本番環境での利用に潜む深刻なリスク

OSSはかえって高くつく? 「料金ゼロ」の裏で膨らむ技術的負債とIT部門の疲弊

企業システムを支えているOSSは、約7割以上の企業が明確なガバナンスやセキュリティ対策を欠いたまま運用されている。野放しのOSSが生む3つの問題と、それらを回避するための解決法を紹介する。

 AI(人工知能)モデル、クラウドサービス、データベース管理システム、OSなど、エンタープライズのコアテクノロジー領域においてOSS(オープンソースソフトウェア)はますます普及しており、いまやミッションクリティカルなインフラを支える大黒柱になっている。オープンソースプロジェクト推進団体Linux Foundationの調査レポート「世界のオープンソースの現状2025」によれば、調査対象となった企業の83%が「OSSは企業の将来にとって価値がある」と回答した。

 しかし、現場の実態は危うい。これほどOSSに依存しているにもかかわらず、OSSの利用を統括する専門組織「OSPO」(オープンソースプログラムオフィス)を社内に設置している企業はわずか26%にとどまる。明確なオープンソース戦略を定義している企業も34%に過ぎない。

 明確な運用ルールや管理体制がないまま、開発現場の判断で次々と本番環境に組み込まれるOSS。もし深夜にミッションクリティカルなシステムが停止し、その原因が「誰かが勝手に組み込んだ無償のOSS」だった場合、商用ベンダーのように「保守契約に基づく迅速な対応」は要求できない。最終的な責任はIT部門が被ることになる。

 IT部門はこの“理不尽なリスク”からどう身を守ればいいのか。調査結果を読み解くと、企業が陥りがちな「3つの落とし穴」と、それを回避するための現実的な防衛策が見えてくる。

本番環境で「野良OSS」が引き起こす悪夢

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