データ分析プロセスや人事情報システムの整備が急務
HRテクノロジー活用を考える人が目指すべき9つの役職
人材管理はテクノロジーの発展とともに進化し、複雑化している。人事部門とIT部門の新しい仕事には、アナリティクスの活用やHRシステムの管理も含まれる。人事戦略の実行や人事データ活用に必要な9つの役職とは。
ビジネスが複雑さを増し、人材管理テクノロジーが急増している。この状況を背景に、2018年の人事の役割は2017年よりもはるかに多様化している。
現代の人事部門には、人事戦略の策定/実行や従業員データの管理など、さまざまな役割がある。企業全体の人事プロセスを支援する役割もある。人事情報システム(HRIS)など、人事ソフトウェアの導入と運用を担当する場合もある。
最新のクラウドHR(人事)システムは、従業員ライフサイクル全体にわたり非常に多彩な機能を提供する。人事管理やモバイルHRテクノロジーの保守、管理機能もその一つだ。具体的には、人材管理の自動化、コンプライアンス、分析、予測に関する機能がこれまでを上回る規模で実現している。
クラウドHRシステムで、人事部、HRISチーム、IT専門家は、システムの構成、管理、更新、新機能の追加に対する実行力が向上している。そのため外部のコンサルタントやコストが高くつくリソースを必要としない。簡単に統合したシステムを構築できるため、社内への自動化の提供や保守が可能になる。
その結果、従来の人事部やIT部門の役割が変わり、これらの新しいプロセスやシステムを運用する方向へと進化している。新しい役割は、技術的性質がそれほど強くないシステムをサポートすることと、人事部の日常業務を組み合わせるハイブリッドなものへと進化している過程にある。しかし各組織の性質によって、厳密にはどのような役割が存在し、それらの役割がどのように定義されているかは異なる。
新しい人事の役割には、人事アナリティクスの管理、コラボレーション、従業員エンゲージメントの取り組みなどがある。これら全ての役割は、テクノロジーと密接に関係する。
こうした役割の一部と、新しい役割が組織に及ぼし得る影響を見ていこう。
1.CHRO
人事部の責任者である最高人事責任者(CHRO)は人事戦略を策定/実行し、その戦略を全社の目的や目標に合わせることへの責任を持つ。成熟度の高い組織では、CHROは基本要素をカバーできる中核的な人事ソフトウェアシステムの導入権限があることを意味する。基本要素には、マスターデータ管理、従業員の給与支払いなどがある。同時にキャリア育成活動、トレーニング、コンプライアンス、採用活動、新人研修、後継者計画などの追加領域のサポートも提供する。
CHROの戦略にはこれまで以上にテクノロジーが重要な役割を果たす。戦略と実現のギャップをテクノロジーで埋める方法を理解することが、全社目標を達成する上で欠かせない。
2.人事ディレクター
人事ディレクターは、CHROのビジョンと戦略の実行に責任を負う傾向がある。それぞれのビジネス分野で日常の人事業務をすることへの全社的な責任もある。人事ディレクターは本社と各支社に配置され、雇用、報酬、福利厚生などさまざまな職務を担う可能性がある。人事ディレクターは戦略とその実行方法を理解する。そして人事部のスタッフを雇用し、戦略の実行を補佐するようスタッフに指示する。
3. 人事マネジャー
人事マネジャーは一般に、人事部の日常業務を運営するほか、人事ディレクターの業務を補佐する。人事マネジャーは各自のチームの指導や監督をすることで、人事のビジョンや戦略を実行可能にする。人事部の日常業務をする人事専門家で構成されたチームの管理もする。
4.人事専門家
人事専門家は人事担当者とも呼ばれる。人事に関する日常業務を担当することが多い。人事専門家は目標設定の管理、勤務評価サイクルや報酬サイクルの運用、人事報告書の作成などのタスクに重点を置く。一般的に他の人事の役割に比べてHRISチームとやりとりすることが多い。
人事専門家はゼネラリストとして人事の全分野を担当することもあれば、特定の分野を引き受けることもある。例えば報酬と福利厚生、トレーニングとキャリア育成、ソーシャルコラボレーション、採用活動と新人研修、従業員エンゲージメントなどだ。人事専門家の肩書や職務は企業ごとに異なる。
5.人事ビジネスパートナー
人事ビジネスパートナーは、本社の人事部と分散したビジネス部門の運営管理をつなぐ。一般的に人事ビジネスパートナーは場所、部門、事業形態などにより、本社の管理が行き届きにくい領域に割り当てられる。人事サービスをこれらの集団に提供することで、人事業務や管理を補助する。
人事ビジネスパートナーは人事部の使者として、局所的なレベルでの戦略導入を支援することもある。局所的な人材管理や変革の推進という役割を通し、企業全体の人事戦略を後押しする。
6.ピープルデータアナリスト/データサイエンティスト
ピープルデータアナリスト(People Data Analyst)は多くの肩書を持つ比較的新しい役割で、人事部でのピープルアナリティクスの管理を担当する。データサイエンティストとも呼ばれるが、人事部ではこの肩書はすぐに消滅した。ピープルデータアナリストは、分析戦略の定義、指標の作成、データの解釈を担当し、上司である人事部の責任者に有意義な洞察を提供する。人事部で適切なデータポイントに基づいて決断するには、この役割が不可欠だ。このような判断によって、人事部で新しいプロセスや手法を開発することが後押しされる可能性がある。
7.HRISディレクター
HRISディレクターは通常、人事ソフトウェアシステムを管理し、システムの活用に関する戦略を推進する。HRISディレクターはCHROや人事ディレクターと連携して業務を行うのが一般的だ。この役割ではHRISを最大限活用し、その機能を継続的に最適化することが重視される。この職務によって人事部とビジネス部門のプロセスを補助する。HRISディレクターは大抵、HRISチームを運営する。このチームはIT部門と人事部のどちらか一方、または両方の補助的な役割を務める場合がある。
8.HRIS管理者
HRISチームには1人以上のHRIS管理者がいることがある。HRIS管理者はHRISの日常業務を管理し、管理作業に注力する。例えば停滞状態のワークフローの追跡、データの整合性の確保、必要に応じた更新の実行などだ。HRIS管理者は人事専門家と連携することが多い。ただし組織によっては、人事専門家が役割の一環としてHRIS管理者も務める。
9.ビジネスアナリスト
ビジネスアナリストの役割は、ビジネス部門の業務分析や、人事チームとHRISチームに対するアドバイスの提供が中心になる。ビジネスアナリストの業務は、これらのチームが下す決断に影響する。具体的には、HRISを始めとした既存のプロセスの変更方法や管理方法についての決断に関わる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
4
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
5
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
6
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
-
7
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
8
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
9
LLMの「過学習」、正しく説明している文章はどれ?
-
10
レガシー基幹システムをSAPに統合 山善が突き止めた「標準化と個別最適」の境界線
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー