ペーパーレス化を推進
北海道伊達市がインフォマートのBtoBプラットフォームを導入 採用の決め手は?
北海道伊達市は、インフォマートのサービスを導入し、事業者との請求・契約業務をデジタル化した。約300社を対象に本格運用を開始し、API連携による業務効率化や郵送費削減、支払いリードタイム短縮を目指す。
北海道伊達市は、事業者との紙ベースでの取引業務をデジタル化した。デジタル化に当たっては、インフォマートの「BtoBプラットフォーム 請求書」「BtoBプラットフォーム 契約書」「BtoBプラットフォーム TRADE」を採用した。2026年4月1日から本格的な利用を開始しており、取引頻度の高い約300社を対象に運用を始め、事務負担の軽減とコスト削減を目指す。採用の決め手は何だったのか。
採用の決め手は?
伊達市ではこれまで、公会計システムの更新に合わせ電子決裁化を推進してきた。一方で、請求書や契約書などの帳票類は紙ベースでの運用が続いていた。このため、職員による押印や郵送、原本の保管業務が負担となっていただけでなく、電子決裁化に伴って新たに発生したスキャン作業の工数増が課題となっていた。
事業者側においても、契約書への印紙貼付や郵送費、原本管理の手間といったコストが継続的に発生していた。さらに、紙の書類のやり取りが発生することで、書類不備による差し戻しや再送対応が必要になるケースもあり、支払いまでのリードタイムに影響が出る場面もあった。こうした背景から、電子請求と電子契約を1つの基盤で運用でき、内部システムとのAPI連携が可能で、多くの事業者で活用されてきた実績を総合的に評価した結果、BtoBプラットフォームの採用に至った。
採用の決め手となったのは、発注から契約、請求までの一連の工程をワンストップでデジタル化できる点だ。「BtoBプラットフォーム」上で請求書や契約書といった帳票類を一元管理できることに加え、同プラットフォームが様々な公会計システムとAPI連携に対応している点も伊達市は評価した。請求情報がデジタルデータで自動連携されることで、公会計システムへの転記作業の手間や入力ミスを排除し、業務効率を高められるとの判断もあった。導入に当たっては、国の「新しい地方経済・生活環境創生交付金」を活用し、自治体側のコスト負担を抑えている。
伊達市は導入による効果として、電子契約への移行に伴う印紙税の撤廃や、郵送費の削減を見込む。これまで手作業で実施してきた原本管理や照合業務など、“見えにくいコスト”の削減も期待している。事務作業面では、公会計システムとのAPI連携により請求情報が自動反映されるため、職員が支出命令書を作成・確認する時間が大幅に短縮される見通しだ。
事業者側のメリットもある。一連の取引工程をデジタルで完結できるため、印刷や封入、原本の保管、書類不備による差し戻し対応などが不要になる。電子請求によって書類作成から提出までをオンラインで完結できるため、郵送コストや提出遅延リスクの低減も期待される。支払いまでのリードタイムは、市内の事業者であれば1日から2日間、市外の事業者でも2日から3日間の短縮が見込まれる。
伊達市は全取引先約1000社のうち、まずは取引頻度の高い約300社に利用案内を送付した。2026年4月時点で112社が登録を完了している。今後はDX(デジタルトランスフォーメーション)に前向きな事業者から順次帳票類の電子化を進め、将来的には事業者との取引をデジタルで完結させる方針だ。継続的な業務効率化によって創出したリソースは、より付加価値の高い行政サービスへ充当していく考えだ。
伊達市の担当者は、本サービスの導入によって行政事務の効率化だけでなく、事業者の負担軽減と業務スピード向上を両立させたいと話す。電子請求や電子契約は、特に地域の中小事業者にとって実務的なメリットが大きいという。今後は請求・契約分野での活用を広げるだけでなく、成功事例を積み重ねながら、将来的には発注書や納品書、事業執行書類(着手届や完了届)まで含めた電子的なやり取りを実現し、地域全体のデジタル対応力を高める基盤整備を進めるとしている。
(※)この記事は本多和幸氏と谷川耕一氏によるIT事例メディア「CaseHub.News」に掲載された「北海道伊達市、全庁的な取引デジタル化で印紙税撤廃と郵送費削減へ」(2026年5月1日)を、TechTargetジャパン編集部で一部編集し、転載したものです。
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