クラウドのニッチな市場にも光あり
大手含む12のIaaSベンダーを比較、その長所と短所は(2/4 ページ)
もちろん、Googleはその検索エンジンと、それに付随する広告の配置でも有名だ。このような一連の製品のテクノロジーが、「Google Compute Engine」(GCE)に組み込まれている。具体的には、グラフィックス処理装置(GPU)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)による高速化、SSDの使用、最近では人工知能(AI)や機械学習などがある。
長所
1.幅広いAIと機械学習のラインアップがある。
2.Googleの自動運転車への副次的な取り組みにより、同社のクラウド基盤を軸とした新たなサービス機会が開拓される可能性がある。
短所
1.AWSに認知度で負けている。
2.Googleは分析基盤に重点を置いているため、中核のIaaSサービスからは研究開発の手を引く可能性がある。そのため、他の大手クラウドプロバイダーがIaaS利用価格を切り下げる余地が残されている。
3.Googleは、Linuxディストリビューションを提供するRed Hatとのパートナーシップを通じて、「OpenStack」ベースのプライベートクラウドを使用したハイブリッドクラウド基盤の提供を目指している。ただし、OpenStackは進行中のプロジェクトだ。そのため、Googleによるハイブリッドクラウドの取り組みは、MicrosoftのAzure StackやAWSのVMware Cloud on AWSに比べて遅れる可能性がある。
IBM
IBMは2011年に「IBM SmartCloud」をリリースした。同社によるクラウドの取り組みはこれが事実上の出発点となった。IBMはハイブリッドクラウドを含め、多数のモデルでの導入を提供している。IBMのクラウドビジネスは「Bluemix(現IBM Cloud)」ブランドのIaaS、SaaSやツールで構成され、販売提案の充実を重視している点を反映している。
長所
1.「IBM Watson」は強力なツールだ。屈指の成熟度を誇るAI基盤であり、このIBM Watsonを中心に構築されたアプリが既に多数存在している。IBM Watsonを採用することで、組織ではAI開発チームを作る際の主なハードルを乗り越えやすくなる。
2.IBMには大規模かつ堅実な顧客基盤がある。
短所
1.IBMはハードウェア企業だが、ソフトウェアとサービスの企業への転換を図り続けている。このため同社はGoogleやAWSに比べて、企業方針転換のための負担が大きい。
Microsoft
Microsoftでは、OS「Windows」が常に重視され、「Windows Server」やその他のエンタープライズ製品と強く結び付いている。その結果Microsoftは、Windowsを基礎に置いている多くのIT運用チームにとっては、トップクラスのIaaSベンダーになっている。
Azureの運用構想はAWSに似ているが、専門用語や使用モデルが大きく異なる。この点が非常に目立っているのがストレージで、Azureではストレージのまとまりを説明するのに「BLOB」という用語を使用している。一方、Amazon S3では「バケット」という用語を使用する。AWSは「BitTorrent」(Peer to Peerを用いたファイル転送用プロトコルとその通信をするソフトウェア)のアクセスをサポートし、非常に大規模なデータのインポートを処理する仕組みも用意している。また、サーバ側での暗号化にも対応し、タイムスタンプによる自動削除機能もある。これらの機能はいずれもMicrosoftの「Azure Blob Storage」では利用できない。
長所
1.Windowsに対する親和性があるため、WindowsベースのIT運用チーム間でクラウドビジネスを実現しやすくなる。例えばWindowsモデルでは、データを簡単に行き来させることができる。これはAzureの重要なセールスポイントになっている。
2.Azure Stackを利用することで、管理者は開発に関わるパブリッククラウド環境とオンプレミス環境の両方の領域を1つの管理インタフェースで管理できる。また、スクリプトとサービスで共有のストレージを使用できる。Azureの使用経験があるITチームなら、Azure Stackを導入することは非常に簡単なはずだ。
短所
1.Microsoftは自社製品のテクノロジー以外に壁を作る傾向がある。例えばAzureではLinuxのサポートが遅れていた。だが、2015年にMicrosoftはLinuxのホスト環境を構築した。
2.Windowsとの結び付きを重視することで、AWSやGoogleに比べるとエコシステムの開発が遅れているようだ。例えば、AzureではGoogleに比べてコンテナの実装が遅かった。
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