脱カスタムコードを実現したシステム選定

終わらない“個別開発”からの脱出 KDDIはなぜ移行先に「OCI」を選んだのか

「自社専用」で開発したシステムは、新サービス投入の足かせになり、運用費を食いつぶす。KDDIはいかにして“手作り”の課金システムから脱却したのか。巨大事業を支えるインフラ選定の裏側に迫る。

 ビジネスの成長に合わせてシステムを拡張、改修してきた結果、気付けば「継ぎはぎだらけの迷宮」が完成している。新たなサービスを立ち上げようにも、既存システムとの連携やテストだけで膨大な期間と費用がかかる――。事業を長年展開している企業のIT部門にとって、こうした課題は付き物だ。

 KDDIも同様の課題に直面していた。5G(第5世代移動通信システム)通信や生成AI(AI:人工知能)を軸に、金融やエネルギーなど多様なサービスを急速に展開する同社にとって、通信事業の中核を担う「課金・料金計算システム」の複雑化は、致命的なボトルネックになりつつあった。インフラ費用の高騰に加え、運用に関わる専門的な開発工数が増加し、新サービスの市場投入スピードを鈍らせていたのだ。

 この肥大化した「技術的負債」を解消するために、KDDIは従来の手作りシステムを捨て、Oracleのクラウドサービス「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)で稼働する、クラウドネイティブな課金システム「Oracle Cloud Scale Charging and Billing」への全面移行を決断した。

 基幹システムの刷新は、IT部門にとって「絶対に失敗が許されない」大プロジェクトだ。KDDIは単に「はやりのクラウド」を選んだわけではない。決め手になったポイントと、導入効果を解説する。

「自社開発」という病からの脱却

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