徹底比較:「Surface Pro 4」vs.「MacBook」、最高の持ち運び用PCを決めるコストパフォーマンスが良いのはどちら?(1/3 ページ)

処理能力と持ち運びやすさを兼ね備えた「Surface Pro 4」と、スペックとデザイン性に優れた2016年モデルの「MacBook」。ビジネスユーザーにとって、どちらが優れたデバイスなのかを徹底比較する。

2016年07月03日 07時00分 公開
[Jamison CushTechTarget]

 Microsoftの「Surface Pro 4」とAppleの2016年モデルの「MacBook」は、両方が最高のデバイスだといえるだろうか。Surface Pro 4については、処理能力と持ち運びやすさを兼ね備えた、市場で最高のハードウェアだと評価されている。一方、2016年モデルのMacBookは、スペックに優れ、ワールドクラスの造りとデザインを備えている。

 いずれも価格は高い。2016年モデルのMacBookは、Appleの「プレミアムアラス」の性能を持ち、本稿執筆時点での価格は1299ドル(日本での販売価格は14万8800円《税別、以下同》)だ。Surface Pro 4は899ドル(12万4800円)からで、Microsoftのキーボード「Type Cover」を追加すると150ドル(1万6400円)または150ドル(2万480円)(指紋認証センサーの有無で価格が異なる)を上乗せされる。

 それぞれのOSを搭載したPCの中でも、これらが最高の持ち運び用PCであることはほぼ間違いない。また、いざというときには簡単に日常的に使うこともできる。しかし、資金が限られる潜在購入層は、この2つのどちらかを選ばなければならない。では、Surface Pro 4と2016年モデルのMacBook、選ぶべきはどちらだろうか。

構造とデザイン

 Intelの「Core M」プロセッサを搭載したこれまでのMacBookは、非常に軽く、信じられないほど薄いと評価されてきた。それでは、2016年モデルのMacBookでさらに指摘できる点は何だろうか。

2016年モデルのMacBookは構造的に優れている

 本体からカバーからキーボード、タッチパッド、ディスプレイ、ヒンジに至るまで、その全てがシームレスに一体化しており、人目を引くクライアントPCになっている。感触も素晴らしく、全体的に強固で、目立った弱点は見当たらない。触り心地がひんやりとしているのは、指紋や汚れ、細かいすり傷を寄せ付けないアルミニウム製の本体のおかげだ。寸法は28.05×19.65×0.35〜1.31センチ(幅×奥行き×高さ)で、重量は920グラムだ。

 ユーザーが片手で簡単に開くことができる数少ないノートPCの1つでもある。これは、ささいだが重要な点で、Apple製品を特徴付けるポイントだ。

 Surface Pro 4は、レビューしたのは同じCore Mプロセッサを搭載したファンレスのモデルだった。ただし、Surface Pro 4にはさまざまなIntelの「Core i」プロセッサ構成が用意されている。つまり、必要かどうかにかかわらず、Surface Pro 4にはファンを組み込む空間が用意されているということだ。その空間を削ったらSurface Pro 4のCore Mモデルがどれくらい薄くなるかについては、Samsungの「Galaxy TabPro S」を参考にしてほしい。

 ファンの有無にかかわらず、Surface Pro 4が最高のタブレットであることに変わりはない。Surface Pro 4本体の寸法は、292.1ミリ(幅)×201.4ミリ(高さ)×8.4ミリ(厚さ)で、重量は約766グラム(米Intelのプロセッサ「Core m3」搭載モデル)または約786グラム(「Core i5」「Core i7」モデル)だ。Type Coverを取り付けると、高さが49ミリ、重量が295グラムプラスされる。

Surface Pro 4のキックスタンドは最高のデザイン革新の1つ

 これまでにリリースされた全てのSurfaceシリーズと同様、Surface Pro 4は非常に堅牢な作りになっている。米TechTargetは、Windowsデバイス市場ではSurfaceのハードウェアに勝るものはないと一貫して主張してきたが、その認識は今も変わらない。Surface Pro 4は、以前の機種と同様にマグネシウム合金構造を採用する。感触は頑丈で曲がることはない。われわれがオフィスで使用しているSurfaceシリーズの旧型機は、乱雑に扱うことが度々あっても耐え抜いてきた。そこから判断すると、Surface Pro 4も日常的に使用する中で生じる問題は、難なく乗り越えられると断言できる。

 さらに、Surface Pro 4にはSurface Pro 3までと同じ素晴らしいキックスタンドが付いている。このキックスタンドは依然、この5年間における最高のデザイン革新の1つであるといえる。また、Surface Pro 4では新しく左端にMicrosoftのスタイラスペン「Surfaceペン」用のマグネット式着脱部が用意されている。

