エンタープライズストレージに恩恵
NVMeにフラッシュDIMM、革新が続くフラッシュ関連技術と広がる用途(2/2 ページ)
高性能フラッシュ
フラッシュシステムの速度と同じくらい速く、一層のスピードを活用できるアプリケーションも存在する。加えて、現在のフラッシュが企業に提供している過剰なパフォーマンスは長続きしそうにない。いずれアプリケーション開発者が追い付き、現在のフラッシュシステムが提供できる以上のパフォーマンスを必要とするアプリケーションを開発するだろう。
フラッシュの実装に伴うパフォーマンス問題のほとんどは、メディアそのものよりも、メディアを取り巻くパッケージに関係することの方が多い。フラッシュベースのストレージシステムに関して、われわれはフラッシュメディアとストレージソフトウェアを稼働させている内部のCPUとの内部接続を話題にする。そうした接続間のレイテンシと、ソフトウェアの品質は大きな課題だ。
データストレージ業界は、この問題に絞って解決するために、不揮発メモリエクスプレス(NVMe)を開発した。NVMeは、OSとメディアとの通信を可能にする次の段階のストレージプロトコルだ。NVMeがフラッシュ専用に設計されているのに対し、NVMeに代替されるSCSIプロトコルはHDDの時代に設計された。
NVMeはSCSIスタックの不必要なオーバーヘッドを削減する。対応できる行列の数は標準的なSCSIよりも多く、行列の数は、レガシー技術のAdvanced Host Controller Interface(AHCI)でサポートできる数に比べて6万4000に増える。個々のNVMeはそれぞれ6万4000のコマンドにも対応できる。これに比べると、AHCIが単一の行列でサポートできるコマンドは32のみだった。NVMeではまた、実行できるCPU当たりのサイクルも、標準的なSCSIより多い。
データはどこかの時点でストレージシステムを離れ、それにアクセスしてくるアプリケーションと通信しなければならない。この分野でもレイテンシの削減が不可欠であり、NVMeはNVMe over Fabricsで役に立ち、Fibre Channel(FC)やイーサネットに対応する。現在、iSCSIとFCプロトコルはSCSIを輸送する。つまり、帯域幅の観点からどれだけ高速になったとしても、SCSIのシングルスレッドの性質による制約を受ける。NVMeでは活用できる行列やコマンドの数が大幅に増え、実質的にそうした高速ネットワークが最適化される。
RAMとしてのフラッシュ
フラッシュはHDDよりも高額だが速度の速い代替として登場した。今ではシステムRAMより低速だが低コストの代替として進化できる状態にある。サーバにおけるRAMの必要性は、インメモリデータベースやビッグデータ分析処理、密度の高い仮想化、およびコンテナ化された環境によって加速している。問題は、RAMが高額なことから、ほとんどのサーバでは、IT部門がサーバ当たりに搭載できるRAMの量に制約があることだ。そうしたインメモリデータベース環境の多くが追加のサーバを導入するのは、コンピュータ処理能力を増やす必要があるからではなく、メモリを増やす必要があるためだ。
RAMとしてのフラッシュデータストレージは、基本的にはDIMMモジュールにインストールされたフラッシュであり、システムマザーボードに搭載される設計になっている。フラッシュの方がDRAMよりも密度が高いことから、サーバにはかつてないほどの容量を追加することができる。フラッシュDIMMはメモリバスにインストールされるため、高速ネットワークを介してCPUと通信できる。フラッシュDIMMドライバは、フラッシュDIMMからDRAM DIMMへのデータの移動を自動的に管理する。基本的に、これはメモリのためのティアリングの仕組みをつくり出す。
フラッシュDIMMはROM BIOSの更新を必要とすることから、ITプロフェッショナルは、どのサーバベンダーがどのフラッシュDIMMをサポートしているかを確認しなければならない。
データセンターの主な原動力はここ何十年も変わっていない。組織はデータの反応時間を速めたいと思い、保存するデータの量をもっともっと増やしたいと望んでいる。ストレージシステムがそれに追い付くためには常に高速化、高密度化する必要がある。フラッシュストレージに関して最も予想外の変化は、HDDとテープシステムに独占されている市場分野への進出だ。それに比べると、パフォーマンス向上に対する継続的なニーズは予測しやすい。NVMeや、メモリバスベースのフラッシュDIMMといったプロトコルが普及すれば、フラッシュ技術はユーザーのニーズに沿い続けることができるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
3
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
9
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー