置き換えを重視するかコストを重視するか
HCIと従来型サーバはどちらが良い? ポイントは「公平な組み合わせ」
HCIと従来型のラックサーバはどちらも、データセンターの展開にメリットがある。だが、どちらの設定が簡単かを考えるには計画と準備が必要だ。
HCIの真価は運用作業の簡素化にある。HCIは、クラスタ化した内部ストレージを使うため、SAN(ストレージエリアネットワーク)を必要としない。ディスクのグループ化やRAID構成、ファイバーチャネルのネットワークからも解放される。そのため、仮想化プラットフォームへの移行が容易になる。
これはHCIに限ったことではない。実は従来型のハードウェアでも、設定や自動化を組み合わせることでHCIのメリットを一部実現できる。
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ハイパーコンバージェンスと従来型設定の比較
ITマーケティングでよくある間違いは、新製品と、その製品によって置き換えられるテクノロジーとを単純比較することだ。
例えば、製品を購入する場合「HCIがあればラックを占有するレガシーサーバとHDDを置き換えることができる」と考えてはいけない。構成によってパフォーマンスに大きな違いが生まれるためだ。例えばオールフラッシュアレイ(AFA)と小型ブレード筐体を使えば、HCIと同じラック構成に置き換えることができる。パフォーマンスを比較する場合は、HCIとAFAとブレードとの比較することになる。
企業がファイバーチャネルネットワークの構築という課題を検討する場合も間違いが起こりやすい。HDDベースのアレイとギガビットイーサネット(GbE)ネットワークの組み合わせと、10GbEを備えたHCIと単純比較してしまう。この比較は公平でも正確でもない。購入を検討する際は、新しいブレードサーバとAFAとGbEの組み合わせを、10GbEを備えたHCIと比較して評価する必要がある。
ハイパーコンバージェンス型導入の自動化
HCIは初期のハードウェア構成、ハイパーバイザーの導入、ソフトウェア定義ストレージ(SDS)の導入という3つの主要要素を簡素化する。そのため、管理者は従来型インフラよりもHCIの方が使いやすいと考える。代表的なHCI製品では、適切なスキルを有するデータセンター担当者ならこの3つの作業は約1時間で完了するだろう。完了までの総時間は長くなるかもしれないが、このプロセスの自動化も可能だ。
だが、これらをHCI以外で実現するには複雑な設定が必要だ。
ハイパーバイザーは通常、起動時には既に仮想マシン(VM)の準備ができている。そのため、どうやって素早く初期ハードウェア構成を完了させるかがポイントになる。大手サーバベンダーはいずれも、初期ハードウェア構成を自動化するハードウェア構成ツールを用意している。ハイパーバイザーのベンダーも、インストールを自動化するツールを用意しているため、ハイパーバイザーの導入や再導入は自動化される。
AFAについてはRAIDの必要性をなくし、仮想環境用のストレージを作成するためにハイパーバイザーの管理とストレージ管理を統合する必要がある。5分もかからずに終わる3手順のウィザードを使用すれば、簡単にデータストアを追加できる。ただ、こうしたやり方をする場合は自動化を管理する担当者が必要になるだろう。
通常は、この環境が「導入サーバ」になる。導入サーバの役割は、ITユーティリティーやドメインコントローラーなどのVM起動前に実行が必要なサービスの運用だ。自動化する場合は一般的に、標準のスクリプトをコピーして、IPアドレスなど各サイト固有の詳細を追加する。
判断基準は「サービスの規模」
複数のサービスを展開するなどの理由で個別のサービスが必要なIT部門は、既に自動化スクリプトを活用しているはずだ。そして既存のインフラと専門知識を持った担当者を有している。無理にHCI導入をする必要はないだろう。一方で、単一のサービスのみを必要とするIT部門では、既存のインフラがなくても導入できるHCI製品を購入する方がコスト効率は高くなるだろう。
IT運用の実際の作業は、数年ごとに一度行われるものではなく、システムのライフサイクル全体に渡って実施される。ファームウェアやハイパーバイザー、SDSなどの更新は1年に数回実施することになる。確かに導入が簡単な方が有益で、ビジネスの機敏性は向上する。だがコスト削減を考える場合、システムのライフサイクル全体の運用が容易な方を選ぶべきだろう。
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