全員にハイスペックPCを支給する必要はない
PCの寿命を限界まで延ばすコツ、やりくり上手なIT管理者なら実践している?
PCのライフサイクルを効果的に管理することで、高性能デバイスの支給を最小限に抑え、必要不可欠な場合にのみ購入して、コストを削減できる。PCライフサイクルを限界まで延ばすコツを紹介する。
PCのライフサイクルを延ばすほど、ハードウェアの費用対効果を高めることができる。
これは単純な算数だ。例えば、IT管理者がPCの使用期間を3年から5~7年に延ばせれば、そのデバイスからより多くの価値を引き出すことができ、買い替えの先送りによって費用も節約できる。
PCライフサイクルの長さを選択する際は、IT管理者は保証やサポートのオプションを調べなければならない。OEM(相手先ブランドによる生産)メーカーやサードパーティーメンテナンス(TPM)業者のサポートを購入することもできるが、そうしたプログラムは高くつくことがある。
IT管理者は、ユーザーによってニーズが異なることや、旧式のPCでは仕事にならないユーザーも中にはいることを念頭に置かなければならない。さらに、一部の古いマシンは、メモリの増強やプロセッサの高速化、HDDのアップグレードによってパワーアップしなければ、動かし続けることができない。
IT管理者は、PCの購入から一定期間が経過したら、サポートサービスを利用せず、自社で管理やメンテナンスをすることもできる。だが、その場合はリスクを抱えることになる。何事にも自力で対処しなければならないからだ。
サポートや保証を受けない期間が長くなるほど、IT管理者が抱えるリスクは大きくなる。PCはいずれ初期ほどの性能を発揮しなくなることも想定しておかなければならない。その場合、生産性を大きく損ねる恐れがある。
誰がどのデバイスを使うかをどう決めるか
全てのユーザーが新しいノートPCやデスクトップPCを必要とするわけではない。誰に新しいハードウェアを支給すべきか、誰なら古いデバイスでも差し支えないかを的確に判断すれば、IT部門はデスクトップPCとノートPCを最大限に活用できる。
優先順位の高いユーザー(役員や営業担当者など)は、信頼性が高く、リスクが最小のPCを必要とする。株主総会の最中に、CEOのPCでディスクドライブ障害が発生することは許されない。そのため、こうしたユーザーは新しいデバイスを使う必要があり、それらは厳密な買い替えサイクルに従わなければならない。
だが、優先順位の高くないユーザーは、保証が終了した古いPCでも仕事に支障はない。利用するサポートオプションも低コストなもので構わない。IT部門なら、優先順位の低いユーザーが生産性を維持できるように、メモリを増やしたり、ノートPCのHDDを新しいSSDに換装したり、といった対策ができる。
エンジニアは通常、パフォーマンスの高いハードウェアを必要とする。エンジニアが最新の技術についていけるように、エンジニア向けマシンは約3年ごとに買い替える必要がある。3年使用されたマシンは、事務スタッフなどのマシンとして転用するとよい。これらのユーザーが必要とする以上のパワーや性能を備えているからだ。
ここまでで肝心なのは、優先順位に従って新しいハードウェアを購入、支給し、各デバイスから最大限の価値を引き出すことで、新しいハードウェアの購入費用を浮かせて節約することだ。
PCライフサイクルの延ばし方
古いクライアントPCでも、HDDやCPU、メモリのスペックが十分であれば、仮想化ソフトウェアを実行でき(特に「Windows 7」や「Windows 10」マシンの場合)、開発用やトレーニングラボ用にサーバイメージをホストできる。メモリを少し追加し、ディスク容量を増やせば、マシンはまた便利に使えるようになる。通常は、こうした増強で費用を節約でき、追加予算を確保しなくても済む。
IT部門は、保証が終了してベンダーサポートが受けられなくても、「eBay」のようなWebサイトで交換部品を見つけることでそれなりの対処ができる。だが、ベンダー以外から部品を購入する場合、信頼できる部品が手に入るとは限らない。調達した新しい部品では、既存のソフトウェアやOSが対応していないかもしれない。
ハードウェアの購入では解決できない問題に直面することもある。そうした場合、企業はOEMやTPMのサポートを受けることを選択しなければならない。こうした企業のサービスも、マシンサポートに関する万能薬ではない。一般的に、レガシーデバイスはサポート対象外だからだ。それでも、こうしたサービスにより、IT部門ではお手上げとなるようなデバイスのライフサイクルを延ばすことが可能だ。