まとめ

 MacBook 2016年モデルとSurface Pro 4の比較はリンゴとオレンジを比較するようなものだ。2016年モデルのMacBookが純粋なノートPCであるのに対し、Surface Pro 4は別売りのキーボードカバーを使えば2-in-1にもなるタブレットである。Type Coverを使ったとしても、ノートPCのハードウェアとしては2016年モデルのMacBookの方が上だ。それは特にヒンジ部分にはっきりと現れている。意外なコメントだろうが、MacBookを開閉すると、ヒンジに堅牢性と完璧な抵抗感があり、品質が高いことが分かる。


端子と入力

 2016年モデルのMacBookには入力端子が2つしかない。充電とデータ転送の両方に使用するUSB Type-C入力端子が1つと、3.5ミリオーディオ入力端子だ。USB Type-C入力端子は「Thunderbolt」には対応していない。

2016年モデルのMacBookはUSB Type-C入力端子を1つ搭載している

 Surface Pro 4にはフルサイズのUSB 3.0入力端子、Mini DisplayPort、専用の充電端子、microSDカードスロット、Type Cover用のスマート接続端子がある。

Surface Pro 4には一通りの端子がそろっている

まとめ

 端子は違いがはっきりとしている。Surface Pro 4は入力端子のラインアップが充実しており、端子面では優れた製品といえる。2016年モデルのMacBookについては、USB Type-C入力端子が1つしかないのが大きなマイナスポイントだ。


 確かに、USB Type-Cは今後の標準となる端子であり、Surface Pro 4に搭載されるべきものである(USB標準の過渡期には、全てのプレミアム製品が両方のUSB端子を搭載すべきだ)。しかし、USB Type-Cアクセサリー、特に拡張ハブには必要以上に高価格が設定されている。Surface Pro 4には追加のUSB入力端子やイーサネット端子をAmazonの送料よりも安い費用で用意できる。しかし、2016年モデルのMacBookの場合、端子を追加するには80ドル(9500円)以上もの費用を掛けなければならない。この費用の差の一因は、サードパーティー製のApple用アクセサリーには常に細心の注意が必要なので、Apple純正アクセサリーを買わなくてはならないためだ。一方、Microsoftの「Windows 10」用のUSBアクセサリーは豊富で、全般的に信頼性が高く、安く手に入れることができる。

 また、リムーバブルストレージの重要性も軽視しないようにしたい。写真を保存するニーズのほとんどはクラウドで対応できるが、クラウドはあらゆる場所から利用できるわけではない。Surface Pro 4でmicroSDカードや安価なSD/USBアダプターを使用してデジタルカメラから写真を取り込んで編集、保存するほうが、2016年モデルのMacBookで同じことをするよりもはるかに簡単で安上がりだ。

ディスプレイ

Surface Pro 4のディスプレイは映り込みを抑えた素晴らしいもの

 Surface Pro 4のPixelSense LEDディスプレイは、対角線サイズが12.3インチで、解像度は2736×1824ピクセル。アスペクト比は3対2で267ppiとなっている。10点マルチタッチに対応し、N-trigベースのSurfaceペンをサポートしている。表面はCorningの「Gorilla Glass 4」で覆われており、映り込みがしっかりと抑えられている。色は正確でコントラストがはっきりしており非常に見やすい。市場で最高のディスプレイといえるだろう。

 2016年モデルのMacBookのディスプレイも悪くはない。12インチのIPSパネルで、解像度は2304×1440ピクセル。アスペクト比は16対10で226ppiだ。色は暖色寄りになる傾向がある。鮮明なディティールは印象的で、コントラストもはっきりしている。ディスプレイも映り込みが非常によく抑えられている。

 これまでのMacBookシリーズと同様、2016年モデルのMacBookもディスプレイはタッチには対応していない。

まとめ

 ディスプレイについては、Surface Pro 4の方が優れている。並べて比較すると、Surface Pro 4の方が鮮明で、画像や色の再現性もわずかに上だ。他の映り込みの少なさやコントラストの点については同程度だ。


 タッチスクリーンがないために2016年モデルのMacBookの評価は低くなっている。2016年モデルのMacBookのレビューでは、次のように評価した。

 Appleの「Mac OS X El Capitan」がMicrosoftの「Windows 10」ほどには、タッチ操作向きではないとはいえ、タッチスクリーンが搭載されていない点は相変わらずのマイナス材料だ。タッチ機能は、今日のデバイス操作において欠かせないものになっている。AppleがMacBookにタッチ操作の導入を渋っているのは不可解だ。

 また、Surface Pro 4はSurfaceペンを利用できるのもプラスに評価できる。スタイラスペンはデジタルアーティストにとって必須アイテムだ。初心者でも、Microsoftの「Cortana」や「OneNote」をすぐに起動できたり、メモを走り書きしたりするのに便利だと思うだろう。

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