「サポート切れのまま使う」が有効になるケースも
「会社はなぜ新しいPCを買ってくれないのか」をライフサイクル管理の観点で考える
IT担当者はちょっとした工夫でデスクトップPCやノートPCを壊れるまで使い倒すことができる。また、特定の期間が経過した後、PCの使用を中止するライフサイクル管理計画を立てることも可能だ。
PC管理担当であるIT担当者であれば「新しい機種が出たからすぐ買い替える」が難しいのはよく分かっているだろう。限られた予算内でやりくりするため、本当に必要なものだけを買い替える判断しなければならない。そんなIT担当者には自社のPCライフサイクル管理方針の再検討をお勧めする。ここでいうライフサイクルとは端末購入から運用、廃棄に至るまでの一連の流れである。
さまざまな事例が集まるデスクトップPC管理者のコミュニティーであっても、PCライフサイクル管理方針にベストプラクティスがあるわけではない。だが、さまざまな考え方はあるものの、最終的には3つの選択肢に絞られる。
PCライフサイクル管理の選択肢
PCライフサイクル管理方針で重要なものの1つが、サポートに関する判断だ。サポートが切れる前に新しいPCを頻繁に新規購入するか、古いPCのサポートを継続するかだ。他にもIT担当者は「PCのサポート期間をどのくらいにするか」「費用をかけて外部からのサポートを受けるか否か」についても判断する必要がある。
対策を決定する場合、気を付けておきたいことがある。ハードウェアは大抵、製品の寿命の中で最初の1~2年に故障することが多いということだ。サポートは、PC購入から長くたってからではなく、使い始めの数年間を対象にすることが大切だ。時代遅れに思えるかもしれないが、全ての不具合は最初の数年で発生し、解決する。PCは時間の経過とともに信頼できるようになる。
費用面でいえばIT担当者は、製品開発元からサポートを購入するよりもサードパーティーのメンテナンス業者からサポートを購入すると費用を大幅に節減できる。
サポートの利用方法は幾つかある。
製品保証を適切な期間にする
IT担当者は各社で定めるライフサイクルに必要な期間の製品保証を購入できる。例えば、3年間のライフサイクルという方針なら、3年間の製品保証を購入し、保証期間が終わったらPCの使用を中止し、新しいPCを購入することになる。さらに古いPCをリサイクル業者に販売すれば、収益を得られるだろう。
この選択肢では、全てのPCにサポートが保証される。サポート期間終了後に、特別料金が必要になる延長製品保証サポートを追加で契約をしなくて済む。しかし、IT担当者はライフサイクルが終了するたびに新しいPCを購入することが必要になるため、長い目で見ると高い費用がかかりそうだ。
製品保証期間が終わった後、延長サポートを購入する
例えば、IT担当者は3年間の製品保証を購入し、その後、2年間のサポートを追加し、PCを5年のライフサイクルにできる。このサポートは前述の「製品保証を適切な期間にする」より高価になるが、PCを長く使える。
製品保証期間後はサポートなしで使う
このケースでは、IT担当者はPCを壊れるまで利用する。3年間の製品保証期間後はサポートを受けないようにすると、費用を大幅に節減できるが、それにはリスクが伴う。PCのサポートがない状況で壊れると、IT担当者が自分でその問題を解決する方法を見つける必要がある。
修理が遅れると、ユーザーの生産性が失われることにつながりかねない。IT担当者がユーザーに別のPCを購入しても、設定や全てのファイルを移し替えるには時間がかかる。PCのファイルを復旧し、ユーザーが作業できる状態に戻すために、すぐに利用できる別のPCを用意しておけばこれらの問題を緩和できる。IT担当者はその後、壊れたPCを修理し、今後にすぐに使える予備のPCにする。
IT担当者はPCの別の目的での利用を検討できる。例えば、PCをシンクライアント(処理のほとんどを端末ではなくサーバに実施させるシステム)に変更してその寿命を延長する、などだ。
ライフサイクルとサポート期間の構想を練る
IT担当者はライフサイクルを各自が望む長さに変えられる。幅広い選択肢とサポート方法を組み合わせて最適化ができる。
繰り返しになるが、IT担当者は必要な製品保証サポートや追加の製品保証延長サポートの利用を考慮しつつ、ライフサイクルの計画を立てることことをお勧めする。ただ、これはデスクトップPCやノートPCのライフサイクル計画に限った話だ。サーバについては、IT担当者が自力でサポートすることは現実的に難しいため、常に外部からのサポートを受けられる計画にすべきだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
技術文書・技術解説
[Jamf Japan 合同会社] MDMだけでモバイルセキュリティは十分? 不足する対策を16項目でチェック -
事例
[Wrike Japan 株式会社] 世界的な家電メーカーが実践する「クリエイティブプロセス効率化」の方法とは? -
事例
[Wrike Japan 株式会社] 世界的テクノロジー企業に学ぶ、プロセス標準化とプロジェクト納品自動化の秘訣 -
事例
[Wrike Japan 株式会社] ソニー・ピクチャーズ テレビジョンに学ぶ、次世代サービスデリバリーのヒント -
事例
[Wrike Japan 株式会社] ソミック石川に学ぶ、ICT浸透後に直面した「工数管理」の課題と解決策
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
2
「企業内サーバ環境の利用実態」に関するアンケート
-
3
AI全部入り「Microsoft 365 E7」に企業が二の足を踏む訳 移行意向はわずか4%
-
4
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
-
5
エンジニアが選考を辞退する本当の理由 7割が隠す“面接の違和感”とは
-
6
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
7
【基本情報技術者試験】「デュプレックスシステム」と「デュアルシステム」の違いは?
-
8
「AI活用を前提とした業務PCへの移行」に関するアンケート
-
9
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
10
AWS障害でも補償ゼロの衝撃 サイバー保険で情シスが見落とす「細則の壁」
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
生成AIのハルシネーションを防止 回答精度を高めるセマンティックレイヤーとは
-
2
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
3
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
4
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
マンガで解説:「ゼロトラスト」「SASE」の必要性とメリット
-
7
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
8
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
-
9
国税庁の次世代基幹システム「KSK2」稼働開始に向けて、対応すべき変更点とは?
-
10
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー