ある中規模製造業者で本当にあった話
わが社がクラウドERPをやめた理由(2/2 ページ)
導入後のメリットにならない自動更新
一般に、クラウドの利点は自社でシステムを管理する必要がなくなることだ。特に、Dalsin Industriesのような中規模企業ではそれが長所になる。また、アップグレードのような仕事は自動的に対処される。だが、この機能はダルシン氏にとってはメリットではなかった。
ダルシン氏は次のように語る。「クラウドに関しては幾つか気に入らないことがあった。その1つは、自動アップグレードが実際に行われるまでそのことが伝えられないことだ。また、それがどのように行われるかも分からなかった。すぐに問い合わせして、直してもらわなければならない事態が何度か起きた。Plex側の作業でこちら側の何かが壊れ、利用できなくなったからだ。事前にテストすることは絶対にできなかった」
以前はVantage ERPシステムを熟知していた。そのため、新しいバージョンのEpicor ERPシステムへの移行は自然と適合したようだった。
ダルシン氏は「Plexを約2年間利用していた。その後、Epicorの『Epicor E10 ERP』の導入を始めた。Epicorとの協力を受けてコンサルタント招き入れた。というのも、当社ではVantage環境を把握していて、そのメニュー戦略をよく理解していたためだ」と話す。
Epicor E10 ERPは以前のVantage ERPシステムと似ていた。それでもわずか数年の間に、あるシステムから別のシステムに移行し、それからまた別のシステムへと移行することには課題があった。例えば、ダルシン氏はPlexで全てのユーザーをトレーニングした後に、オンプレミスの新しいEpicor E10 ERPシステムでユーザーを再トレーニングしなければならなかった。
「以前のシステムと同じ感触は残っていた。だが、社内の一部の従業員はVantage ERPシステムを使用した経験が全くなかった。そのため、作業現場にはデータ収集にMES(製造実行システム)画面を使用するのが初めてという従業員も多数いた。作業現場ではデータ収集端末だけを使用して、本格的なクライアントは使わなかった。作業現場に完全なシステムは必要ないと考えた」(ダルシン氏)
システムの更新に対する制御を取り戻す
ダルシン氏によると、オンプレミスに戻ったことで、システムの更新全体をより適切に制御できるようになったという。更新を有効にする前にテストプロセスを実行することもできる。
ダルシン氏は次のように語る。「現在、Epicor E10 ERPでは、更新する前に、移行予定のバージョンを仮想テストサイトに読み込んでいる。そこで見積もりから現金決済までを徹底的にテストする。また、さまざまな従業員を呼び寄せて各自のプロセスを行わせている。プロセス全体の手順を実行することで、全てが機能することを確認する。機能したら、BPM(ビジネスプロセス管理)ツールとコード、システム内のカスタマイズのみをテストすることが必要になる。それら全てが動作すること確認するためだ。最後に、使用している報告書を印刷し、全てが同じように表示され、何もかもが適切に動作していることを確かめる」
また、Epicor E10 ERPシステムでは一部の機能が大きく改善されている。
「Epicor E10 ERPで実行可能なダッシュボード内の『Business Activity Queries』機能を本当に気に入っている。好みに応じてデータを抽出し、必要なフィールドを取得できる。その後、取得したものをEpicor E10 ERPのいずれかのメニューや複数のメニューに追加できる。営業担当者と輸送担当者が同じものを必要としていても、両担当者は常に互いのメニューにアクセスできるわけではない。だが、両担当者からアクセス可能な別のメニューにそれを配置できれば、両者がこれらのダッシュボードを確認できる。その結果、それぞれの職務に合わせたより詳しい情報が得られる。そうなれば、各自の業務をさらに適切に行えるようになる」(ダルシン氏)
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