サーバOSの運用管理を効率的に
Windows、Ubuntu、Red Hatへのパッチ適用 “運用疲れ”を防ぐ快適ツールはこれ
OSのパッチ適用は車の整備士の仕事に似ている。ブランドやモデルごとに異なるツールが必要だ。「SCCM」や「Satellite」「Landscape」が、ITにおけるスポーツカーやSUVの維持に役立つ。
OSにパッチを当てるのが好きな人はいないが、これは必要不可欠な仕事だ。あなたの会社が「Windows」「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)、「Ubuntu」サーバのどれを運用していても、こうしたアップデートを快適にする、あるいは少なくとも苦にならないようにするツールやテクニックはある。
比較的大規模なサーバファームでは、OSのパッチ適用は技術計画、人的対応、プロセス管理を組み合わせて行う必要がある。
技術計画では、コンプライアンスや正確さ、手順(特に、問題が発生した場合の)という要素をカバーする必要がある。コンプライアンスは、規制が厳しい環境では、まさにOS管理者の双肩にかかっている。コンプライアンスルールに従って、パッチを注意深く管理する必要がある。
管理者にとって最大の危険の1つは、パッチパッケージの適用先サーバを間違えてしまうことだ。そして最も避けなければならないのは、適用済みの更新プログラムのバージョンやビルドが、サーバによってまちまちになってしまうことだ。これを防ぐには、標準化されたパッチセットを使う必要がある。
また、重要度の最も低いサーバから最も高いサーバまで、OSのパッチ適用手順を文書化しておくことも必要だ。パッチの適用によって、必ず一部のサーバでは不具合が起こってしまう。トラブル発生時に問題を修正するための計画も用意しておく必要がある。
OSのパッチ適用プロセスでは、管理も重要だ。関係者全員への周知と変更管理、アップグレードの計画作成、キーパーソンからの承認の取り付けも必要になる。パッチ公開時に精査を行えば、問題が発生しても、事後対応がスムーズにできる。パッチが公開されたからといってやみくもに適用してはならない。「各パッチが何を行うか」「自社のサーバにそれが必要か」「副作用(未知の依存関係に対する変更など)はどれくらい危険か」などをまず調べるべきなのだ。
サーバやクラウドのOS管理者がOSを1つだけ扱うことはめったにない。Windowsサーバを利用している企業であっても、数台のLinuxサーバを運用しているところが多い。Linuxサーバの利用企業でも多くの場合、一部のワークロードでRHELなどを使用する一方で、他のワークロードは、専門サポートを受けずに無料のCentOSディストリビューションなどで実行すれば、十分事足りるかもしれない。また、プライベートクラウドでワークロードがUbuntuなどで実行されることもある。
Windows Serverへのパッチ適用にはツールが不可欠
Windowsのパッチ管理の在り方は変わってきている。「Microsoft Systems Center Configuration Manager」(SCCM)ツールを使えば、パッチの自動デプロイやマシン管理を行うことができ、管理者が望めば、セルフサービスのパッチ適用も可能になる。
Windowsサーバやデスクトップに手動でパッチを適用するのは、現実的ではない。管理者がWindowsをアップグレードしようとする場合、SCCMや類似ツールを利用する必要がある。サードパーティー製のWindowsパッチ管理ツールとしては、大規模環境向けに提供されているIBMの「BigFix Patch」などがある。
だが、OSのパッチ適用のやり方を確立している管理者は現在、厄介な状況に直面している。MicrosoftがWindowsのアップデートを、従来と比べて頻繁かつ継続的に行う方式に変更したからだ。管理者としては、多くの変更を含む大規模なアップデートでも、欠陥があることは許されない。デバイスOSのパッチ適用を行う管理者にとって、事態をさらに複雑にするファクターもある。Windowsデバイスの多くは従業員が所有しているので、パッチ適用がユーザーのマシンに悪影響を与えてはならないことだ。
RHELサーバでSatelliteを活用
RHELの大規模なパッチ管理は、Red Hatの商用ツール「Red Hat Satellite」をベースにして行われる。SatelliteによるOSのパッチ適用では、Linux管理者が使い慣れているコマンドラインではなく、Webインタフェースが利用される。
Satelliteはパッチ適用をサポートするだけでなく、ライフサイクル全体の管理に対応している。マシンのデプロイ、メンテナンス、廃棄の管理が可能だ。
また、Satelliteはマルチテナントをサポートしており、管理者はインフラを、特定のユーザーだけが見ることができる独立した複数のエンティティに分割できる。エンティティで使われるパッチパッケージをXまたはYに限定することもできる。また、独立したエンティティを本番環境として使用し、そこで使用可能なパッチパッケージをAまたはBと指定することもできる。「Satellite Capsule Server」を使うことで、異なる場所にまたがって利用できるようにSatelliteをスケールアップできる。
Satelliteには一連のベストプラクティスがあり、Red HatはLinux管理者に、ベストプラクティスに従って、さまざまな物事を規定の方法で行うよう求めている。Satelliteによるパッチ適用やライフサイクル管理に熟練した管理者は、新しいデプロイや新しい組織に迅速に対応できる。雇用主がRHELのベストプラクティスに従っていれば、新しいデプロイや新しい組織における従来との相違点は、パッチの構成とマシンだけだからだ。
Satelliteにより、RHEL管理者はパッチの品質保証も行える。パッチやパッチセットの適用が成功したサーバの数が増えると、Satelliteはそのパッチの成熟度が増したと見なし、より高い信頼度を与える。
Ubuntuにパッチを適用する便利なアプローチ
Ubuntuのパッチ管理は、従来型のツールか商用ツールを利用して行う。
Ubuntuサーバ管理者は、パッケージ管理のためのコマンドラインユーティリティーであるapt-getと、自社用の適当なアップデートリポジトリを組み合わせて利用できる。このアプローチは大部分のLinuxサーバで有効だ。
Ubuntuの開発を支援するCanonicalが提供する商用ツール「Landscape」は、より便利なOSパッチ適用アプローチを採用している。ユーザーは機能別によるサーバのグループ化、必要に応じたパッチのデプロイおよびロールバック、更新プログラムのビジュアルな管理およびデプロイ、マシン単位またはマシングループ単位でのパッチプロファイル作成を行える。
Landscapeは、無料版を試すことができる。無料版は対象マシンが最大10台に制限されている。
Red Hat用のSatelliteのように、Landscapeはパッチ管理にとどまらず、Ubuntuマシンのライフサイクル全体の管理機能も提供する。必要に応じてサーバのデプロイと廃棄の管理が可能だ。
サードパーティーベンダーもLinuxやWindowsのパッチ管理オプションを提供しており、それらがあなたの会社のニーズに合う可能性もある。だが、そうしたツールは、サーバ管理を複雑化させてしまう傾向や、きめ細かな制御機能を提供するベンダーネイティブのOSパッチ管理製品より見劣りする傾向がある。
OSのパッチ適用は決して楽しい仕事ではないが、適切なやり方と誤ったやり方があるのは間違いない。承認された方法論があなたの会社にないなら、開発するとよい。そうすれば、適切なプロセスによってパッチの計画と実行、管理がより容易になるだろう。
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