開発現場の多様なプログラミング言語を調和
Prometheus、Elastic Stack、Apache Maven、マイクロサービスで高まる管理ツールの必要性
IT部門は、インフラ管理を標準化し、開発者が最新のプログラミング言語とアプリケーション設計を試せるように、ツールキットを補充しなければならない。
IT部門は、運用の標準化とアプリケーション導入の自動化について、効率と統制を損なうことなく、開発者の自主性をサポートする必要がある。多くのIT部門の解決策となるのがマイクロサービス管理ツールだ。
アプリケーションがモノリシックな環境のときなら、IT部門はアプリ導入手法に管理/監視ツールを組み合わせて開発者をサポートできた。だが、最新のアプリアーキテクチャはますます複雑化し、企業ネットワークを極限まで使用している。そのためIT部門はツールキットを統合し、アプリと、そのアプリを作成する多数の方法に、統一的な視点を用意する必要がある。
「全てのサービスは同じ方法で通信しなければならない。その結果、同じツールを使用して、ある程度の一貫性を確保できる。それができなければ、デバッグに種類が異なる多数のツールを利用することになり、瞬く間に作業が複雑になる」と話すのは、Bufferのスタッフエンジニア、ハリソン・ハルニッシュ氏だ。同社は、米国全土に従業員が分散するソーシャルメディア管理プラットフォーム企業だ。
マイクロサービスの導入を想定したアプリ導入の枠組み
モノリシックなアプリケーションからマイクロサービスへの移行に成功した企業によると、アプリの設計をリファクタリングすることで、DevOpsパイプラインを使って導入効率を向上するチャンスがあるという。マイクロサービス管理ツールを使用すると、どのプログラミング言語を使っているとしても、そうした環境下で言語が異なる同じアプリイメージが複数存在することはなくなる。このようなマイクロサービス管理ツールには、「Apache Maven」やその他の新しいオープンソースユーティリティーがある。
「どのような開発現場でも、Mavenを調査したら、『Mavenをインストールして』と言わざるを得ないだろう。どのような言語を使用していても、きっとインストールすることになる。製品チームが次週、プログラム言語Rustで何かを開発する必要に迫られたとしても、当社のIT部門はそれを妨げることはない」と話すのは、ITセキュリティ企業AlienVaultのエンジニアリングオペレーション部門でディレクターを務めるアーネスト・ミューラー氏だ。
AlienVaultのミューラー氏のチームは、2つのオープンソースコマンドラインユーティリティーも作成した。1つは「infra-buddy」、開発者がコードを登録すると、「Amazon Web Services」(AWS)のインフラが自動的に稼働する。もう1つは「service-buddy」で、マイクロサービスを導入し、その後を監視する。
「こうしたIT運用導入は全て数週間を要するリードタイムが生じる可能性がある。このリードタイムが完全に不要になる。だが当然、これを実現できるのは、そうしたリードタイムが生じている場合に限られる」(ミューラー氏)
マイクロサービスが促すネットワークアーキテクチャの転換
マイクロサービスの個々のエンドポイントは複雑さが解消されつつある。それに伴い、以前ならもっと規模が大きいモノリシックなノードで対処されていた通信(複雑性)を、エンドポイント間を結ぶ外部ネットワークが引き受けるようになっている。そのため、一部のDevOpsチームはサービスメッシュネットワークアーキテクチャへと移行している。これは、マイクロサービスをサポートするネットワークをプログラムで管理するのが目的だ。
「自社の全サービスの実行状況を見渡す素晴らしいトップクラスビューが得られる。コードを記述する必要は一切ない。サービスが運用段階に入ると、即座にそのサービスに対するメトリックスの取得が始まる」と話すのは、eコマース企業BigCommerceでプラットフォームエンジニアリング部門のディレクターを務めるザック・アンジェロ氏だ。同社はBuoyantが開発した「Linkerd」サービスメッシュを使用する。
アンジェロ氏のチームは、Linkerdをマイクロサービス管理ツールの基盤に使用する。そんな中、同チームではGoogleが開発した「gRPC」というオープンソースのリモートプロシージャコールユーティリティーを追加した。gRPCは、アプリ同士が相互にやりとりする方法を標準化する。サービスの検出はHashiCorpの「Consul」によりプログラムで処理される。サービスの検出とは、ネットワーク上のデバイスやサービスを自動的に検出するプロセスを意味する。
「全員が同じインタフェースを共有する。そのためScalaチームがあるサービスを構築し、PHPチームが別のサービスを構築したとしても、基盤は共通だ。例えばRESTサービスを使用する際にURLを構造化する方法について心配する必要はない。全てが統一されているように見える。そのため、『この操作にはこの程度の時間がかかり、これくらいの割合で成功する。また、これらが遅延になっている』と確信を持って発言できる」(アンジェロ氏)
サービスメッシュには独特の管理の複雑さが付いてまわる。だが、オープンソースの「Istio」などのサービスメッシュプロジェクトが他の企業でも評価され始めており、各社のマイクロサービス管理ツールのラインアップに加えられている。
「サービス間のトラフィックを暗号化することを目指している。Istioではすぐに使える証明書が生成される。そのため、2つのサービス間だけで相互にやりとりでき、Istioによりこれらのメッセージが暗号化される」とBufferのハルニッシュ氏は説明する。
マイクロサービスによって高まるIT部門での監視の必要性
サービスメッシュを使用したプログラムによるネットワーク管理では、マイクロサービスノード間のネットワークをトラブルシューティングするために、非常に細かいデータも生成される。IT担当者は時系列に監視するツールやログ管理ツールを利用してこのデータを整理し、その意味を理解することになる。こうしたツールには、オープンソースの「Prometheus」やElasticの「Elastic Stack」(旧称「ELK Stack」)などがある。
「これまではオープンソースの『StatsD』や『Graphite』をかなり多用してきた。だが今はPrometheusに移行している。Prometheusでは早い段階から実に素晴らしい体験が得られた。これにより、トラブルシューティングについて全員が同じ考えを持つようになっている」(アンジェロ氏)
大規模にマイクロサービスを採用するeBayなどの企業も、Elasticスタックのオープンソースツールを利用している。これらのツールは複数のプログラミング言語が混在するアプリケーションの監視ニーズに合わせて変更できる。BigCommerceも、Elasticの「Logstash」パイプラインを利用してログの増加に対応する。Logstashパイプラインでログデータを収集し、オープンソースの「Apache Kafka」データパイプライン経由でそれをルーティングして、Elasticの「Elasticsearch」でそのデータを利用している。
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