知っておきたい「マルウェア12種類」【第1回】
ウイルスだけじゃない、混同しがちな「12種類のマルウェア」とは?
マルウェアには、実はさまざまな種類がある。企業がマルウェアによる被害を防ぐには、まずマルウェアの種類を全て知っておくことが欠かせない。「マルウェア12種類」とは。
「マルウェア」は英語で表記すると「Malicious Software」で、その名の通り「悪意のあるソフトウェア」を指す。どの企業にとっても無視できない大きな脅威だ。ひと言でマルウェアと言っても、実はマルウェアにはさまざまな種類がある。マルウェア感染防止のために、まずマルウェアをどう分類できるのかを理解することが重要だ。具体的には、次の「マルウェア12種類」が存在する。
ウイルス以外の「悪意あるソフトウェア」12種類とは?
- ウイルス
- ワーム
- ランサムウェア
- bot
- トロイの木馬
- キーロガー
- ルートキット
- スパイウェア
- ファイルレスマルウェア
- クリプトジャッキング
- ワイパーマルウェア
- アドウェア
それぞれの詳細を見てみよう。
1.ウイルス
ウイルスはPCやスマートフォンといったデバイスに入り込み、自己複製しつつ、システム全体に広がっていく。ウイルス感染の一般的な手口として、ユーザーに悪意のあるコードをデバイスにダウンロードさせることがある。そのためには不正広告やフィッシングメールが使われることがよくある。
デバイスがウイルスに感染すると、デバイスの設定やアプリケーションが改変され、データの閲覧やコピー、削除などが可能になる。そのため、情報漏えいにつながりかねない。ウイルスは他にも、ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)攻撃やDDoS(分散型サービス拒否)攻撃の実行に使われることがある。
根強く残っているウイルスの一つが、2006年に初めて検出され、2023年現在も使われている「Zeus」だ。攻撃者はZeusを利用してbotネット(マルウェアがネットワークを形成したもの)を作成したり、Zeusをバンキング型トロイの木馬として使って金融情報を盗んだりする。Zeusの作成者がこのウイルスのソースコードを2011年に公開した。そのため、攻撃者はソースコードを変更してZeusを自由に“カスタマイズ”できる。
2.ワーム
ワームは自己複製に人間の介在を必要としないマルウェアだ。ワームは脆弱(ぜいじゃく)性や悪意のあるリンク、悪意のあるファイルを利用してデバイスに侵入。攻撃を目的に、ネットワークに接続されているデバイスを探す。正当なファイルに偽装されることが一般的なため、ユーザーはその存在に気付きにくい。
「WannaCry」は有名なワームだ。ランサムウェア攻撃によく使われている。WannaCryはMicrosoftのOS「Windows」の通信プロトコル「Server Message Block」(SMB)に存在する脆弱性「EternalBlue」を悪用する。WannaCryによる被害が世界各国で起き、感染デバイスは500万台を超えているとみられる。
3.ランサムウェア
ランサムウェアは、ファイルやデバイスを暗号化。復号のために身代金を要求する。著名なランサムウェアとして「REvil」や「DarkSide」がある。ランサムウェアはマルウェアと同じ意味で使われることがあるが、正確にはマルウェアの一種だ。ランサムウェアは以下の通り、さらに細分化することができる。
- ロッカーランサムウェア
- デバイスを完全にロックする
- クリプトランサムウェア
- デバイスのファイルを暗号化する
- エクストーションウェア
- データを盗み、身代金を支払わなければデータを公開すると脅す
- ダブルエクストーション型ランサムウェア
- ファイルを暗号化し、エクスポートした後、身代金を要求するか、盗んだデータを売却するか、あるいは両方によって金銭を手に入れる
- トリプルエクストーション型ランサムウェア
- 身代金要求とデータ販売に加え、DDoS攻撃を実施すると脅して金銭の支払を求める
- Ransomware as a Service(RaaS)
- ランサムウェアをサービス型で攻撃者に提供
ランサムウェア攻撃に対抗するための一般的な手段として、データのバックアップがある。企業はバックアップを定期的に実施すれば、暗号化されたファイルを復元できる可能性がある。しかし、ランサムウェアの多様化によってバックアップだけでは不十分になり、より高度な保護策を講じなければならなくなった。
第2回は、4つ目から6つ目までを取り上げる。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
3
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
9
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー