようなハードウェアプラットフォームを選んだのは理にかなっているように感じられる。いずれにせよ、HTCの主力モデルである「HTC U 11」の方が小型で、少し豊富なオプションが用意されており、Snapdragon 835も搭載されているということなのだろう。
このサイズのスマートフォンとしては、HTC U Ultraのバッテリー容量は3000mAhとやや控えめだ。その上、サブディスプレイを搭載していることは、バッテリー持続時間にとってはマイナス要素である。どれだけサブディスプレイが小さくても、その事実が揺らぐことはない。HTC U Ultraはフル活用しても、バッテリーは夜遅くまで1日持続する。だが、使用頻度が低くてもバッテリーを1日半~2日間持たせるのは難しいだろう。ありがたいことに、HTC U Ultraは、Qualcommの「QuickCharge 3.0」に対応する急速充電テクノロジーを採用している。そのため、わずか30分間でバッテリー容量の半分を再充電することができる。
ソフトウェアとAI
本稿執筆時点において、人工知能(AI)はテクノロジー企業が積極的に追い求めているトレンドの1つだ。HTCを含むスマートフォンメーカーが、このトレンドに追随するのは当然のことだろう。HTC U Ultraには、Androidに標準装備されている「Googleアシスタント」とは別に、「HTC Sense Companion」というHTC独自のアプリ内パーソナルアシスタントが搭載されている。HTC Sense Companionは、深層学習によって時間の経過と共にどんどん賢くなっている。そして、ユーザーが重要だと考える可能性のある情報について通知する。雨が降りそうなら傘を持っていくように勧める。カレンダーに入力された次の会議までバッテリーが持ちそうになければ、HTC U Ultraを充電するように促すといった具合だ。使い始めてから最初の数日は、通知の数が少ないだろう。HTC Sense Companionがユーザーの日常的な習慣を学習するには単純に時間が必要だからだ。
HTC 10と同様、HTC U Ultraにも余計なアプリはプリインストールされていない。アプリはGoogleの有名なソリューションをベースにしたものばかりだ。HTC U Ultraユーザーは、Googleの「Googleドライブ」で100GBの追加容量を2年間利用できる。またHTCの「Boost+」アプリも興味深い。これは、バッテリーを消耗させる厄介なアプリを含め、不要なアプリを効率的にクリーンアップすることを目的としている。さらに、詮索好きな家族が使えないように特定のアプリをロックすることもできる。
USonicサウンド
HTC U Ultraには、HTC Usonicという重要で風変わりな機能が搭載されている。このテクノロジーは、各ユーザーの聴こえ方に応じて音の再生方法を調整するというものだ。HTC U Ultraに同梱されているヘッドセットにはマイクが組み込まれている。また、いわゆる超音波ビームを発生させることができる。超音波ビームにより、両耳の内部をスキャンし、読み取った情報に基づいて個人に合わせたプロファイルが作成される。次に、一種の自動イコライザーを使用してサウンドを調整し、ユーザーに合わせて最適化した音が再生される。そのため、全てのユーザーが上質な音楽鑑賞を楽しめるとHTCの担当者はいう。さらに、HTC Usonicの存在によって、アナログな3.5ミリオーディオジャックを廃止したことが正当化される。3.5ミリジャックでは、USB Type-Cコネクターのような双方向通信を行うことができないため、超音波ビームで読み取った情報をHTC U Ultraのプロセッサに転送できないのだ。
同様に、ヘッドセットのマイクのおかげで、HTC U Ultraでは適切にノイズが低減される。その実現には本体に組み込まれた4個のアクティブマイクも貢献している。HTC U Ultraの正面にステレオスピーカーは搭載されていないが、ヘッドセットを使わない場合、HTC 10と同じような方法で音が再生される。つまり、低音は本体の下側面に沿って配置されているスピーカー、高音は通常なら通話に使用されるスピーカーで再生される。
カメラ
仕様によれば、HTC U UltraにはHTC 10と同じカメラが搭載されている。ただし、画像品質は少し向上している。この品質向上はソフトウェア処理が洗練されたことによるものであるのは間違いない。背面カメラの解像度は1200万画素で、画素サイズは1.55マイクロメートルピクセルで、位相差オートフォーカス機能を搭載している。いわゆるレーザーフォーカスと光学手振れ補正にも対応しており、F値は1.8だ。それから、手動モードと自動HDRも備わっている。動画については最大4Kで録画できる。また、ハイパーラプス撮影やスローモーション撮影は特に簡単に行うことができる。
HTC U Ultraで撮影した画像の品質は平均以上で、HTCが過去に発売した他のどのスマートフォンよりも確実に優れている。日中に撮影した画像の鮮明さ、細やかさ、露出、色の彩度は申し分ない。一方、夜間照明での撮影については、画像にもっと明るさがあれば細部の表現がもう少し向上していたことだろう。それでも、HTC U Ultraは、ほとんどの特徴においてHTC U 10に対抗できる画像品質を備えた初めてのHTC製のミッドレンジスマートフォンだ。
結論
多岐にわたる斬新な機能は万人受けをするものではないかもしれない。だが、HTC U Ultraでは、誰でも気に入る要素が何かしら見つかることだろう。仕上げ加工はモダンさを求める市場の需要に合わせて調整されており、美的観点では大きく進歩している。とはいえ、ソフトクロスを常時携帯していなければ、HTC U Ultra本来の華やかさを感じられることはそれほど多くない。また、AI、サブディスプレイ、デジタルオーディオジャックのような目新しい機能については、競合機種が既に多くの反発を受けている。
ただし、HTC U Ultraには、素晴らしいパフォーマンスと非の打ちどころのないディスプレイが備わっており、不要なアプリもインストールされていない。また、HTCによって平均以上の信頼性が保証されている。こうした要素によって、HTC U Ultraは、市場でも指折りの魅力を備えた上位ミッドレンジスマートフォンに仕上がっている。
つまり、追加機能が悪さをすることはなく、HTC U Ultraは、何か特別なものを求めているユーザーから確実に選ばれる機種といえるだろう。
長所
- 印象的なデザインと堅牢な仕上がり
- 卓越した音質とアクティブマイクによる環境音の低減
- 滑らかなパフォーマンスと平均以上の画像品質
- ブロートウェアのない、比較的クリーンなソフトウェア
短所
- 平均的なバッテリー持続時間
- 防水非対応
- サブディスプレイやAIなどの巧妙で斬新な機能の実用性に疑問の余地あり
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