散在する知的資産をどうAIに読み込ませるか

慶應義塾が「Notion」を選んだ理由 AI導入の盲点になる“情報のサイロ化”

AIツールを一括導入しても、組織内のデータが各所に分散した状態では文脈を参照できない。約1.1万人に「Notion」と「Notion AI」を展開した慶應義塾の事例から、情報集約システムの選定と運用の勘所を解き明かす。

 企業の生産性向上の切り札として、AIツールを全社導入する動きが加速している。しかし単純にAIツールのアカウントを配布するだけでは、期待したような業務効率化は実現しない。「自社の業務に沿った回答が出ない」「一部のリテラシーが高い従業員しか使いこなせない」といった課題に直面するからだ。

 非常勤を含む全教職員約1万1000人を抱える慶應義塾も、AI活用に向けたシステム構成の課題を抱えていた。同校には大学運営に関する規定や文書、研究記録といった膨大な知的資産が蓄積されている一方で、それらが個人の手元や部署ごとのシステムに分散していたからだ。AIツールが組織独自のコンテキスト(文脈)を参照できない状態のままでは、人とAIの協働は成り立たない。

 AIツールの価値を最大化するためには、AIツールが組織内のルールや過去の経緯といったコンテキストを正しく読み取れるシステム構成が不可欠だ。どれほど優秀なAIツールでも、参照元となるデータがサイロ化されたままでは、実務に即したアウトプットは生成できない。

 そこで慶應義塾は、単にAIツールを教職員に配布するのではなく、168年にわたって蓄積した資産や日々の業務情報を集約し、AIツールが参照できる「信頼できるコンテキスト」を組織として整備する道を選んだ。どのような手法を採用したのか。

「AIを配るだけ」の運用に潜むリスクと、見落としがちな情報のサイロ化

印刷する
SNSでシェア

この記事の著者

関連記事

新着ホワイトペーパー PR

こんなメディアも見られています

TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。

無料会員登録
最新情報をいち早くチェック!

IT導入や運用管理に関する技術資料やレポートが閲覧でき、興味や必要性に合致した情報を、的確かつ迅速に入手できます

いますぐ無料会員登録

ベンダーコンテンツ PR

From Informa TechTarget

アクセスランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

ホワイトペーパーランキング PR

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

TechTargetジャパン SNS

X @techtarget_itmをフォロー

インフォメーション

TechTargetジャパンをフォロー

TechTargetジャパンについて