Amazon、Baidu、Clouderaなど紹介
人工知能(AI)インフラ製品、主要ベンダー18社の特徴をつかむ(前編)(1/2 ページ)
人工知能(AI)インフラ市場はまだ歴史が浅く、各社さまざまなツールを市場投入している。クラウドサービスも、パワフルで高価なハードウェアもある。Amazon、Baidu、Clouderaなど、主要な18社を紹介する。
企業が人工知能(AI)インフラを構築しようとする場合、選択肢はたくさんある。多くのITベンダーが、幅広い分野で多種多様な製品やサービスを提供しているからだ。企業がAIアプリケーションを支えるITインフラを構築し、維持するのに役立つ。
本稿では、企業が効果的なAIインフラを構築し、AIを活用して最大の価値を生み出すには、どのような製品が必要かを素早く大まかに把握できるように、主要なベンダーとその製品の概要をまとめた(前編では11社の製品を紹介する)。
AIインフラ市場に関する幅広い調査を踏まえ、市場をリードする先進的なベンダーと、歴史のある有力ベンダーの両方に焦点を当てた。参考にした調査データには、TechTargetの調査結果に加え、Gartnerなど、定評のある調査会社のレポートのデータを含む。
なお、本稿ではGoogleを取り上げていないが、これは同社の機械学習アクセラレータ「Cloud TPU(Tensor Processing Unit)」が、本稿執筆時点でまだβ版だからだ。
Amazon
Amazon.comの子会社Amazon Web Services(AWS)は、社名と同名のクラウドインフラプラットフォームで多くのAIサービスをサポートしている。注目を集めているのが、機械学習サービスの「Amazon SageMaker」だ。SageMakerは、開発者やデータサイエンティストが任意の規模の機械学習モデルを迅速かつ簡単に構築し、トレーニングし、デプロイできるように設計されたフルマネージドサービスだ。単体で、または組み合わせて使用できるモジュールが用意されている。
SageMakerには「Jupyter」のノートブックインスタンスが含まれる(注1)。ユーザーはこのJupyterノートブックを使って、「Amazon Simple Storage Service(S3)」に保存されたトレーニングデータの探索や可視化ができる。S3内のデータに直接接続するか、フルマネージド型ETLサービス「AWS Glue」を使用して、「Amazon Relational Database Service(RDS)」やフルマネージド型NoSQLデータベースサービス「Amazon DynamoDB」、データウェアハウスサービス「Amazon Redshift」からAIデータをS3に移動して、それらのデータをノートブックで分析できる。
※注1:Jupyterノートブックとは、ノートブックと呼ばれる形式のファイルにプログラムや実行結果などを記録して管理できる、データ分析ツールのこと。
SageMakerでは、アルゴリズムの選択に役立つように、最も一般的な12の機械学習アルゴリズムが事前にインストールされている。このサービスは、オープンソースフレームワークの中で最も人気のある部類に入る「TensorFlow」と「Apache MXNet」を実行するよう事前に構成してある。独自のフレームワークを使用することも可能だ。
SageMakerのユースケースには、広告のターゲティング、債務不履行の予測、産業用IoT(モノのインターネット)、サプライチェーンと需要の予測などがある。
AWSはSageMakerについて、従量制のさまざまな料金モデルを用意している。
Baidu
中国のインターネット検索企業Baiduは、自社のAI機能をオープンプラットフォームの「ai.baidu.com」でサードパーティー開発者に開放している。このプラットフォームは、画像認識、音声認識、自然言語処理などのためのAPIとソフトウェア開発キットを提供している。同社によると、それらの大部分は無料だ。
Baiduのオープンソースベンチマーキングツール「DeepBench」は、ディープニューラルネットワークや推論のトレーニングに含まれる基本的な演算のパフォーマンスを測定する。これらの演算は、さまざまなハードウェアプラットフォームでニューラルネットワークライブラリを使って実行される。
DeepBenchはソースコード管理サービス「GitHub」でリポジトリを公開しており、「ディープニューラルネットワークで使用される基本的な演算で最高のパフォーマンスを発揮するのはどのハードウェアか」という問いに答えを出すことを目指している。
Cloudera
Clouderaの「Cloudera Altus」は、機械学習とアナリティクスのためのPaaS(Platform as a Service)であり、AIデータカタログおよびデータコンテキストの共有が可能だ。
Altusは、データエンジニアリング、SQL、ビジネスインテリジェンス(BI)ツールを含んでいる。Clouderaはデータサイエンスツールも追加する計画だ。同社によるとAltusは、さまざまなデータ分析機能において共有データエクスペリエンス(SDX)を実現する。これは、全ての機械学習および分析サービスで使用されるメタデータ(スキーマ、セキュリティ、ガバナンスポリシーなど)の信頼できるソースが1つあるということだ。
ClouderaはAltusとSDXにより、分析環境の無秩序な増殖を避けながら、セルフサービスによる分析を可能にするとともに、複雑なデータドリブンアプリケーションを開発できるオンデマンドツールをビジネスユーザーに提供したい考えだ。
Altusの課金体系はマネージドクラウドサービスの料金に基づく。この料金は、データエンジニアリングに利用する場合で1時間当たり0.08ドルとなっている。
Confluent
「Apache Kafka」をベースにしたConfluentの「Confluent Platform」は、AIデータから価値を引き出そうする企業向けのストリーミングプラットフォームだ。組織のエッジまでをカバーし、リアルタイムイベントのストリームデータをキャプチャーする。そのため、小売り、物流、製造、金融サービス、ハイテク、メディアといった業種の企業が、オンプレミスでもクラウドでも、このストリーミングプラットフォームを使って、顧客イベントやトランザクション、ユーザーエクスペリエンス、市場の変動にリアルタイムで対応できる。
Confluent Platformは、企業における詐欺検知、カスタマーエクスペリエンス支援、予測メンテナンスなど、スケーラブルなリアルタイムアプリケーションを構築する際の中枢を担う。このプラットフォームは、こうした特定のユースケースでは、移動中のデータを処理するという特徴がある。これにより、受け身ではなくリアルタイムの処理を実現している。
Confluent Enterpriseはサブスクリプションで利用できる。
Databricks
Databricksは「Apache Spark」を生み出したチームによって設立された。Apache Sparkは、ビッグデータエコシステムの中でも非常に活発なオープンソースプロジェクトだ。Databricksが提供する「Unified Analytics Platform」(統合型アナリティクスプラットフォーム)は、データサイエンスとエンジニアリングを1つのワークフローに統合し、データの専門家が生データとアナリティクスのギャップを橋渡しできるよう支援する。
Databricksプラットフォームは、Apache Sparkアプリケーションがクラウドにおいて、統合されたコラボレーション環境として本番環境を提供する。Databricksは、データ探索、プロトタイピング、データドリブンアプリケーションの運用というプロセスを民主化し、効率化する。
Databricksプラットフォームの料金は、利用するクラウドサービスプロバイダー、ワークロードの種類、機能によって違ってくる。
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