「RPO6時間前、RTO15分」が両立する理由
いまさら聞けないRPO(目標復旧時点)とRTO(目標復旧時間)の違い(2/2 ページ)
RPOとRTOの算出方法
RPOとRTOを緻密に計画する場合、時間とコストだけでなく評判についても考える必要がある。どれだけの時間ダウンしたら、そしてどれだけのデータを失ったら、顧客が逃げ出し始め、自社の地位を落とすことになるかを考える。
RTOはサービスを復旧させる目標時間になるため、RTOを確立する取り組みは企業全体で考えるべきだ。RPOも同じだ。これらの数値を算出するには、企業を運営している部門からの情報が必要になる。オンラインに戻すまでに必要な時間はシステムによって異なる。そのため、RPOとRTOを算出する際は、最も重要なシステムを明確にする。
ある期間ダウンした場合と、特定のデータ量を失った場合にかかるコストをそれぞれ求める。これらのコストには収益損失、給与、株価、復旧費用などが含まれる。インシデントが発生しては最も都合が悪い時間帯を考えると計算しやすいだろう。
その後、これら全てのデータも慎重に検討することでRPOとRTOを算出する。
全体的なDR計画と同様、システムや従業員などの要素が変わるため、それに合わせて計画を変える必要がある。例えば、企業が成長するにつれて、復旧時間を早めることが求められる場合がある。その結果、DR計画の改善が必要になる。
テストすると、より正確なRTOを求めやすくなる可能性がある。例えば、RTOを2時間に設定していて、テスト中に復旧にかかった時間が1時間だった場合はRTOを1時間に変更できる。
データ量が増え続け、サイバー攻撃などの脅威が大きくなる中、高速な復旧には高額なコストがかかるのが一般的だ。そのため、失っても差し支えのないデータ量と、特定時間内での復旧に費やす余裕のあるコストを現実的に分析することが重要になる。例えば、レプリケーション(複製)はDRに最適だが、複製するデータ量によってはコストが高くなる。クラウドでのバックアップと復旧でも同じことがいえる。クラウドは最初こそ安価だが、データセットが飛躍的に増加するとコストが非常に高くなる。
主な類似点と相違点
RPOとRTOは異なる別個の数値だ。だが、相互に情報を提供することもある。RPOとRTOは事業継続(BC)と災害復旧のそれぞれで計画の中核を成す要素だ。サービスレベル(SLA)の策定にも使用する。
RPOはデータの損失を扱うため、バックアップ戦略の策定に役立つ情報を提供する。RTOは復旧時間を扱うため、DR戦略の策定に役立つ情報をもたらす。
ミッションクリティカルなアプリケーションでRTOが15分とされていても、RPOが6時間前のものであれば問題ない場合がある。厳格なRTOには到達していないが、もっと緩いRPOは達成しているという状況はあり得る。その場合、DRのプラットフォームを分析することになるはずだ。一方でRTOは達成しているが、RPOには未到達の場合、バックアップシステムを調査する必要がある。
BC/DR計画への組み入れ方
RPOとRTOはビジネスインパクト分析(BIA)の重要な要素だ。BIAはサービスの中断が企業に与える潜在的な影響を特定するもので、それ自体もDR計画の重要な部分になる。BIAはリスク評価とともに、総合的なDR計画における最も重要な要素になる。RPOとRTOはBC/DR戦略とその製品を判断するきっかけになる。
分単位で計測したRPOとRTOを定める企業と1時間単位で計測している企業とはバックアップや復旧のプラットフォームが大きく変わるだろう。
タウンタイムとデータ損失に対する許容度は下がり続けている。企業にとって幸いなのは、厳格なRPOとRTOに対応できるようにバックアップ製品やDR製品とそのテクノロジーが強化されていることだ。仮想化、レプリケーション、クラウドベースのバックアップと復旧によって、復旧プロセスは単純化され、速くなっている。圧縮や重複排除などのデータ削減テクノロジーは、増え続けるデータセットの抑制を後押しする。ただし、完全なデータセットを復旧することが必要になる場合もある。データの重要度や適時性に応じてデータを分類したり配置したりできるストレージ階層化もデータ量の増大に役立つ。
テクノロジーや製品を改善する際にコストの増加は避けられない。どの投資がそのコストに見合うのかを、RPOとRTOの計算や全体的なBC/DR計画を通じて判断するのは企業の役割だ。
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