企業導入、ビジネス利用で考える
スマートフォンの1年間にかかる総コストは20万円以上? 企業の負担額を計算
企業で利用するモバイル端末のコストを正確に把握するには、さまざまな要素を考慮しなければならない。必要な要素を含めて正しい総所有コスト(TCO)を計算しよう。
企業のモバイル端末に掛かる総所有コスト(TCO)の計算は複雑だ。単に従業員1人当たりの料金を合計して算出できるものではない。
私物端末の業務利用(BYOD)でも、会社支給端末の私的利用を許可する場合でも(COPE)、企業で使用する多数のモバイル端末のTCOを計算するには、さまざまな要素を考えなければならない。通信事業者に支払う料金や、私物端末の使用者に支給する補助金、ハードウェア(スマートフォン、タブレット、ノートPC、アクセサリーなど)の購入費に加え、エンタープライズモビリティー管理(EMM)の費用や、端末を管理するIT担当、セキュリティ担当の人件費、モバイル端末対応ネットワーク費用などが関わってくる。
ロンドンのモバイルセキュリティ会社Wanderaによると、米国の組織が支出する従業員1人当たりのモバイル端末経費の平均は年間1840ドルだという。モバイルアプリケーション管理(MAM)や、本人確認と認証などのサービスも加えると、モバイル端末のTCOは従業員1人当たり2000ドルを超えるだろう。
持ち込みか、貸し出しか
モバイル端末のTCOを計算するには、まずモバイル端末自体のコストを確認する。モバイル端末のTCOは、BYODとCOPEのどちらを採用するかで変わる。BYODの場合、従業員は自分で端末を選ぶことができる。COPEの場合、従業員は会社が指定した端末から選ぶことができるが、端末は会社が所有する。
BYODでは、会社が端末の代金を支払う場合と、代金やデータプラン料金を補助する場合がある。企業が支給する補助金の標準的な金額は、従業員1人当たり月間50~75ドルだ。新しい端末に買い替える費用を数年おきに支給するのか、月々のデータプラン料金の一部を負担するのかも検討しなければならない。
COPEの場合は端末代金とデータプラン料金の両方を企業が支払う。この場合も従業員1人当たり月間50~75ドルだが、端末代金の支払いが終わる2年後には40~50ドルほどに下がる。長期的に見れば、COPEの方がモバイル端末のTCOは低くなることが多い。
その他の要素
EMMのコストも考える必要がある。EMMシステムの費用は、MAMやアナリティクスなどの新機能が加わったために、ここ数年で上昇した。EMMシステムを管理するIT管理者も必要になる。
従業員1人当たりのEMMプラットフォーム費用はオンプレミスで月間40~50ドル、クラウドで50~65ドルだ。オンプレミスの場合はこれ以外にサーバやメンテナンスの費用が必要になる。一般にクラウドの方がオンプレミスより経費が安くなるが、カスタマイズ性やセキュリティはオンプレミスの方が優れている。
生産性を高めるには、適切なEMMを導入し、最適なポリシーを整備する必要がある。COPEとBYODの変動的なコストによく注意して、どのようなポリシーが最適なのか定期的に見直す。IT担当者はサーバ、パッチ、アップデートを最新の状態に保たなければならない。ダウンタイムは隠れた出費の最大の原因となるので注意が必要だ。
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