クラウドの潜在能力を解放すべし【前編】

クラウドは必要不可欠でも「オンプレミス回帰」が広がる“残念な現実”

多くの企業はクラウドを業務効率化の道具としか見ていない。調査会社Gartnerはこうした状況に潜むリスクを警告する。どのようなクラウド戦略が必要なのか。

 「クラウドサービスは今やビジネスに不可欠な存在となっている。だが、多くの組織には、依然として大きな成長余地が残されている」――。調査会社Gartnerのアドバイザリーディレクターであるジョー・ローガス氏は、2025年5月にオーストラリアで開催された「Gartner IT Infrastructure, Operations and Cloud Strategies Conference 2025」での、クラウドサービスの将来に関する基調講演でそう語った。

 ローガス氏は、クラウドサービスのバリューチェーン(付加価値を生み出す各工程のつながり)を上昇させる確固たる戦略がなければ、組織はリスクにさらされると警告した。ほとんどの組織はクラウドを「最新ITを導入して業務を効率化する道具」として捉えている。だが、同氏は「全社でデジタル能力を高める土台」や「イノベーションの推進手段」としてクラウドを活用し、最終的には既存の業界構造や収益モデルを根本から変えるような「ディスラプター(既存の秩序やビジネスモデルを破壊する存在)」へ進化させるべきだと提言した。

 Gartnerの真意はどのようなものか。ユーザー組織がクラウドサービスを活用するためにはどのような取り組みが求められるのか。

クラウドサービス活用拡大の裏ではオンプレミス回帰も

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