盗んだ個人情報を悪用
「クレカ不正申し込み」が急増した“巣ごもり需要”以外の原因は?
攻撃者は消費者の個人情報を盗み、それを悪用してクレジットカードを不正に作ろうとする。こうした不正行為が英国で急増していることが、調査により判明した。その背景とは。
信用調査企業Experianによると、英国において、盗まれた個人情報を使ったクレジットカードの不正申し込みが2021年8~10月に急増した。同社は2021年11月、英国の消費者に対し、年末のショッピングシーズンに向けて個人情報のセキュリティに注意を払うよう警告した。同社が不正取引防止サービス「Hunter Fraud Prevention Service」を通じて2021年8~10月に収集したデータを分析したところ、クレジットカードの不正申し込みが同年6~9月から43%増加したことが分かったからだ。
「英国ではクレジットカードの不正申し込みが活発化しており、下火になる兆しは見えない」。ExperianのIDおよび詐欺対策責任者であるエドゥアルド・カストロ氏はそう話す。カストロ氏によると、人々がオンラインでクリスマスの買い物をする年末に、こうした傾向は一段と顕著になる。
「クレカ不正申し込み」が急増した“もう一つの理由”
カストロ氏は、消費者だけでなく企業にもリスクがあることを指摘する。企業が直面しているのが「買い物のしやすさとセキュリティのバランスを取る」という課題だ。オンライン取引が盛んになった現代において、企業は「できるだけ少ない手間で顧客情報の真正性を確認できること」を重要視している。
「企業が高度な新技術を用いて不正行為を検出するようになったことで、企業の詐欺対策チームの取り組みがより高い成果を上げるようになった」とExperianは指摘する。このことがクレジットカードの不正申し込みの検出をしやすくし、今回の分析結果につながった。
狙われるオンラインショッピング
Experianは消費者に、オンラインショッピングの際に個人情報を守るために最善を尽くすことの重要性を呼び掛けている。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)とそれに伴うロックダウン(都市封鎖)の影響により、消費者の間でオンラインショッピングが急速に普及した。その結果、攻撃者が個人情報を盗んで悪用し、正当な購入を装った不正取引をする機会も広がっている。
オンラインショッピングに関係する詐欺の例としては、攻撃者が標的のエンドユーザーをだましてリアルタイムでの支払いを実行させる「APP(Authorized Push Payment)詐欺」がある。銀行業界団体UK Financeによると、英国で2021年1~6月に発生したAPP詐欺の被害額は、前年同月比で71%増の約3億5500万ポンドだった。英国の詐欺被害総額は同30%増の約7億5400万ポンドに達した。この被害規模についてUK Financeは「国家安全保障上の脅威だ」と述べる。
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