AI専門家に聞く

エージェンティックAI成功の鍵は? 導入の実務で得られた教訓

AIエージェントを導入してもPoC(実証実験)でとん挫する企業は後を絶たない。成功の鍵は、AIそのものよりも「業務プロセスの標準化」と「マルチエージェントによる連携」にある。本番環境で成果を出すための勘所を明かす。

 エージェンティックAIの導入は劇的な効率化が見込めるが、多くの企業はいまだに実務でどう機能させるか模索している段階だ。

 CIOにとって、その成否は重要だ。エージェンティックAIを配置できれば、圧倒的な生産性向上を実現できる。一方で失敗すれば、プロジェクトはパイロット運用のまま停滞する。こうした緊張感から、本番環境への導入に向けた実務的な指針を求める声が高まっている。

 Info-Tech Research Groupで応用AI担当プリンシパル・リサーチ・ディレクターを務めるマーティン・ブフィ氏は、企業のAI活用を本番環境で動作するエージェント駆動型ワークフローへと昇華させる支援を担っている。以下のインタビューでは、請求書処理やITサービスマネジメント(ITSM)といった初期の成功事例や、企業が苦戦しているポイントを解説するほか、実験の域を超えて規模を拡大するために、なぜマルチエージェントアーキテクチャや強固なガバナンス、コード主導の開発アプローチが必要なのかを明らかにする。

サマリー

 AI専門家のマーティン・ブフィ氏は、エージェンティックAI(自律型AIエージェント)の導入に向けたベストプラクティスとして以下を推奨している。

  • エージェントではなく、まずワークフローから着手する

 自動化を試みる前に、業務プロセスを標準化し、明確に定義しなければならない。

  • 単体ではなくマルチエージェント構成が基本

 実環境での実装は、逐次または並列で動作する複数のエージェントを連携させるシステムに依存する。

  • 本番環境には強固なガバナンスと評価が必要

 ガードレール、アクセス制御、オブザーバビリティー(可観測性)、継続的な評価が必要だ。

  • 性能とコストのバランスを取る

 ワークフローの全てのステップで、最も強力で高価なモデルが必要なわけではない。

  • カスタマイズは避けられない

 既製品のエージェントがそのまま動作することはまれで、コードによる開発が必要になる。

  • 成果の測定にはKPIが不可欠

 CIOは、事前に明確なビジネス指標を定義しなければならない。

  • 専門チームへの移行が進んでいる

 エージェンティックAIを一時的なプロジェクトではなく、継続的なライフサイクルとして扱う専用チームの構築が増えている。

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