クラウドだけではなくオンプレミスでも
Tableauに学ぶソフトウェアサブスクリプションモデルの有用性(2/2 ページ)
人気上昇中のソフトウェアサブスクリプション
このような構造の製品に最もふさわしいのは、サブスクリプションベースのモデルだろう。だが、新しいSaaSアプリケーションベンダーには、まだ解決しなければならない問題があった。例えば、バージョン管理の構想や重要性が増したセキュリティについて検討しなければならない。そして、これらの懸念事項に対処する方法をSaaSの開発者が特定するまで、エンタープライズ市場に製品を移行することはできなかった。
新しいSaaSアプリケーションベンダーが製品をエンタープライズ市場に移行した時点で、大手のオンプレミスソフトウェアベンダーが、SaaSのメリットに注目して製品を提供するようになる。この戦いには、企業のファイアウォールの内側にあるサーバで運用されているプライベートネットワークに関するものも含まれていた。これは、現在、プライベートクラウドと呼ばれているものだ。また、これと並行して、クラウドプラットフォームでのマネージドホスティングが成長を遂げる。大手クラウドプロバイダーは、多数のサーバに加え、高度なセキュリティ機能をはじめとする一流のITサポートの提供を開始した。
このような変化は、今後もソフトウェアサブスクリプションモデルが存続することの表れだろう。だが、サブスクリプションモデルは、まだ普遍的にはなっていない。エンタープライズソフトウェアベンダーは各種サービスをクラウドに移行しているが、購入者にライセンスを供与するオンプレミス版製品の販売も継続している。この状況によって、ベンダーと法人顧客は複雑な事態に直面している。そして、ソフトウェアの支出を適切に説明できるように、何年分もの支出の状況を理解することを強いられている。
事前購入の費用と償却を定期的なサブスクリプションの支払いと併せて考えるのは、決して不可能ではないが、ベンダーがソフトウェアの購入と管理を簡略化することは、ユーザーのプラスに働く。そして、販売サイクルの短縮につながる可能性もある。
サブスクリプションを主要モデルに据えたTableau
Tableauの発表に話を戻そう。BIとデータ視覚化ツールを販売しているTableauは、完全にサブスクリプションモデルに切り替えたわけではない。ユーザーがライセンス供与によって同社のソフトウェアを購入することは今でも可能だ。とはいうものの、現在の同社はユーザーに製品を販売する際にサブスクリプションモデルを提案している。
スケーラビリティと柔軟性の向上、システム管理の簡略化は、企業が一部のアプリケーションのワークロードをクラウドに移行する動機となっている。そう語るのは、Tableauで製品マーケティングのシニアディレクターを務めるステファニー・リチャードソン氏だ。
「大企業はサブスクリプションの価格に慣れ、サブスクリプションモデルのメリットを認識するようになっている。そのため、当社の全ポートフォリオで、このアプローチを採用することは理にかなっている。導入先がオンプレミスとクラウドのどちらであっても、顧客は簡単に大きな規模で当社の製品を導入できるからだ」(リチャードソン氏)
オンプレミスとクラウドの境界はあいまいになってきている。また、ソフトウェア業界は、サブスクリプションの管理方法に関する教訓を学んでいる。一般消費者市場は何世紀にもわたってサブスクリプションモデルを使用してきた。そして、他の多くのビジネス分野もサブスクリプションモデルに移行済みだ。BIや分析などのエンタープライズソフトウェアは、この流れに後れを取ったが、Tableauの新しい価格戦略が示すように、ソフトウェアサブスクリプションモデルの機は熟している。ソフトウェアサブスクリプションモデルは、もはやクラウドだけのものではない。
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