「サイズの違い」が意外と重要
徹底比較:「12.9インチiPad Pro」と「10.5インチiPad Pro」、買って小躍りするのはどっち?(2/2 ページ)
パフォーマンス
サイズには違いがあるが、この2機種の内部はほとんど同じだ。どちらも、Appleの64ビットプロセッサ「A10X Fusion」を内蔵する。このプロセッサは6コアを搭載し、高速コア3基をパフォーマンスが求められるタスクに使用し、低速省電力コア3基を負荷の低いアプリの実行に使用してパフォーマンスを向上する。
Primate Labsの「Geekbench 4」を使ってベンチマークテストをしたところ、両モデルはほぼ同じ結果を示した(図)。両機種のスコアにわずかな違いは見られるが、ベンチマークの結果は科学的に厳密ではなく、1つのデバイスで複数回同じテストをすると、毎回同じスコアにはならず、どうしても狭い範囲のばらつきが出る。
iPad Proの2017年モデルはどちらも、実際に使ってみると非常に高速で、パフォーマンスの違いは全くといっていいほど感じられない。両モデルのストレージは64GB、256GB、512GBの3種類があり、容量が大きくなるほど価格も高くなる。
ソフトウェア
近年発売されたiPadシリーズは、全てOSに「iOS 10」を搭載している。当然、今回の新モデル2機種も例外ではない。両モデルのiOSは今秋リリース予定の「iOS 11」へアップグレード可能だ。iOS 11の強力な新機能の一部に関しては、12.9インチiPad Proの方が有利に働くだろう。大画面の強みは、前述のように2つのアプリを並べて表示できる点にある。そして次期iOS 11ではユーザーが3つのアプリを同時に表示できるようになる。ただし10.5インチディスプレイでは実用的ではない、というだけのことだ。
12.9インチiPad Proと10.5インチiPad Proは、どちらも同じプロセッサを搭載し、サードパーティー製アプリケーションを実行する能力には差がない。さらにAppleは「iWork」「iLife」といったスイート製品のiOSバージョンなど、生産性向上ソフトウェアやエンターテインメントソフトウェアを両モデルに等しくバンドルしている。
バッテリー持続時間
10.5インチiPad Proは30.4ワット時、12.9インチiPad Proは41ワット時の再充電可能バッテリーを内蔵する。蓄電量は12.9インチiPad Proの方が大きいが、それは大型バッテリーにスペースを取られることにもなる。Appleによれば、どちらのモデルも1回の充電で10時間使用できるという。だがバッテリー持続時間を過小表示し、想定以上の結果を出してきたのが同社の実績だ。
そこで明るさの自動調節機能を有効にして、Webサーフィンと動画ストリーミングを組み合わせてする条件でテストしたところ、12.9インチiPad Proは13時間39分のバッテリー持続時間を記録した。同条件での10.5インチiPad Proのテストでは、12時間23分という結果になった。
ただし、どちらのモデルでも、実際に再充電が必要になるまでの時間は使用時の条件に大きく左右される。例えば12.9インチiPad Proのバックライトを100%に設定してテストしたところ、バッテリー持続時間は半分になった。それでも10.5インチiPad Proのバッテリー持続時間は、1回の充電で、理想的な条件下で使用したとしても、12.9インチiPad Proには及ばないと考えられる。
タブレットとして使うか、ノートPCとして使うか
新しいiPad Proのサイズを大きく2つに分けたことは、それぞれ全く異なる種類のユーザーを意図していることを意味する。10.5インチiPad Proは、ノートPCのようにも使える従来型タブレットを求めるユーザーに適している。一方12.9インチiPad Proは、タブレットとしても使えるノートPCを求めているユーザーに適している。
1日に何時間も使うつもりなら、12.9インチiPad Proを強くお薦めする。ディスプレイ領域が50%増えれば、Webの利用、メール、ソーシャルネットワーキング、ゲームなど、ほぼ全てが楽になる。本体の大きさが増すことを踏まえても、このことを重視する必要があるのは当然だ。
その他の違いは、選ぶモデルを決める決定的な要素にはならない。例えば非常に持ち運びが楽なデバイスを探しているなら、わずかにバッテリー持続時間が長いという理由だけで12.9インチiPad Proを選ぶべきではない。持ち運びを考えるなら、10.5インチiPad Proの方が圧倒的に便利だ。
当然、価格は無視できない。ストレージ容量が64GBでWi-Fiモデルの10.5インチiPad Proは6万9800円、同じ条件の12.9インチiPad Proは8万6800円だ。ストレージ容量が256GB、512GBと増えるに従って価格設定も高くなる。なお12.9インチiPad Proの価格は、同条件の10.5インチiPad Proよりも一律1万7000円高く設定されている。この価格差は小さくないが、もう一回り大きな画面領域が必要だと考えているユーザーはこの追加コストにも納得がいくだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
2
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
3
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
4
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
5
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
6
ノベルティプレゼント「Windows 8 TシャツとOffice クリーニングクロスセット」
-
7
肥大化した「SFA」の沼 4カ月でBigQuery×AppSheetの新システムを構築した方法
-
8
ネットワールド、ICカード認証対応のシンクライアント構築アプライアンスを販売
-
9
次世代RPA「ハイパーオートメーション」が急成長か Gartnerが予測
-
10
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
プログラミング不要で誰でも実現できる、ネットワーク運用管理の自動化とは
-
4
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
5
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
6
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
10
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー