高度な技術をどうサポートするか
CIOが機械学習から逃げられなくなる日(1/2 ページ)
機械学習を企業に導入する流れをCIOはどのようにサポートできるだろうか。恐らくはデータレイクの構築から始めることになるだろう。
人工知能(AI)はベンダーや報道機関がもてはやしているテクノロジーだが、その花形は機械学習だ。事実、機械学習は最近非常に普及しており、機械学習とAIを同じ意味で使用する企業もある。
だが、両者は同じテクノロジーではない。AIはソフトウェアbotから実際のロボットまで、あらゆるものを指すが、機械学習は具体的には「統計モデルを使用してデータからパターンを推論するもの」を指す。
機械学習を他社との差別化要因にすることを計画している企業のCIOにとっては、その高度な技術をどうすればサポートできるか、漠然とした疑問が浮かぶ。CIOは最初から新たに考えるのではなく、家具EC大手のWayfairの戦略を手本にすることができる。Wayfairでチーフアーキテクトを務めるベン・クラーク氏は、機械学習の企業への導入を実現するため、データの品質よりもデータへのアクセスに目を向けている。
機械学習の台頭
データサイエンスを正式に実践していない企業でも、機械学習を全く知らないということはない。チャットbotや対話型ユーザーインタフェースのサポート、IT運用ログの分析、不正の検出など、機械学習は至るところで使われている。SiliconAngle Mediaの調査部門Wikibonでアナリストを務めるジェームズ・コビーラス氏は「CIOはいろいろな意味で幅広い目的を持ち、多くの機械学習を扱っていると考えられる」と話す。
機械学習は大きく広がり、そのプレゼンスを増している。市場調査会社MarketsandMarkets Researchは、機械学習市場の2017年の規模は141億ドルだったが、2022年までに881億ドルに増加すると予測する。他にも、Grand View Researchは、機械学習のサブセットに当たるディープラーニングの市場規模が、2025年までに102億ドルに達すると予測している。
だが、機械学習を導入する企業の多くが利用するテクノロジーは、社外のアプリケーションサービスのバックグラウンドで使われている機能だ。
機械学習を組み込んだツールに投資することが企業の現状維持に役立つのは確かだが、市場での戦略的な差別化にはならない。こう語るのはCimphoni Consultingの共同設立者兼パートナーのブレント・リーランド氏だ。同氏はTrek Bicycleの前CIOでもある。
「多くの企業にとって、こうしたツールへの投資が機械学習との出会いになる。だが、競争で優位に立てるわけではない」(リーランド氏)
企業で機械学習のコンピテンシーを築く好機が訪れている。Gartnerが3000人以上のCIOとIT部門の上級幹部を対象に調査した2018年の報告書によると、AIに投資し導入している企業は4%にすぎないという。また、今のところAIには関心がないと答えた企業は3倍以上の14%と報告されている。
リーランド氏によると、機械学習の導入に伴うリスクを分散したいと考える企業は多くの場合、IT部門に導入実現の役割を与えても、最も難しくて手間のかかる仕事は任せないようにするという。「機械学習を導入し、実際に堅実なアルゴルズムを実行する上でしっかり見据えなければならないのは、ITの側面ではなく、機械学習が生み出す数値だ」と同氏は話す。
これまで、CIOが機械学習に関連するデータサイエンスや高度な分析に取り組む必要はなかった。機械学習は本来、仕事を適切に行う手助けをするために用意されたデスクトップアプリケーションの中核部分ではない。それでも機械学習を企業の中核機能にしようとするなら、膨大な量のデータが必要になり、管理すべき機械学習モデルとモデルのバリエーションは大きく広がることになる。
「機械学習は魔法のように現れるわけではない。むしろ、コードやメタデータと同じく、設計、構築、最適化、デバッグが必要なアセットだ」とコビーラス氏は語る。
実際、最近のアプリケーション開発チームは、開発からデバッグ、テスト、導入に当たって、ある種の「統一パイプライン」アプローチを採用しているという。こうしたアプローチには、プログラマーやデータサイテンティスト、ドメイン専門家の専門知識が必要になる。
「機械学習パイプラインはDevOpsという取り組みで進められる共同作業だ。こうした取り組みが徐々にリアルタイムパイプラインになる。このパイプラインでは、機械学習モデルを絶えず構築し、絶えずテストする。古いモデルを破棄し、新しいモデルを取り入れる」(コビーラス氏)
このパイプラインの下に位置し、企業の機械学習の構築基盤となるのは通常、データレイクだ。構造化データと非構造化データ、ストリーミングデータに手を加えず、そのままアクセスし、そのデータを組み合わせて情報を取り出すことができるデータリポジトリを構築/管理するよう、コビーラス氏はCIOに助言する。「二次的に『Hadoop』やMicrosoftの『SQL Server』にデータを格納することもあるが、ベストプラクティスとしてデータレイクが非常に重要になる」と同氏は話す。
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