「Xperia」採用のバッテリー技術も搭載
徹底レビュー:6型軽量スマホ「LG V30」、韓国LGが自慢するデュアルカメラの実力は?
LG Electronicsの新型フラグシップモデル「LG V30」は、スマートフォンに求められるニーズに十分に応える機能や性能を備える。ハンズオンレビューでその実力を探る。
2017年9月1日にドイツ・ベルリンで国際家電見本市「IFA 2017」が開催された。その前日にLG Electronicsは、新型フラグシップモデルとなるAndroidスマートフォン「LG V30」を発表した。待ち望んでいた人も少なくないであろうV30には3つの大きな特徴があり、それがLG V30を世界で有数の性能を持つスマートフォンたらしめている。
1つ目は縦横比18:9で解像度2880×1440ピクセルの、6型プラスチック有機ELディスプレイ。2つ目は米軍調達規格(MIL規格)準拠の耐久性と、IEC(国際電気標準会議)が定めた防水・防塵(じん)規格「IP68」準拠の耐水性を備えた、薄型軽量で美しいガラス仕上げの本体。そして最も重要な3つ目は、レンズの明るさを示すF値(小さいほど明るい)が1.6と1.9の2機のカメラで構成する、印象的なデュアルカメラだ。
LGはV30の発表時に、動画の録画機能が大幅に向上した点をはじめ、カメラの特徴を大々的に宣伝した。同社は、V30のカメラの性能が業界最高クラスだと確信しているようだ。
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アウトカメラは標準角カメラと、撮影角度が広い広角カメラのデュアルカメラ構成を採用した。標準角カメラは、F値1.6、1600万画素、3軸光学式手振れ補正(OIS)、位相差検出とレーザー補助によるオートフォーカスを備える。広角カメラは、最大1300万画素の解像度でF値は1.9と、F値2.4だった前モデル「LG V20」のサブカメラと比べると大幅な改善が見られる。LGの広報は、2機のカメラの材質をプラスチックからガラスに変えたことで、さらに広いダイナミックレンジ(一度に記録できる明暗差の幅)を確保したと説明している。
V30は、デュアルカメラを搭載する一般的な競合モデルと比べて、撮影時により細かく手を加えることが可能だ。例えば動画撮影中に、画面内の任意の場所をタッチしてズームできるポイントズーム機能を用意している。動画撮影では、必ずしも視野角の中心に焦点を当てるとは限らないため、この機能は非常に実用的だ。
搭載する録画ソフトウェアには、さまざまな状況に向けた事前定義済みの創作用フィルターを組み込んでいる。動画撮影に不慣れな人でも高品質の動画を撮影できるだろう。
V30は、市場最高クラスを目指したカメラだけでなく、素晴らしいガラス製一体成型ボディーでも他と一線を画す。5.7型だったV20よりもディスプレイが大きくなっているにもかかわらず、小型軽量化されている。これはベゼルの幅を狭め、縦方向に長くしたことが理由だ。
実際にV30を手に持つと、通常の6型ディスプレイ搭載スマートフォンよりも、はるかに軽い印象を受ける。V30の背面はガラス製で丸角のため非常に滑りやすく、誤って落としてしまう可能性はゼロではない。LGはその点を考慮して、防塵と防水については言うまでもなく、落下テストで先述のMIL規格への準拠を保証している。耐久性を確保できたのは、デバイス両面を保護するCorningの「Gorilla Glass 5」によるところが大きい。
フレームはアルミニウム製で、ディスプレイが表面のほとんどを占めているため、表面にホームキーや静電容量式の制御キーはない。過去のVシリーズが搭載していたサブディスプレイも見当たらない。V30では、このサブディスプレイで利用できたオプションが、「フローティングバー」という機能から利用できるようになっている。この機能は、ユーザーインタフェースの一部である画面端をスワイプすることで表示できる。ディスプレイサイズが6型と余裕があるため、この実用的な追加機能にも十分なスペースを確保できている。
V30の背面には、デュアルカメラの真下にオーディオ企業Bang&Olufsen傘下のB&O PLAYのロゴと並んで、指紋スキャナー付きのホームキーを用意している。B&O PLAYのロゴが刻印されているのは、同ブランドのヘッドフォンを同梱しているためだろう。V30を動画/写真撮影機能だけでなく、音楽再生機能も高めようとするLGの意気込みがうかがえる。
3.5ミリのオーディオジャックも備えている。Appleとは異なり、LGはこの規格を捨てるつもりはないようだ。
LGは発表で、V30を通じてプラスチック有機ELディスプレイへの切り替えを強く推し進めていることにも言及した。このプラスチック有機ELディスプレイは、同社の同じくフラグシップ機の「LG G7」だけでなく、ミッドレンジ機も含め、今後登場する同社製スマートフォンの多くが搭載することになるだろう。
ディスプレイの品質と鮮明さが大幅に向上した現在でも、プラスチック有機ELディスプレイは、市場に出回る他の一般的なディスプレイと比べて大幅に薄く、消費電力も少ない。そのためLGの製造技術にかかわらず、V30のディスプレイは多くの注目を集め、市場における大きな差別化要因になるだろう。
V30はSamsung Electronicsのスマートフォンと比べて、角の丸みは控えめだ。ただし画面比率や手にしたときの高級感について受ける印象は、どちらもほぼ変わらない。サイズに関しては、V30はSamsungの「Galaxy S8」と「Galaxy S8+」の中間に位置する。同じ縦横比18:9のLG「LG G6」よりも大きく見える。V30が誇る機能や全体的な使い心地の良さを考えると、LGがV30でSamsungの「Galaxy Note8」に勝負を挑んでいると見るのが自然だ。
最後にV30のバッテリーを見てみる。V30は、すらりとしたボディーの中に容量3300mAhのバッテリーをうまく仕込んでいる。これは6型ディスプレイを備えたスマートフォンとしては珍しくない容量だ。さらにV30は、30分で容量の50%を充電可能なQualcommの最新急速充電規格「Quick Charge 3.0」に準拠。加えてソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia」シリーズと同様、バッテリー関連技術開発を手掛けるQnovoが開発した、バッテリー持続時間を延長する技術も搭載している。
V30は間違いなく、IFA 2017で注目を集めたデバイスであり、2017年秋に発売されるスマートフォンの中では最高クラスの機種だろう。
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