クラウドのニッチな市場にも光あり
大手含む12のIaaSベンダーを比較、その長所と短所は(3/4 ページ)
Oracle
Oracleは、データベースサービスプロバイダーとして最も注目に値する。Oracleはこの5年間で堅実なパフォーマンスと機能を獲得している。こうした要素があれば、クラウドを利用することで、構造化データベース市場での優位性を確固たるものにすることも可能だろう。
だがOracleはIBMと同様、第2波のIaaSベンダーだ。データベースに重点を置いたクラウド環境を提供し、IaaSを提供している。Oracleはハードウェア事業を縮小する動きが見えるため、同社の展開ではDBaaS(Database as a Service)が終着点になる可能性が高そうだ。Oracleベースのアプリケーションで構築したエコシステムを、同社のクラウド基盤に組み込んでいる点も理にかなっている。
長所
1.構造化データベースで確固たる地位を築いている。このテクノロジーでは数十年はその地位を奪われる可能性は低い。
2.実証されたパフォーマンスと柔軟性を備えた、クラウド対応の最新プログラムもある。
3.ハイブリッドクラウドの各分野をまたがるデータベースを作成でき、その進化をさらに続けている。Oracle独自のクラウド基盤でのサブスクリプション型ソフトウェアの配信は、社内のデータセンターにまで拡張されている。
短所
1.複数のビジネスモデルをサポートするにはコストがかかるため、Oracleが完全にクラウドでのサブスクリプション型ビジネスに移行するのは難しいだろう。
2.非構造化データと、Oracleデータベースの管理に使用されるオープンソースツールに課題がある。こうしたツールを実行するには非常に高性能のIaaS環境が必要になるためだ。Oracleでは、これらの課題に対処するためデータベース内に環境を構築している。ただし、今後の使用は構造化データと非構造化データによるハイブリッドになる可能性がある。非構造化データの場合、「Hadoop」のようなツールではIaaS環境またはPaaS環境が必要になる。Oracleのデータベースが重視されつつも、これによりデータベース市場全体の競争が始まる可能性がある。
3.SAPがOracleと競合する強力なクラウドを提供している。
小規模またはニッチなIaaSベンダー
ニッチまたは小規模IaaSベンダーも成熟しつつあるクラウド市場に立ち向かっている。この領域で長期にわたって成功を収めるには、各ベンダーが特に重視する分野を見つけ出し、継続的に力を入れていくことが必要だ。こうした分野は特定のサービス、高いパフォーマンス、意欲的な価格のいずれかになるだろう。
1&1
ドイツ企業の1&1はホスティング事業を行う会社としてスタートし、クラウド市場に参入した。同社のWebホスティングビジネスは好調だ。米国、欧州、メキシコで事業を展開している。
長所
1.クラウドの調査、コンサルティングを実施するCloud Spectatorの調査によると、コストパフォーマンスに優れている(CPU、メモリ、ストレージテストで3倍高い価格性能値を示す)。
短所
1.事業規模が小さくデータセンターも少ない。
Alibaba Cloud
Alibaba Groupが所有するこの企業には、クラウドの成長に継続的に投資する財源がある。一連のソフトウェアサービスとデータセンターを構築している。中国以外にも7カ所にデータセンターがある。Alibaba Cloudはアジアでは卓越したプロバイダーになると予想する。
長所
1.アジア、特に中国市場のシェアが大きく、知名度もある。
短所
1.世界規模でのシェアは小さく、知名度がない。
CenturyLink
CenturyLinkは2016年11月に同社のデータセンターを売却し、クラウド、コロケーションサービス、ネットワークサービスに力を入れている。
長所
1.高品質のサービスの評判。調査会社のガートナーによると2017年10月30日アジア太平洋地域での企業向けクラウド事業者を評価する「Magic Quadrant for Managed Hybrid Cloud Hosting, Asia/Pacific」において「使いやすいポータル、優れたガバナンスと管理機能を備えた競争力のあるクラウド基盤を備えている」と評価。
2.米国と欧州のホスティング管理で実績がある。
短所
1.CenturyLinkは主にサードパーティー製クラウドサービスの仲介を行っている。これは長期的なIaaS戦略としては成功しない可能性がある。
2.データセンターの所有から脱却し、ビジネスモデルを転換している。
DigitalOcean
欧州、米国、シンガポールの9カ所にデータセンターがある。近年、DigitalOceanは大きく成長している。パフォーマンスの高いインフラを採用することを重視し、ストレージは全てSSDで、高速ネットワークを用意している。
また、必要最小限のIaaSを提供しているという自負があり、それがシンプルな価格構成に反映されている。
長所
1.「純粋」なIaaSへの注力しており、必要最低限の機能に特化している。
2.価格帯に比べてパフォーマンスが高い。
3.ターゲットをクラウド開発者に絞り、開発者を重視した機能になっている。
短所
1.成熟したユーザー層にとっては必要最低限が行き過ぎていると感じる可能性がある。
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