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フィリップス・ジャパン、東北大学内に研究開発拠点を設立 医療ITサービス創出を目指す
フィリップス・ジャパンは東北大学と共同研究についての包括的提携を結び、大学内に研究拠点を設立した。現場のニーズを探り、デジタルヘルスサービスのイノベーションにつなげるのが狙いだという。
フィリップス・ジャパンは2018年6月26日、東北大学と共同研究についての包括的提携を結ぶと発表した。共同研究では、健康維持や疾患治療のための生活改善を意味する「行動変容」を起こすための、ITを活用したサービス開発を中心に取り組む。同社は東北大学、宮城県および仙台市との連携を進めるため、東北大学内に共同研究を促進する施設「PHILIPS Co-Creation Satellite」を同日に開設した。2019年3月には、仙台市内に同社の新しい研究開発拠点「PHILIPS Co-Creation Center」を設立する。
2つのイノベーション拠点の設立
PHILIPS Co-Creation Centerの役割について、同社ソリューション事業推進本部 シニアマネージャーの川島考宣氏によると「純粋な研究開発拠点ではなく、大学やさまざまな企業との議論の場」として運用するという。同施設には、手術室や病室、救急車の内部レイアウトをVR(仮想現実)空間に再現できる仕組みや、3Dプリンタの導入を予定している。「議論や試作を活性化させるために、新しい技術を導入していきたい」(川島氏)
PHILIPS Co-Creation Centerが目指すテーマは、人々の行動変容を促すイノベーションの創出とグローバル展開だ。センター内での議論を基にビジネスプランを策定し、各国にある同社の研究開発拠点と連携しながらグローバル展開を見込むという。
PHILIPS Co-Creation Satelliteの役割は、現場のニーズを探るために、医療現場の課題を可視化する調査拠点となることだという。「特に、病院の中で企業が医療従事者との接点を持つ役割に期待している。どういう製品やサービスが役に立つのか、現場で医療従事者のご意見を伺っていきたい」(川島氏)
「PHILIPS Co-Creation Satelliteを設置する東北大学病院臨床研究推進センターは、医療現場の観察からニーズを収集し、開発テーマを絞り込む『バイオデザイン』の手法を用いた研究拠点の1つ」だと、同センターバイオデザイン副部門長の中川敦寛氏は説明する。バイオデザインとは、2001年にスタンフォード大学が開始した、医療機器イノベーションをけん引する人材を育成するプログラム。日本では大阪大学、東京大学、東北大学がスタンフォード大学とパートナーシップを締結し、社会人や学生向けの教育コースを提供している。開発の初期段階から事業化の視点を検証し、医療現場のニーズを出発点として問題の解決策を開発するのがこの手法の特徴だ。
フィリップス・ジャパン代表取締役社長 堤 浩幸氏は、東北大学のバイオデザイン手法や、金属をはじめとした材料科学、災害科学の研究実績といった強みを、デジタルヘルスサービスの開発に生かしたいという考えを示した。
堤氏はPHILIPS Co-Creation CenterとPHILIPS Co-Creation Satelliteを仙台市に設立する背景について、
- 東北大学および、東北大学 東北メディカル・メガバンク機構(被災地の健康復興を理念としたバイオバンク)が多くのデータを蓄積している
- 東北地域は、日本の他地域と比べて、高齢化による医療費の高騰や医師不足が大きな課題となっている
という2点を挙げ、特に後者は「世界的な医療問題の縮図になっている」と説明した。「仙台の事例から解決策を模索することで、イノベーションを起こせるはずだ」(堤氏)
2018年度のテーマは「口腔ケア」
中川氏は、PHILIPS Co-Creation Centerにおける今後の目標について「医療の質の向上とコスト削減を両立できるようなITビジネスプランを、いかに海外でローカライズし、スピーディーに展開するか」を挙げる。試作と評価を繰り返すアジャイル型開発スタイルの導入と、インドのバンガロールをはじめとした同社の海外研究拠点との連携で、研究開発のスピードアップを目指すという。
2018年度にフィリップスと東北大学が取り組むテーマは「口腔(こうくう)ケア」。PHILIPS Co-Creation Satelliteを拠点に、「口腔ケアによる慢性疾患の改善効果」などのデータを分析し、予防から治療までを視野に入れた行動変容を促す製品やサービスを模索する。2019年度以降は睡眠、食事、運動を中心としたテーマに取り組む計画だという。
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