Kubernetesを激安インフラで運用できるのか

激安「スポットインスタンス」全面導入の代償 痛みから学んだ3つの教訓

格安でクラウドインフラを利用できる「スポットインスタンス」は、ベンダーの都合で突然サーバが停止するリスクがある。大規模システムをスポットインスタンスだけで構築したエンジニアが経験した「痛み」とは。

 クラウドインフラの費用最適化は企業にとって喫緊の課題だ。その強力な手段として、クラウドベンダーの余剰コンピューティングリソースを通常よりも低価格で利用できる「スポットインスタンス」という仕組みがある。これはデータセンターで余っているコンピューティングリソースを利用する代わりに、サーバの利用料金が大幅に割り引かれるものだ。

 海運大手A.P. Moller - Maersk(以下、Maersk)が運用するオブザーバビリティシステムは、約8000個のポッド(処理の最小単位)が、330台のノード(サーバ)に配置され、5つのクラスタ(複数のノードを束ねた運用単位)またがって稼働するという、極めて大規模な構成だ。

 このシステムの運用管理を担当するラッセ・カント・ヘルス氏のチームは、システム立ち上げから最初の3年間、インフラを完全にスポットインスタンスのみで稼働させる大胆な手法を採った。その結果、浮いた費用でチーム全員に高級スポーツカーを買い与えたり、民間宇宙旅行に行けたりするほどの、圧倒的な費用削減を実現したという。

 しかし、こうしたメリットの裏には、運用チームを日々悩ませる深刻な「痛み」が潜んでいた。膨大な費用削減と引き換えに彼らが直面したインフラの不安定さと、それを乗り越えるために実装した工夫を明らかにする。

「安いから」だけで選んではいけないスポットインスタンス3つの教訓

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