今理解すべき「CASB」の実力【第2回】
いまさら聞けない、「CASB」と「URLフィルタリング」は何が違うのか?(2/2 ページ)
クラウドサービス側が提供するセキュリティ機能との違い
続いてサンクションITのコントロールにおけるCASBの役割について説明します。
サンクションITとしてよく活用されているメジャーなクラウドサービスは、次々とセキュリティ機能を拡充しています。CASBで提供する機能と被る部分も多々あることは事実です。ではサンクションITのコントロールに関して、クラウドサービス側のセキュリティ機能ではなくCASBを利用すべきなのは、どのような場合でしょうか。
その答えとなるのが、冒頭で説明したCASBの役割です。CASBは「従業員がクラウドサービスへアクセスする際のセキュリティを一括するコントロールポイント」として、複数のクラウドサービスに同じレベルのセキュリティポリシーを適用できます。クラウドサービス側が提供するセキュリティ機能は、現時点でどの程度のセキュリティ機能を実装しているのか、また今後どこまでセキュリティ機能を拡張する予定があるのかが、ベンダー各社で大きく異なります。そこで企業が求めるセキュリティレベルと、クラウドサービス単体で提供可能なセキュリティレベルとのギャップ、そして複数のクラウドサービス間でのセキュリティレベルのギャップを埋めるために、CASBの存在意義があるのです。
例えばストレージサービスやコンテンツ共有サービスに対して「自社で管理する暗号鍵で、データを暗号化して保管したい」という要望があったとします。その場合、そもそもデータ暗号化の機能があるのか、また暗号化機能があっても、暗号鍵をクラウドサービス側ではなくユーザー企業側で管理できるのかは、クラウドサービスによって異なるため、ここでギャップが発生します。
CASBは、こうしたギャップを埋める有効な解決策となります。クラウドサービスにデータをアップロードする前に、CASBを介してユーザー企業側の暗号鍵でデータを暗号化することで、各クラウドサービスに暗号化済みのデータを保管できるようになります。
極論となりますが、企業でサンクションITとして許可しているクラウドサービスが1種類しかなく、さらにそのクラウドサービスに実装されているセキュリティ機能が企業の求めるセキュリティレベルを満たしている場合、CASBでのサンクションITのコントロールは必要ありません。あくまでもクラウドサービス側のセキュリティ機能では不足がある場合、そして複数のクラウドサービスを併用する場合にこそ、CASBでサンクションITをコントロールする価値があります。
ここまでで説明した通り、CASBは既存のURLフィルタリングやクラウドサービス側のセキュリティ機能とは、対象や目的が異なるセキュリティ技術です。不要な投資を抑え、最大限の効果を得るためには、現在導入しているセキュリティ製品とのすみ分けや連携ができるCASB製品を選ぶことが重要です。
今回は既存セキュリティ技術やクラウドサービス側のセキュリティ機能との違いを通じて、CASBとは何かを説明しました。第3回では、いよいよCASBを構成する4要素、可視化、脅威防御、コンプライアンス、データセキュリティの詳細に入ります。
執筆者紹介
三島千恵(みしま・ちえ) ネットワンシステムズ
ビジネス推進本部応用技術部に所属。クラウドセキュリティ領域を中心に、認証やCASBに関する製品の評価・検証業務に従事。
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今理解すべき「CASB」の実力
包括的なクラウドセキュリティ対策を可能にする「CASB」が登場し、近年選択肢が急速に充実し始めた。なぜCASBは生まれたのか。既存のセキュリティ対策と何がどう違うのか。どのような視点でCASBを選ぶべきなのか。詳しく説明する。
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