認証を受けた状態と認証を受けない状態を比較
Windows脆弱性スキャンで“見えなかった欠陥”が見えるようになるチェックリスト
Windowsの脆弱性をスキャンする場合、IT担当者はあらゆる角度から確認できるよう、認証を受けた状態と認証を受けない状態の両方でスキャンを実行する必要がある。
IT担当者は、認識していないものを保護することはできない。スキャン中に脆弱(ぜいじゃく)性を明らかにできなかったら、誰かが問題点を見つけて攻撃を仕掛けてくるまで、その脆弱性は放置されたままだろう。
悪用される恐れのあるLAN内の脆弱性を見落とすIT担当者は、格好の標的になる。まだ検出されていない脆弱性は、多くのシステムに多数存在する。だまされやすいユーザーや不注意なユーザーがいて、攻撃者が多くの脆弱性のうち1つでも利用すれば、程なく事故や侵害が起きるだろう。
Windowsの脆弱性スキャンは、あらゆるデスクトップセキュリティ管理プログラムの中核にならなければならない。IT担当者がWindowsの脆弱性スキャンを適切にしなければ、セキュリティプログラムは破綻し、大惨事を招く恐れがある。
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型通りのスキャンでは不十分
Windowsの脆弱性スキャンをチェックリストの単なる1項目と考えてはいけない。スキャンツールを理解することが必要だ。
まずは脆弱性スキャンツールのユーザーとなるIT管理者の役割(権限セット)を把握し、その役割が認証を受けた状態でスキャン結果にどのような影響を与えるかを理解する。ディレクトリサービス「Active Directory」のドメイン(コンピュータやユーザーの管理範囲)に登録済みの標準ドメインユーザーとして認証を受けてスキャンを実行する場合と、ドメイン管理者として認証を受けて実行する場合では、結果が大きく異なることになる。大切なのは、両方の観点から脆弱性を調べることだ。
IT管理者がスキャンに制限を設けることがある。例えば、ドメイン管理者として認証を受けた状態での実行を許可しないといった制限だ。Windowsの脆弱性をできる限り多く明らかにしたいと考えるなら、IT担当者はドメイン管理者またはローカル管理者として認証を受けた状態でスキャンを実行しなければならない。
認証を受けた状態と認証を受けない状態での脆弱性スキャン
ほぼ全ての脆弱性を見つけるには、IT担当者はユーザー認証を受けた状態と受けない状態の両方でWindowsの脆弱性スキャンを実行する必要がある。どちらか一方では不十分だ。
ユーザー認証を受けない状態でのスキャンでは、IT管理者はWindowsシステムにログオンしないで脆弱性スキャンツールを実行することになるため、組織外のユーザーが見るものを確認することになる。ユーザー認証を受けた状態での脆弱性スキャンでは、信頼済みのユーザーが見るものを確認できる。この場合、スキャンツールが各Windowsシステムにログオンして、コンピュータのより詳細なスキャンを実行できるよう、有効なユーザー名とパスワードを入力する必要がある。
認証を受けた状態と受けない状態では、スキャンの結果が大きく異なる。そのため、両者を交互に実行することが推奨される。
例えば、認証を受けていない状態でWindowsの脆弱性スキャンを実行すると、一般に次のような予測可能な脆弱性が見つかる。
- Windowsのパッチの欠如(比較的少数)
- 「EternalBlue」(注1)が悪用した脆弱性に対処するMicrosoftの「MS17-010」など。ただし重大なパッチ欠如が見つかることはほとんどない
- ネットワークに接続するコンピュータのユーザーなら誰でもアクセスできるネットワーク共有
- 貧弱なWindowsパスワード
- 有効化されたファイル転送プロトコルサービス
※注1:ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)「WannaCry」の拡散に悪用されたといわれている脆弱性攻撃ツール。
認証を受けた状態でのWindows脆弱性スキャンでは次のように、上記とは全く異なる、より深刻度の高い脆弱性を多数検出できる。
- WindowとMicrosoftアプリケーションのパッチの欠如(比較的多数)
- 攻撃者は「Metasploit」などの脆弱性スキャンツールを利用して、こうした欠如を悪用した攻撃を仕掛け、リモートからのフルアクセスを簡単に獲得できる
- Adobe Systemsの「Adobe Reader」、Java、Mozilla Foundationの「Mozilla Firefox」などサードパーティー製ソフトウェアのパッチの欠如
- ゼロデイ脆弱性(パッチ公開前の脆弱性)を悪用したマルウェア攻撃によってエンドポイントに重大な問題が生じる恐れがある
- ログオンしたユーザーなら誰でもアクセスできるネットワーク共有
- 監視されていない機密情報は、このようなネットワーク共有から漏えいすることが少なくない
- 脆弱なWindowsドメインパスワードポリシー
- パスワードの複雑性に関する要件や侵入者のロックアウト(ログオン禁止措置)などを含まないポリシーは、不正ログオンを容易にしかねない
なぜこれほどいい加減なのか
放射線のテストメーターやオシロスコープなどのツールを扱う、他の専門的職業では、こうした装置の取り扱いについての訓練を受ける。ライセンスや資格がなければ業務に使用できない場合もある。ITとセキュリティの場合、このようなことは当てはまらない。脆弱性スキャンを実行する担当者の大半は、恐らく、適切にスキャンを実行する方法についての講義や正式な訓練を受けていない。
ベンダーは、自社の脆弱性スキャンツールを「ボタンを選択してクリックするだけの簡単なツール」だと思わせたいようだ。だが大半の場合、簡単ではない。スキャンツールは、実行するスキャンポリシーの選択や結果の報告方法の決定など、大量のオプションを用意している。こうしたオプションには、IT担当者がネットワークの検出を実行する際に役に立つものもあれば、妨げになるものもある。脆弱性のスキャンプロセスは単純ではないのに、多くの担当者が単純に扱っているのが実情だ。
認証を受けた状態と受けない状態の両方でスキャンするWindowsの脆弱性のバリエーションをIT担当者が全て認識し、それらを全て報告できる場合を除いて、全員の期待を満たし、問題を解決することはできない。IT担当者はスキャンの結果を最大限に生かせるように多様なアプローチを採用し、Windowsシステムをあらゆる角度から調べなければならない。なぜなら、悪意のある攻撃者がそうしているからだ。
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