コストと運用が投資の焦点に

なぜモデルの「蒸留」が“AIの現実解”として注目されるのか

DeepSeekが台頭したことで脚光を浴びるモデルの蒸留。成熟期に入った手法の系譜、コスト構造、投資の焦点、2030年ごろまでの注目領域を整理する。

 生成AI市場での関心は、巨大な基盤モデルをそのまま運用することから、限られたコンピューティング資源で十分な性能を引き出す「蒸留」へと移りつつある。特に中国のDeepSeekが、蒸留によってOpenAIのモデルに匹敵する性能のLLM(大規模言語モデル)を訓練できることを示したことが追い風となった。

 蒸留そのものは新たな発明ではない。調査会社Gartnerのシニアディレクターアナリストのハリサ・カンダバットゥ氏は、自身も2017年にモデル蒸留を研究していたと述べ、技術自体は新規ではないと指摘する。研究コミュニティーには次のような長年の蓄積がある。

  • 「Model compression」(2006、クリスティアン・ブチラ、リッチ・カルアナ、レクサンドル・ニクレスク=ミジル)
    • 大規模モデルの知識を小規模モデルへ圧縮する概念を提示
  • 「Distilling the Knowledge in a Neural Network」(2015、ジェフリー・ヒントン、オリオル・ビニャルス、ジェフ・ディーン)
    • 蒸留という用語を使用して考え方を定着させ、性能向上手法として提唱

モデル蒸留はなぜいま企業で現実解なのか

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Cliff Saran
Cliff Saran

最先端の研究開発からシステム管理の課題、レガシーシステムの保守・運用まで、幅広い分野で記事を執筆。ブログ「Cliff Saran’s Enterprise blog」を更新し、激変するIT市場を独自の視点で分析している。

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