DockerとKubernetesを利用するなら導入したい
コンテナ管理ツールの選び方 AWS、Google、Pivotal、Red Hatなど比較(2/2 ページ)
パブリッククラウドのユーザー
「パブリッククラウドツールを第一に検討する」タイプの企業は、ほとんどの場合、コンテナの導入先として、自前のデータセンターではなく、パブリッククラウドを考えているだろう。ここでまず問いたいのは、マルチクラウドユーザーになる予定があるかどうか、あるいは最終的に自前のデータセンターにコンテナを追加する予定があるかどうかだ。どちらの予定もなければ、コンテナに関するサポートを全てクラウドベンダーから受ける計画にするとよい。いずれかを予定している場合は、Kubernetesを使ってコンテナのオーケストレーションを行い、Dockerを使ってさまざまなパブリッククラウドとの互換性を実現する計画がお勧めだ。
Amazon Web Services、Google、Microsoftはいずれも、コンテナのホスティングサービスとKubernetesベースのオーケストレーションサービスを提供している。
「Amazon Web Services」(AWS)の「Elastic Container Service」(ECS)は、他のAWSサービスと緊密に統合されているため、Amazonが提供している特別な機能を利用したいユーザーには人気が高い。新製品「Elastic Container Service for Kubernetes」も同じようにAWSと統合される。ただし、オーケストレーションにはAWSの「Blox」ではなく、Kubernetesを使用する。Google Container Engineから改称した「Google Kubernetes Engine」(GKE)は、Kubernetesオーケストレーションを組み込んでおり、Dockerではなくrktを使用する予定の企業に適している。Microsoftの「Azure Container Service」も、Kubernetesに力を入れ始めている。Windows Serverデータセンターを運用しているパブリッククラウドユーザーにとっては理想的な製品だ。
リソースの抽象化とオーケストレーション
アプリケーション、ワークフロー、リソース要件などが複雑な企業の関心は、リソースの抽象化とオーケストレーションに特化したコンテナ管理システムにある。そのような製品を導入すると、オーケストレーションで可能なことが格段に広がるからだ。まず、クラウドプロバイダーとデータセンター間の移動が可能な抽象リソースをユーザーが作成できるようになる。さらに、ポリシー制御を拡大してアプリケーションコンテナを最適なホストに割り当てられるようにもなる。
「Apache Mesos」は、リソースの抽象化とオーケストレーションを実現する中核的存在の製品で、「コンテナの使用方法が最も複雑な」タイプの企業にはお勧めの検討対象だ。Mesosユーザーの多くは、タスクのスケジューリング、リソースの最適化と制御、管理と運用の効率を改善するために、Mesosphereの「Mesosphere DC/OS」を追加している。この組み合わせは、セキュリティを重視する大企業やセキュリティに極めて厳しい企業の両方にとって最適だ。また、再構成、コンポーネントの再利用、クラウド拡張、フェイルオーバーなどを伴うマルチクラウドアプリケーションと動的ハイブリッドクラウドアプリケーションの管理にも非常に役立つ。
Kubernetesは、MesosとMesosphere DC/OSにオーケストレーション機能を提供できるが、Mesosでポリシーベースのリソース割り当てを行う場合は、Mesosphereの「Marathon」フレームワークの方が柔軟性が高い。このフレームワークでは、コンテナの導入と再導入にポリシーを設定し、リソースの使用に関してコストを抑え、冗長性を最大にしてマルチクラウドを最適化するなどの複雑なルールを管理できる。MarathonはKubernetesよりも難解なシステムだが、複雑なコンテナ導入では、将来的にクラウドのホスティングと運用にかかるコストを大幅に削減できる。
Mesos、Mesosphere DC/OS、Marathonは、大規模で複雑なコンテナ導入では代表的な組み合わせだ。これらを利用するには、OSSツールとコンテナ化されたアプリケーションを扱う高度な技術スキルが必要になる。大企業だとしても、この最後の選択肢に飛び付く前に、コンテナの複雑さが本当に最大レベルに達するかどうかを調査すべきだ。
購入を決定する前に、選択したコンテナ管理ツールを1つのパッケージに統合しているサプライヤーを探す。アプリケーションミドルウェアと同様に、コンテナツールにはバージョンに依存する傾向があり、この依存性に対処しないとツールを組み合わせて使うことはできない。全てのツールを含んだ1つの配布パッケージであれば、自身で統合を行う負担から解放される。
本稿で紹介した手順から、コンテナ化されたアプリケーションを効果的に導入するために必要な情報がお分かりいただけただろうか。次の段階では、各ツールを個別に評価することになるだろう。
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