コンテナ化したアプリケーションの構築には不可欠
Kubernetes、Elasticsearch、Prometheus コンテナ管理ツールを比較する
コンテナ化したアプリケーションを操作するツールで代表的なのが「Kubernetes」「Elasticsearch」「Prometheus」の3つだ。これらはいずれもオープンソースのツールである。本稿ではこれらのツールを専門家が解説する。
オープンソースツールは、以前のように商用ツールの安価な代替品と非難されることはなくなった。それどころか、アプリケーション開発で急速に広がっている最近のコンテナ化への動きを加速する原動力になっている。本稿では、コンテナ化したアプリケーションの構築に欠かせない代表的な3つのオープンソースツール「Kubernetes」「Elasticsearch」「Prometheus」について詳しく見ていく。
Kubernetes
Kubernetesは運用中の何千ものコンテナを簡単に管理できるようにするコンテナオーケストレーションツールだ。このツールは、基盤となるインフラからコンテナ化したアプリケーションを分離する層として機能する。これにより、複数のクラウドやデータセンターにまたがる運用が容易になる。ツールが提供する強みはたくさんあるが、最も重要なのはフェイルオーバーと負荷分散の自動処理だ。ツールには新しくポッド(コンテナのグループ)という概念が追加され、ワークロードは全てのポッドに自動的に分散される。あるポッドに障害が起きたり侵害されたりした場合、代わりになるレプリカが作成される。Kubernetesは、規模の大小を問わず、あらゆる企業が実際のユースケースを実現する手段となる。
Elasticsearch
Elasticsearchは分散型フルテキストデータベースで、大量データのリアルタイム分析を容易にする。Elasticの「Elastic Stack」の中核をなすElasticsearchは、監視、eコマース製品の検索、ログ分析、レコメンドエンジンなど、多種多様なユースケースに広く採用されている。多くの企業がコンテナツールキットの一部としてElasticsearchを使用し、コンテナ化したアプリケーションが吐き出す大量のパフォーマンスデータや監視データを分析している。何千ものコンテナが運用環境で実行されるのが一般的なので、コンテナが生成するデータはリアルタイムで分析しなければならない。Elasticsearchはこうした作業に非常に適したツールだ。実際、多くの商用ツールがElasticsearchを基盤にしている。つまり、Elasticsearchは単なるツールではなく、他のツールの基盤となるプラットフォームだといえる。KubernetesとElasticsearchはネイティブに統合できるため、KubernetesからElasticsearchに全てのログデータを送ることができる。
Prometheus
コンテナ化したアプリケーションの運用環境での実行を成功させるためには監視が不可欠だ。現時点で最先端をいくのがオープンソースのコンテナ監視ツールPrometheusだ。このツールは、特に時系列データのリアルタイム分析に適している。ツールでは、絶え間なく流入する時系列データの各ストリームにラベルを付けられる。また、実行したクエリから生じるデータに一時的なラベルを付与することも可能だ。Prometheusの強力なクエリ言語「PromQL」を利用すれば、データから素早く洞察を得られる。ツール専用の表示ツールもあるが、Grafana Labsの「Grafana」のような視覚化ツールにPrometheusのデータを送って、高度な視覚化を行うことも簡単にできる。
アプリケーションのワークロードを仮想マシンからコンテナに移行するに伴い、運用環境にあふれる多数のコンテナを管理する新しいタイプのツールが必要になる。
本稿で取り上げたツール以外にも優れたツールはある。Googleの「gRPC」、古橋貞之氏が開発した「Fluentd」、多数の企業が参加して公開された「Istio」などがその例だ。
ただ、影響力に関して言えば、Kubernetes、Elasticsearch、Prometheusが、コンテナ化されたアプリケーションの規模を拡大して実行できる代表的なオープンソースツールだ。
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