新規格WPA3で実現するセキュリティとは
Wi-Fiにありがちな11のセキュリティリスク
Wi-Fiは生産性に恩恵をもたらす半面、深刻なセキュリティ問題を発生させる恐れもある。企業がワイヤレスに関するセキュリティ問題を発見し、対策を強化するためにはどうすればいいのか。
ワイヤレスのセキュリティリスクは、ネットワーク全体の安全性や耐久性に関わる。過度の不安のあまり、一切の無線LANの使用禁止を勧告するITやセキュリティのプロフェッショナルさえ見受けられる。
ほとんどの企業にとっては問題にならないような、ニッチなセキュリティ脆弱(ぜいじゃく)性に対して騒ぎ立てる人たちもいる。いずれにしても、対策を講じるチャンスがあるのに何もしないという考え方には賛成しない。
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Wi-fiの新規格、WPA3とは
無線LANを利用するときのセキュリティ対策
ワイヤレスのセキュリティリスク
あなたは自分の会社に関連したワイヤレス通信のセキュリティリスクのことを十分に理解できているだろうか。セキュリティの脆弱性を検証して侵入テストをするという自分の仕事の中で、私は不必要なビジネスリスクを生じさせる下記のようなワイヤレス関連の不手際を何度も目にしてきた。
- パッチの管理がされていないアクセスポイント(AP)とルーターが、ユーザーと外部の攻撃者の両方によって悪用される脆弱性となりかねない。無線LANのセキュリティプロトコル「WPA2」の脆弱性「KRACK」が残っているシステムも数多い。
- 監視されていないワイヤレスネットワークは、マルウェア感染やデータ流出といった大きなセキュリティリスクを引き起こすかもしれない。
- ワイヤレスネットワークの周波数を把握していないと、管理の不備が生じ、ワイヤレス信号が社外に露呈しかねない。無線周波数を知ることは、周辺にある新しいワイヤレスデバイス(ホストやAP)についてIT部門やセキュリティ担当者に警告する助けにもなる。
- 「WPA」や「WEP」のような旧式のセキュリティプロトコルは、簡単に悪用される恐れがある。
- コンシューマー向けのワイヤレスルーターで「WPS」が無効になっている場合、攻撃者がWPS PINコードをクラッキングして、WPA暗号鍵を入手できてしまう危険がある。
- Wi-Fiを対象としないネットワークアクセスコントロールは、誤った安心感を持たせることにつながりかねない。認証を受けず、セキュリティ対策に不備のあるデバイスがネットワークの内部に入り込む恐れがある。
- ゲスト用のネットワークではWebコンテンツフィルタリングが導入されていないと、マルウェア感染のリスクが増大する可能性がある。
- ゲスト用無線LANから社内ネットワークサブネットへアクセスできてしまう場合、有線ネットワークと無線ネットワークを隔てるネットワーク分離に不備のあることが考えられる。
- 重要なビジネスシステムが、RC4やトリプルDES、TLS 1.0、SSL 2.0のように脆弱な暗号やプロトコルを実装していると、セキュリティリスクにさらされる。
- ワイヤレスネットワークに対してインシデントや不正侵入が起きた場合、防御不可能なセキュリティホールが残る可能性がある。
- WPA2は、現在ワイヤレスネットワークに実装されている最も一般的なセキュリティプロトコルだが、辞書攻撃に対する脆弱性がある(ただし、十分な長さをもつ複雑なパスフレーズや鍵を使っている企業は、このリスクを最低限に抑えることができる)。
既知のセキュリティリスクが存在していて、そのリスクを抑えるための対策があるのなら、その対策をしない理由があるだろうか。脆弱性検査と侵入テストも1つの選択肢だが、その作業が全くされていないこともある。しかし自分が認識していないものに対するセキュリティ対策は不可能だ。
WPA3で防止するワイヤレスセキュリティの弱点
新しく登場するワイヤレスセキュリティ標準の「WPA3」は、以下のような機能を通じて現在のWi-Fiの弱点を補う一助となり得る。
- 新しい鍵交換プロトコル:辞書攻撃を実質的に排除する。
- Perfect Forward Secrecy:攻撃者によって過去に傍受されたトラフィックがクラッキングされる事態を防止する。
- Wi-Fi Easy Connect:かつてWPSによって処理されていたワイヤレス接続プロセスをシンプル化し、セキュリティを強化する。
- 日和見暗号化:認証されていない、あるいはオープンなサービスセット識別子接続を保護する。
最も大切なのは、自分のワイヤレスエコシステムの中にセキュリティホールが存在するという認識だ。自宅や外出先などで無作為のホットスポットにアクセスするユーザーがいる場合、その可能性はさらに大きい。たとえ上記の脆弱性を全て排除し、WPA3を実装したとしても、何者かが正規のAPを装う「悪魔の双子(Evil Twins)」の脆弱性にさらされる恐れはある。これはWi-Fiが導入された当初から存在していた。悪魔の双子攻撃は、ネットワークシステムや情報に被害をもたらすばかりか、発生していてもそれに気付かない可能性が大きい。悪魔の双子攻撃は、大手ネットワークベンダーの多くが提供するワイヤレス侵入防止システムを使って緩和できる。ただしそうしたシステムは、外出先のモバイルユーザーまでは守ってくれない。
ワイヤレスに関するセキュリティリスクが低減するという保証はないものの、下記のようなユーザー研修は大きな効果がある。
- ユーザーに対し、脆弱性のあるワイヤレス環境に接続すればどんな事態が起こり得るか、そしてどんな事態が実際に起きたかを説明する。
- VPNの利用を奨励する。
- できる限り信頼できるワイヤレスネットワークのみに接続するよう促す。
- エンドポイントセキュリティコントロール、特にファイアウォールとマルウェア対策ソフトウェアは無効にしてはいけないと説く。
WPA3に内在するWi-Fiセキュリティ対策や、それに続くワイヤレスセキュリティプロトコルがどれだけ豊富でも、ワイヤレスを実装する際の不備や見過ごしを相殺することはできない。ワイヤレスとモバイルセキュリティに対してスマートなアプローチを取れば、ユーザーが求めるコンピューティングの自由を保証しながら、会社の資産を保護できる。既知のワイヤレスの脆弱性を無視すれば、容赦ないリスクに自ら身をさらすことになり、1つ間違えば防御が難しくなる。
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