2つのクライアントの選択肢
macOSでリモートデスクトップを使いたいなら知っておきたい「VNC」とは
「VNC」は、macOSでリモートデスクトップを実現する際に非常に有効な手段だ。その概要と、macOSでの主要な使い方を2パターン紹介する。
リモートデスクトップをはじめ、サーバへのリモート接続は日常的な業務で発生する作業だ。こうした作業を支える技術は進化を続け、「Windows」「Linux」「macOS」といったさまざまなOSがリモートアクセスサービスを提供できるようになった。
そうした技術の一つが、リモートデスクトップを可能にする「Virtual Network Computing」(VNC)だ。どのような仕組みで、どうすれば使えるのか。VNCの概要を解説する。
macOSで使える「VNC」の概要
VNCは、キーボードやマウスの操作情報とデスクトップの画面情報をネットワーク経由でリモートデバイスに送信し、遠隔地でもグラフィカルな画面を見ながら操作できるようにする技術だ。クライアントサーバモデルを採用しており、手元のローカルデバイスがクライアントとして操作情報を送信し、リモートデバイスがサーバとしてその情報を受け取る仕組みになっている。通信には「Remote Frame Buffer」(RFB)というネットワークプロトコルを利用する。
企業におけるVNCの活用場面例は以下の通りだ。
- PCの技術サポートとトラブルシューティング
- 共同作業
- アプリケーションのトレーニング
- サーバの管理と設定
- 社外ネットワークからのリモートアクセス
macOSは、VNCに準拠した画面共有機能を標準で搭載している。初めて利用する際は、「システム設定」で「画面共有」を有効にする必要がある。
VNCクライアントの2つの選択肢
macOSを業務利用している企業がVNCでリモートアクセスを使う場合、主に2つの選択肢がある。1つ目は、macOS標準のVNCソフトウェアを利用する方法だ。こちらは設定が最小限で済み、手軽に使い始めることができる。2つ目は、サードパーティー製のVNCソフトウェアを導入する方法だ。導入や設定に手間はかかるものの、より豊富な機能を利用できる可能性がある。
ここで、VNCがSSH(Secure Shell)とは異なるリモートアクセス技術である点を押さえておきたい。macOSではSSHを使ったリモートアクセスも可能で、それぞれ設定方法が異なる。SSHはCLI(コマンドラインインタフェース)の操作に慣れた管理者にとっては一般的なリモートアクセス手段だが、そうではない人にとっては扱いづらい場合がある。VNCはデスクトップ画面を通じてアプリケーションの操作や設定変更といった作業をより直感的に実行できる。こうした特性のために、VNCは共同作業やトラブルシューティングに向く。
選択肢1.macOS標準のVNCソフトウェア
macOSが標準で搭載しているVNCソフトウェアは一般的な用途に向いている。以下が主な利点だ。
- 追加のソフトウェアは不要で、すぐに利用できる
- macOS同士だけではなく、LinuxやWindowsなど他のOSにも接続できる
- ファイル管理システム「Finder」から呼び出すことができ、メニューバーやショートカットキーによる簡単な操作で接続可能
ただしAppleはVNCソフトウェアの開発を専門としているわけではない。そのため、サードパーティー製のツールには、macOS標準のVNCソフトウェアよりも高機能で自由度の高いものが存在する。自社の要件に応じた機能を使いたい企業での利用においては、サードパーティー製VNCソフトウェアが真価を発揮する場合がある。
選択肢2.macOS向けのサードパーティー製VNCソフトウェア
さまざまなベンダーが、セキュリティやパフォーマンスの強化といった付加機能を備えたVNCソフトウェアを提供している。こうしたサードパーティー製VNCソフトウェアには、次の利点が見込める。
- 接続先とのファイル共有
- リモートデスクトップ操作の録画
- 接続先が複数モニターに出力している際の出力先操作
- SSHトンネリング
- 通信全体をSSHによるトンネリングで保護する。
- 詳細な設定項目を適用することによるパフォーマンスの向上
- 強力な暗号化をはじめとするセキュリティ設定
具体的な機能はソフトウェアによって異なるが、サードパーティー製VNCソフトウェアの方が、さまざまな要件を満たすリモートアクセスを実現できる可能性がある。ただしほとんどの場合、ソフトウェアの購入費用や設定管理、接続先のリモートシステムへのサーバソフトウェア導入といった作業が必要になる。これらには相応のコストと時間がかかることを考慮しなければならない。
TechTarget.AIとは
TechTarget.AIは、TechTargetジャパンの記事の一部で生成AIを補助的に活用し、米国Informa TechTargetの記事を翻訳・編集して国内向けにお届けします。編集部による内容の確認を徹底しています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
TechTarget.AI
TechTarget.AI編集部は生成AIなどのサービスを利用し、米国TechTargetの記事を翻訳して国内向けにお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
市場調査・トレンド
[コパード株式会社] 約9割が負担を実感 Salesforceのテスト業務に関する実態調査で見えた課題とは -
市場調査・トレンド
[コパード株式会社] 「Salesforce」開発・運用におけるAI活用実態調査レポート -
事例
[テクバン株式会社] 1画面でITサービスデスク業務が完結 太陽ホールディングスに学ぶデバイス管理 -
製品資料
[デジタルサーカス株式会社] ライセンス無料 Drupalベースの「多言語ECサイト開発用パッケージ」の実力は? -
製品資料
[デジタルサーカス株式会社] 日本発グローバル企業用Drupal「Risley(リズリー)」の実力とは?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
2
OpenAIやAnthropicでさえ制御不能 2026年夏「3大サイバー攻撃」の衝撃
-
3
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
4
IT製品の導入に関するアンケート「セキュリティ」編
-
5
脱VMwareか、継続か? 仮想化ソフト主要6製品の運用管理と統制機能を徹底比較
-
6
見落としが多発、AI普及&データ急増に伴うネットワーク課題の意外な原因とは?
-
7
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
8
【専門家に聞く】シャドーAIや過剰共有のリスクを防ぎ、安全に生成AIを活用するポイントとは?
-
9
【コスト分析】事例が示す中堅・中小向けERPの最適コスト構造
-
10
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
2
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
3
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
4
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
5
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
6
プログラミング不要で誰でも実現できる、ネットワーク運用管理の自動化とは
-
7
東大教授と考える、AI時代の「データ主権」「信頼性」「ガバナンス」の在り方
-
8
Linux初心者でも知らないとまずい「RHEL」「SLES」の違いとは?
-
9
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
10
生成AIの活用を阻む「5つの壁」とは? AIネイティブ組織へ変革を遂げる方法
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー