失敗しない「学校IT製品」の選び方:不正侵入対策編【後編】
「無線LAN」が学校のセキュリティ対策を台無しにする“真犯人”だった?(1/3 ページ)
教育機関のシステムやネットワークも攻撃者の標的になり得ることは、昨今の不正侵入事件を見れば明らかだ。そのような事態に対処するために、教育機関はどのような対策を講じればよいのか。具体策を説明する。
絶対に破られないセキュリティ対策は存在しない
どんなに高い壁があっても、強固な鍵と錠があっても、どんなに強固なセキュリティ対策を施しても、それらはある意味では気休めのようなものかもしれない。なぜなら攻撃者は、思ってもいない方法やルートを見つけて攻撃を仕掛けるからだ。
2011年に国内の防衛産業で判明した、機密情報を狙ったとみられるサイバー攻撃を発端に、特定組織を狙った「標的型攻撃」と呼ばれる攻撃手法と、その脅威が一般に広まった。防衛産業の機密情報とは、すなわち国家機密だ。こうした機密情報を扱う企業であれば、一般の企業や教育機関とは比較にならないコストと人材を投入し、高度なセキュリティ対策を実施していると考えられる。
だが攻撃者は、そのさらに上を行ったとみられる。強固だったはずの防御対策を回避してマルウェア感染を広げ、情報を外部に持ち出した可能性があるのだ。この例からは、どんなに強固なセキュリティ対策を施しても、事故を未然に防ぐことはできないことが分かる。攻撃やその被害を完全に防ぐことは、そもそも不可能なのだ。これは防衛産業だけでなく、一般企業や教育機関にもそのまま当てはまる。
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「事故は必ず起こる」ことを前提とした対策の必要性
こうした中で、教育機関はセキュリティ対策をどう進めるべきなのか。ポイントは、「事故は必ず起こる」ことを前提として、セキュリティが保たれているかどうかを確認する仕組みと、事故発生時に迅速に対処できる仕組みを事前に作っておくことだ(図1)。構築したセキュリティ対策がきちんと機能していること、つまりセキュリティが保たれていることを把握することが何よりも重要になる。
事故が起こることを前提とするならば、起こったときの対処方法を事前に準備するのが当然の流れだ。攻撃者にいくら高度なハッキング技術があったとしても、一足飛びに標的の情報に到達できることはまずない。なぜなら、攻撃者はどこに大事な情報があるかなどは事前に知ることが難しいからだ。
防御側がある程度のセキュリティ対策をしていれば、攻撃者が目的を達成するまでに一定の時間がかかる。そこが防御側の狙い目になる。外部からの不正侵入があった時点で発見して対処することで、攻撃者の意図を未然に防ぐことは、十分可能なはずだ。
学校にもCSIRTやSOCが有効
こうした仕組みを担うチームとして組織内に構築が進みつつあるのが、「SOC」(セキュリティオペレーションセンター)や「CSIRT」(コンピュータセキュリティ・インシデントレスポンスチーム)だ。SOCはシステムやネットワークのログからセキュリティ事故を早期に発見し、CSIRTはセキュリティ事故に直接対処する。CSIRTが組織内にあれば、万が一の事故の際にも社内のSOCだけでなく、外部のセキュリティの専門家が運営するSOCやCSIRTと連携して対処できる。ベンダーが提供するIT製品の脆弱(ぜいじゃく)性情報や公的機関の注意喚起に合わせた対策が、より迅速に打てるようになるのだ。
セキュリティの専門家ではない教員や教育委員会の職員などが、こうした一連のセキュリティ対策をすぐにできるかというと、それは難しいだろう。攻撃者の不正侵入の予兆を初期段階で検知するのは、かなり特殊なセキュリティ分野の技能が必要であり、一朝一夕に身につくものではない。
現実的な解決策となるのが、外部のセキュリティ専門家に対策の一部を委託することだ。システムを構築して運用するベンダーとは別に、セキュリティ専門のベンダーに依頼することで、効率的かつ効果的にセキュリティ対策を進めることができる。
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失敗しない「学校IT製品」の選び方
教育機関がIT製品を導入する際、どのような点に気を付けて製品選定を進めればよいのか。製品分野の基礎知識をおさらいしつつ、製品選びのポイントを伝授する。
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