機械学習の導入やストレージ管理機能が強化
管理者が知っておきたい「Windows Server 2019」の新機能と機能強化(2/2 ページ)
Windows Serverのストレージ関連機能の強化
Windows Server 2019ではストレージ管理機能を強化し、データの移行やストレージ使用の最適化が簡単にできるようになった。
新機能の「Storage Migration Service」は、オンプレミスやクラウド上の新しいWindows Serverにデータを移行する際の煩雑な作業を解消する。このサービスのグラフィカルなツールでデータの転送をすれば、同じ構成とセキュリティプロトコルを自動的に維持できる。Windows Serverストレージ移行はWindows Admin Centerコンソールから管理可能だ。
また、今回のリリースでは「記憶域スペースダイレクト」(Storage Spaces Direct)の機能を強化した。記憶域スペースダイレクトはローカルストレージをNASやSANアレイの代わりに使用する機能だ。
今回の機能強化では、ファイルシステム「Resilient File System」(ReFS)で重複除去や圧縮が可能になり、保存できるデータ量を拡大するとともにパフォーマンスの低下を抑えることができる。また、記憶域スペースダイレクトには2ノードクラスタによって耐障害性も追加され、複数の障害が発生した場合の中断を防げるようになった。
「Windows Defender ATP」の強化
Windows 10に導入済みの「Windows Defender Advanced Threat Protection」(ATP)がWindows Server 2019にも導入された。
Windows Defender ATPはデータストレージやネットワークトランスポートなどサーバの他のコンポーネントと連携して、検出した脅威を自動的に遮断し、攻撃を防ぐ。メモリレベルやカーネルレベルの潜在的な攻撃も検知する。
Windows Defender ATPには攻撃者の攻撃が成功する確率を下げるための防止機能がある。「攻撃表面の縮小」機能は、「Microsoft Office」マクロからのAPI呼び出しのように、マルウェアによって実行されることの多いアクションを防ぐ。「ネットワーク保護」機能は、危険なサイトへのアウトバウンド接続をブロックする。「コントロールされたフォルダアクセス」機能は、保護されているフォルダに信頼できないプロセスがアクセスするのを防ぐ。
また、提供を終了した「Enhanced Mitigation Experience Toolkit」(EMET)の後継機能、「Exploit Protection」プロトコルを構成して、OSや特定のアプリケーションに対する脅威の軽減策を設定できる。
データ漏えいを防ぐソフトウェア定義ネットワーク(SDN)の暗号化
Windows Server 2019ではソフトウェア定義ネットワーク(SDN)の機能もアップグレードし、重要なワークロードを保護するセキュリティ機能を強化した。
SDNは「Windows Server 2012 R2」以降に導入された階層化ネットワークアーキテクチャであり、Windows Serverとのトラフィックを形成する手段として使用できる。Windows Server 2019のSDNの動的な機能はデータセンターやクラウドで仮想マシンを実行する場合に役立ち、侵害発生時のワークロードの安全性を高める。
今回追加したネットワーク暗号化機能では、仮想ネットワーク上の仮想マシンとパケット間のトラフィックをスクランブル(データ解読を防止する処理)を掛けて不正アクセスや改ざんを防ぐ。また、Windows Admin Centerの機能拡張で構成や管理が容易になり、SDNの導入が簡単になった。
SDNにおける仮想マシンのパフォーマンスを向上させる新機能「動的仮想マシンマルチキュー」(d.VMMQ)と仮想スイッチの「Receive Segment Coalescing」(RSC)もある。RSCは仮想スイッチ間でTCPセグメントを大きなセグメントに結合して送信することによってCPU処理を削減し、ネットワークパフォーマンスを向上させる。d.VMMQは、ワークロードを複数の異なるハードウェアで実行している場合も仮想マシンのスループット(単位時間当たりの処理数)を自動的に調整する。
Windows Subsystem for Linux
Linuxのユーティリティーを使いたいが面倒な設定はしたくないという管理者のために「Windows Subsystem for Linux」がWindows Serverにも追加された。
Windows Subsystem for Linuxは、LinuxのコマンドラインツールやアプリケーションなどのネイティブバイナリをWindowsマシンでそのまま実行できる機能であり、Windows 10には搭載済みだ。Windows Serverにはこれまでこの機能がなかったため、Linuxの仮想マシンを構成して実行するなどの面倒な手順が必要だった。
Windows Subsystem for Linuxを使えば、単一のシステムでLinuxとWindowsの両方を利用できる。複数のシステムやVMを使う必要がないため、ワークロードやコストの問題を回避できる。
Windows Server 2019を展開する管理者は、同じホストでLinuxコンテナ内のアプリケーションも管理できるため、アプリの管理や開発の柔軟性が高まる。
Windows Server 2016ではWindows用の「シールドされた仮想マシン」を導入したが、今回のWindows Server 2019ではシールドされた仮想マシンがLinuxにも対応するようになった。これは、ローカル管理者アカウントなど組織内部からの攻撃に対する防御となる。この暗号化により、シールドされた仮想マシン内のデータへの不正アクセスを防ぐ。
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