iOS 11搭載の全てのデバイスに危険性?
iPhoneのロックは他人が解除可能? 生体認証では守り切れない理由
Appleのデバイスが持つ認証機能は優れたセキュリティ機能のはずだが、デバイスに関係なくロック解除ができてしまうという報告が入った。デバイスの制御で守り切れない理由は“コードの流出”にあるという。
経済紙のForbesは、2018年2月末、CellebriteがAppleの新型「iPhone」のロック解除に成功したと報じた。Cellebriteはイスラエルを拠点とするベンダーで、米国政府の大手請負業者でもある。ITコンサルティング企業TCE StrategyのCEOブライス・オースティン氏の話では、この報道が事実だとするとAppleのセキュリティへの深刻な打撃になるという。
併せて読みたいお勧め記事
iPhoneに忍び寄るさまざまなセキュリティリスクとは
- iPhone Xの顔認証「Face ID」を150ドルで突破されたAppleの反応は?
- iPhone最大のセキュリティリスクは「ダメなユーザー」 徹底したい安全3カ条とは
- 「iPhone」の会話を暗号化前に盗聴? 流出資料で分かったCIAの“えげつない手口”
話題となった「iOS 11」はどんな機能を持っているのか
「2016年2月、AppleとFBI(米連邦捜査局)の間で対立が起きた。それ以来、Appleはモバイルデバイスのセキュリティを極めて厳しくすることに躍起になってきたと思われる」と同氏は話す。
報道によると、CellebriteはAppleの最新OS「iOS 11」を通じてデバイスに侵入する技術を考案し、この技術を世界中の法執行機関や民間の科学捜査専門家に通知しているという。
この報道を受けて、オースティン氏は一般消費者やIT部門の責任者に向けて、次の2つが重要になるとアドバイスする。
1.一般消費者も企業も、常に最新のパッチをモバイルデバイスに適用し、パッチを適用できなくなったデバイスは使用を中止する。
2.サイバーセキュリティについては、エンドポイントデバイスは侵害される恐れがあるという姿勢をとり、エンドポイントが侵害された場合に受けるダメージを限定する。
実は以前に起きていた流出
だが、これはAppleに生じた最も新しいセキュリティの問題にすぎない。2018年2月前半、iOSの大量のソースコードがオンラインに流出した。この流出により、ハッカーなどが不正な目的やiPhoneのJailbreak(脱獄、開発元が意図していない操作で不正に機能制約を解除すること)を容易にする目的で、このコードからiOSの脆弱(ぜいじゃく)性を詳しく調べた恐れがある。流出したコードは即座にGitHubから削除された。だが、その時点までに既にダメージを受けたかもしれない。
「iPhoneのロックを解除できるようになったことが最新のiOSのソースコードを調べた結果なのか、タイミングがちょうど重なっただけなのかを知りたいと思っている」(オースティン氏)
いずれにせよ、Appleにとってはコードの流出が良い知らせではないことは確かだ。
「企業の所有財産や知的財産が世間に流出すると、必ずその企業の信頼が損なわれることになる」こう話すのはセキュリティ対策プロバイダーのFairWarningのエグゼクティブバイスプレジデント、シェーン・ウイットラッチ氏だ。
Appleは常に、細心の注意を払って流出を防いできた。そのため、今回のような流出はめったにないことだ。iOSとAppleの「macOS」のプログラミングに関する書籍を執筆するジョナサン・レビン氏は当時情報メディアであるMotherboardで、今回の流出は「Apple史上最悪の流出」と語っている。iPhoneのロックを解除できるという報道が事実なら、コードの流出よりもさらに深刻なセキュリティインシデントになるだろう。
時間による解決を待つのではなく、自社ネットワークの監視を
時間が経てば、Appleのセキュリティと評判がどの程度損なわれ、どのような影響が生じたかが明らかになるだろう。だが、セキュリティ対策を評価するのに遅過ぎることはない。
企業はこのような流出にどのように対応すればよいだろう。重要なのはアクセスだとウイットラッチ氏は話す。
「こうしたソースコードの流出は社内に潜む脅威が原因で起きる可能性がある。企業は、最も重要な資産へのユーザーアクセスを監視する必要がある。企業ネットワークにアクセスできるのが特権を持つユーザーなのか、サードパーティーベンダーなのか把握しておかなければならない」(ウイットラッチ氏)
現在のデータ主導のビジネス環境では、これは口で言うほど簡単なことではない。
「データが保存され、転送される最近のビジネスの性質と企業ネットワークの規模を考えると、この種の機密情報へのユーザーによるアクセスを追跡するのは難しい。今後、企業は自社のネットワークを俯瞰(ふかん)的に見られるようにする必要がある。そうすればアクセス権を正しく管理し、このような機密情報が社内から流出する脅威に関連するリスクを軽減させることができるだろう」(ウイットラッチ氏)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣 -
製品資料
[サイボウズ株式会社] AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
4
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
5
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
-
6
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
7
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
8
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
9
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
10
【漫画付き】ひとり情シス協会が明かす、RAG導入でしくじる企業「2つの共通点」
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー