「ゼロタッチ登録」「Android Enterprise Recommended」も紹介
「Android 9 Pie」でも充実 Androidの仕事で使える最新機能
Googleはここ1年で、「Android」デバイスを企業で管理しやすくする多彩な機能を充実させてきた。「Android 9 Pie」の正式リリースを機に、IT担当者が知っておきたい機能を整理した。
モバイルOS「Android」搭載のデバイスを管理する企業は、さまざまな情報を追跡しなければならない。各種API(アプリケーションプログラミングインタフェース)やデプロイ(配備)シナリオ、アプリ管理、セキュリティアップデートの適用など、考慮すべきことが多数ある。
Androidの最新版である「Android 9 Pie」(開発版の名称は「Android P」)のリリースにより、企業がAndroidデバイスを管理するためのオプションが増えた。
Android 9 Pieの企業向け新機能
GoogleはAndroid 9 Pieに、企業や従業員がAndroidデバイスを使いやすくする機能を追加した。例えば「スライス」という機能は、検索画面からアプリの機能を素早く呼び出すことができる。業務関連アプリやデータの管理を支援する「仕事用プロファイル」関連のユーザーインタフェース(UI)も改良。アプリケーション一覧で、業務用と個人用のアプリを明確に分けて表示できるようにした。Android 9 Pieでは複数ユーザーによるデバイスの共有が可能で、管理者はアカウントごとにデバイスの利用範囲を制限できる。
Android 9 Pieでは、本人確認と認証に関連する新しいセキュリティ機能も加わった。「Android Protected Confirmation」という機能を利用すると、送金や医療用機器への接続などのトランザクションを、ハードウェアレベルでセキュリティを確保した実行環境「Trusted Execution Environment」(TEE)で実行できる。TEEにより、デバイスがマルウェア感染してもデータを保護できるようにする。
その他のセキュリティ機能として、バックグラウンドで動作しているアプリについては、デバイスのマイクやカメラ、その他のセンサーの利用を制限できるようにした。
「ゼロタッチ登録」でデバイス導入を容易に
2017年9月、Appleのデバイス導入支援プログラム「Device Enrollment Program」(DEP)と同様の機能が、Androidデバイス向けに登場した。「ゼロタッチ登録」というAndroidデバイス導入支援プログラムだ。これはVerizon WirelessやAT&Tなどの携帯通信事業者に加え、LG ElectronicsやHTC、Motorola MobilityなどのOEM(相手先ブランド生産)パートナーから購入したAndroidデバイスを対象とする。企業はゼロタッチ登録を利用すると、大量に購入するデバイスを簡単に管理できる。
ゼロタッチ登録は提供開始からまだ1年足らずだが、潜在的な問題を抱えている。同プログラムはさまざまな機種で利用できるが、サポート対象のOSバージョンは機種ごとにばらつきがあり、断片化の問題を招く可能性がある。一方でAppleのDEPは、古いバージョンを除く「iOS」搭載の全デバイスで利用でき、Appleからの直接購入したデバイスだけではなく、販売パートナー経由で購入したデバイスも追加できる。
Androidデバイスのセキュリティ機能強化
2018年2月、GoogleはAndroidデバイスを継続的に管理するための企業向けプログラム「Android Enterprise Recommended」の提供を開始した。このプログラムの適用を受けたデバイスには、購入から最低3年間、セキュリティアップデートがリリースから90日以内に提供される。
推奨デバイスはハードウェアの最小要件を満たす必要があり、「Android 7.0(Nougat)」以降を搭載していなければならない。要件を満たさないデバイスは、同プログラムから除外される。原稿執筆時点での推奨デバイスは「BlackBerry KEYone」「BlackBerry Motion」「Pixel」「Pixel XL」「Pixel 2」「Pixel 2 XL」などだ。
デバイス管理API「Android Management API」は現在まだβ版だが、Androidデバイスの管理に役立つ。エンタープライズモビリティー管理(EMM)ベンダー各社は、今後もそれぞれ独自のAPIを使っていくだろう。ただし小規模の企業ではいずれ、この新しいAPIをEMMの代わりに使えるようになるはずだ。
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