何がキャリアを脅かすのか
CIOが解雇される5大要因、自分の身を守るためにできることとは(2/2 ページ)
3. 悪い評価:見誤った優先課題と要求の変化
10年ほど前、CIOの23%は実績の悪さを理由に失職したという調査が話題になった。これは、技術職のトップに上り詰めた人材のうち4人に1人は仕事ができなかったということなのか。そうではない。当時も今も、それは変わらない。問題は、ITプロジェクトがビジネスの目標に沿っていなかったこと、あるいはビジネスリーダーがプロジェクトに対する要求を変え、IT部門がその変化の早さについていけなかったことにある。
ITの観点から見ると成功を収めた大型プロジェクトをIT部門が完成させた後、業績が悪いと評価されてCIOのキャリアパスに傷がついた事例は幾つもある。CIOが予算内で予定通りに導入を完了し、ビジネスリーダーが求める条件を全て満たしたとしても、プロジェクトが失敗と見なされることがある。これは多くの場合、ビジネスリーダーが新しいIT製品を使い始めると、求める内容が完全に刷新され、カスタマイズの全面的な書き換えにつながることに問題がある。これは時間とコストの両方の超過を引き起こし、必然的にIT部門が責められることになる。
この種の失敗に対する解決策になるのがノーコードプラットフォームだ。ノーコードプラットフォームでは、会社のデータを管理してカスタム版のワークフローやダッシュボード、ビジネスルールに対応する、高度にカスタマイズされた製品の開発が容易になる。ノーコードプラットフォームは、ユーザーのフィードバックや要件の変更をわずか数日、あるいは数時間で反映させて再構成ができる点に大きなメリットがある。コードを1行も書かずに、完全なビジネスエンタープライズプラットフォームを構築することも可能になった。
ノーコードプラットフォームはまだどんなニーズにも対応できるというわけではない。だが利用できる場面では、真のビジネスアジリティが実現できる。
4. プロジェクトの大きな失敗
CIOが解雇される4番目の理由は、もっと以前からある大型ITプロジェクトの失敗だ。大型プロジェクトが失敗した実例として、「Healthcare.gov」の問題では、医療保険制度改革が始動する前に挫折するところだった。
この医療保険登録用のポータルサイトは、当初予算が1億ドル以下だったにもかかわらず、構築に要した経費は17億ドルに膨らんだ。開設から最初の数週間はユーザー登録さえできず、必然的に不満が噴出した。個人情報が危険にさらされるなどの問題も続出し、オバマ政権時代の目玉政策の1つを遂行する大きな障壁になった。
大型案件について事前にあらゆる細部を突き詰めることは現実的ではないかもしれない。それでも仕様の開発や導入目標を盛り込んだ手堅い実装計画を立て、責任の所在を明確にして、後戻りできなくなる前に障壁を見極めることは可能だ。この計画では、予算管理やスケジュール管理の責任を負うチームも決めておく必要がある。さらに、反復的な設計のアプローチを採ることでチームのアジャイル化が可能になり、状況の変化に対して機敏に対応できるようになる。
ベンダーは約束するのが大好きで、営業担当者は常に自信ありげに見える。その言葉の裏付けとして、ソフトウェアと導入の両方を対象に、満足できなかった場合の返金保証を頼んでみるといい。その目的は返金ではない。進んでそうした約束をしてくれるベンダーであれば、正確な見積もりを出すことができ、自分たちにはそれが実現できると心から確信している。
5. システム障害と災害復旧の失敗
CIOのキャリアパスが失われる5番目の理由は、完全なシステム障害と、災害復旧の失敗だ。完全なシステム障害が起きることはまれだが、もしそうなった場合、重大な結果を招く。高い負荷を原因とする障害を避けるため、システムは予想される負荷の数倍に拡張できる必要があり、完全な冗長性を持たせなければならない。
だが、冗長性だけでは十分とはいえない。例えばデータセンターが火災や地震で破壊されたり、システム管理者がデータを全て消去するコマンドを実行してしまったりした場合はどうなるのか。Gartnerが500マイル(約800キロ)以上離れた場所にあるスレーブサーバへの複製を勧める理由はそこにある。
当然ながら、そうしたシステムを用意するだけでは不十分だ。災害シミュレーションによる積極的なテストを行って、作業環境を復旧する手順を試しておく必要がある。加えて、地理的に分散したサーバの冗長性と99.9%のアップタイム保証があれば、CIOは、会社のニーズ増大に対応でき、壊滅的なデータ損失に見舞われない柔軟で拡張性の高いソリューションを保証できる。
現代のCIOの役割は、変化を促す戦略性が強まると同時に、ビジネスのスピードに合わせたITプロジェクトの導入が期待されている。CIOの解雇につながる理由はさらに増える一方だ。だが、CIOのキャリアを脅かす以上の5大要因は、適切な技術とビジネス戦略の組み合わせによって回避できる。
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