IT管理者は最終的に、ノートPCやデスクトップPCのライフサイクルの終了を見極める方法を知っていなければならない。実は、その方法はシンプルだ。交換部品やサポートのコストが法外な場合、あるいはハードウェアのパフォーマンスがユーザーの生産性を阻害する場合、そのPCに見切りを付ける時が来たと考えられる。障害発生率が高いPCや、サービスチケットの発行が頻繁に必要になるPCも、買い替えが必要だ。
サポートすべきか、しないべきか
IT部門は、どのPCライフサイクルオプションを選択するかにかかわらず、何らかのサポートプランを選択しなければならない。その選択は、IT予算や、企業にとって許容可能なリスクに左右される。
セルフメンテナンス
自前でサポートを提供できる場合、IT管理者はベンダーにサポート費用を支払わずに済む。一部のOEMが提供しているセルフメンテナンスプログラムは、部品を割引価格で販売するとともに、IT管理者が処理できない困難な問題については、技術サポートに直接問い合わせできるようになっている。これは一般的に、もともとサポート担当者を抱えている大企業のためのオプションだ。
ログ処理
このオプションは、必要に応じてサポートを依頼するもので、サポートコールに応じた従量課金制となっている。サポートコール当たりの単価は高いが、全体的には割安なサービスが少なくない。サービスを利用しなくても課金される月額固定料金が設定されていないからだ。
TPM
TPMでは、TPM業者が抱える高スキルの担当者がサポートを提供し、料金はOEMサポートと比べて格安だ。TPMは保証サービスを扱っていないことがある。TPMの利用が保証条件の違反と見なされる場合もある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[日本オラクル株式会社] ピンチをチャンスに変えたEPR製品は? 先行企業の導入事例3選 -
技術文書・技術解説
[日本オラクル株式会社] 無自覚なリスク 秘伝Excelファイルが監査の壁、不正・ミスの温床となる理由 -
製品資料
[日本オラクル株式会社] 戦略的経理の第一歩 失敗のない「脱Excel」を実現する秘訣とは? -
技術文書・技術解説
[日本オラクル株式会社] いまさら聞けないオンプレERPとクラウドERPの違い 最適な製品をどう見極める? -
事例
[株式会社ビザスク] 連結売上高が約2倍に成長、富士フイルムが実践した新規事業創出の戦略とは?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
3
「ノートPC派」は損をしている? Dellと考える“自作PC”のメリット
-
4
慶應義塾が「Notion」を選んだ理由 AI導入の盲点になる“情報のサイロ化”
-
5
「業務改善とツール活用」に関するアンケート
-
6
LINEヤフーはなぜ「社内の管理者」すら信用しないインフラを作ったのか
-
7
「企業内サーバ環境の利用実態」に関するアンケート
-
8
IT製品の導入に関するアンケート「PC&デバイス」編
-
9
「SIEMの利用」に関するアンケート
-
10
「ITインフラとデータ保護・バックアップ対策」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
2
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
3
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
4
バックアップは“取っているから大丈夫”なのか? ランサムウェア時代の備え方
-
5
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
6
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
7
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
8
5分で分かる Microsoft 365のデータ損失に備えるためのバックアップの仕組み
-
9
ネットワーク遅延の原因、「パケットロス」の基礎知識と効果的な解決策
-
10
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー