DevOpsの認定資格とトレーニングコース11選【第1回】
仕事が楽しくなる「DevOpsの6つのメリット」とは何か?
DevOpsの価値は開発プロセスの効率化だけでなく、開発者の仕事を楽しくすることにある。DevOpsスキルを身に付けることで、開発者にもたらされるメリットを解説する。
エンジニアはDevOps(開発と運用の融合)のスキルを磨くことで、職場における自らの価値を高めるだけでなく、仕事をより楽しめるようになる。それはなぜなのか。DevOpsの学習および実践が、企業やエンジニアにもたらすメリットを、その基本的な知識と併せて解説する。
仕事を楽しむために「DevOpsスキル」を磨くべし
DevOpsは、特定のツールや手法ではなく一つの概念だ。その本質は、開発プロセスの変革とソフトウェアデリバリーの効率化にある。
従来、企業が採用する開発手法としては「ウオーターフォール」型(開発工程を上流から下流へと順番に進める)開発が主流だった。ウオーターフォールでは、開発工程の後半に大規模なテストを実施するため、バグなどで手戻りが発生する可能性が高い。特にソースコードが10万行を超えるような大規模アプリケーションでは、バグの追跡にかなりの手間がかかる。
DevOpsは、小規模な変更を短期間で繰り返し、顧客や利用者からのフィードバックに基づいて継続的に改善するといった「アジャイル」手法を採用している。アジャイル手法では、アプリケーション全体を一度に開発するのではなく、アプリケーションの一部の機能から開発する。開発した機能はテスト後、アプリケーション本体に追加する。その後、アプリケーション全体をテストする。このプロセスを何度も繰り返すことで、開発の初期段階でバグを見つけたり、新しく作った部分のバグを発見したりしやすくなる。
DevOpsを採用するメリットは他にもある。それは開発チームとIT運用チーム間の摩擦解消だ。DevOpsにおいて両チームは、密接に連携し、開発するアプリケーションの内容やデプロイ(配備)の手順に加えて、デプロイ後にバグが発生した場合は、どう解消して次の開発サイクルに反映させるかを擦り合わせる必要がある。その結果、ソフトウェアデリバリーのプロセスが合理化され、開発チームとIT運用チームが衝突しにくくなる。
DevOpsでは、以下のようなさまざまな技術やツールを用いる。
- CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)
- ソースコードのビルド(実行可能形式への変換)やテスト、デプロイを自動化し、リリースサイクルを短縮しつつ、品質を向上させる。
- ソースコード管理
- ソースコードの変更履歴を追跡し、チームが協力して効率的に管理できるようにする。
- クラウドコンピューティング
- クラウドを活用し、コンピューティングリソースのスケーラビリティと柔軟性を確保することで、インフラ管理の負担を軽減する。
- 自動化された設定管理ツール
- インフラ設定を自動化することで一貫性と再現性を確保し、手動作業を減らす。
DevOpsで「仕事が楽しくなる」うれしいメリットとは?
DevOpsの導入企業は、アプリケーション開発において以下のようなメリットが得られる。
- アップデートの迅速化
- CI/CDパイプラインを活用することで、アプリケーションのアップデートを迅速に実施できる。企業は市場の変化に素早く対応し、ユーザーに最新の機能を定期的に提供できるようになる。
- コスト削減
- DevOpsでは自動化ツールを積極的に活用する。設定や環境を再利用するのが簡単になるため、コスト削減や提供する製品、サービスの規模拡大に役立つ。
- セキュリティ強化
- DevOpsでは、ソフトウェアデリバリーのプラクティスを標準化し、自動化する。これによって、人為的なミスや見落としのリスクが減るため、セキュリティ強化につながる。
DevOpsの導入は、エンジニアにも以下のようなメリットを提供する。
- 手作業の削減
- 自動化のおかげで、インフラの設定をはじめとする面倒な手作業が減る。代わりに、アプリケーションアーキテクチャの更新計画、新しいクラウドサービスの評価といった、創造的な業務に時間を割けるようになる。
- 問題解決の迅速化
- ソフトウェアのリリースで問題が発生しても、CI/CDパイプラインを通じて迅速にアップデートを送り込むことで、問題を素早く解決できる。テストと監視を自動化することで、開発プロセスの初期段階でバグを特定して修正することも可能だ。
- コミュニケーションの円滑化
- 開発チームと運用チームのコミュニケーションが円滑になることで、両部門が協力し、市場や顧客ニーズの変化に迅速に対処できるようになる。
次回以降は、DevOpsスキルを高めるための認定資格やトレーニングコースについて解説する。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
2
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
3
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
4
「IBM iはDXのボトルネック」は誤解 意外と知らない今風モダナイズの効果
-
5
「朝8時にバッチが終わらない」データ爆発の危機をJPX総研はどう乗り越えたか
-
6
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
7
AI導入後に発覚する「社内文書を読めない」問題 情シスは何を直せばいい?
-
8
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
9
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
-
10
IT製品の導入に関するアンケート「PC&デバイス」編
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
プログラミング不要で誰でも実現できる、ネットワーク運用管理の自動化とは
-
5
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
6
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
10
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー